【第8章】 春風と家族の絆
春まつりが終わったあとも、王都には、
穏やかで優しい時間が流れていた。
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【王都の春まつり後のほのぼの日常】
王城の庭園では、
マリーが作った特大いちごタルトの跡地に、
色とりどりの花々が植えられた。
「わぁ~、きれいだね!」
「ふふ、また来年もお祭りできるといいな」
子どもたちは、春風に誘われて、のびのびと駆け回っていた。
ゼウス王もマリア王妃も、
ティータイムを楽しみながら、
平和な日常に感謝していた。
「やっぱり、のんびりが一番じゃなぁ」
「そうですね、ゼウス様」
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【ケリーの旅の途中で拾う“もうひとつの奇跡”】
一方、放浪中のケリーは、森の奥で不思議な光景に出会っていた。
「おや? あれは……?」
小さな泉に、
虹色に輝く卵がぽつんと置かれていたのだ。
近づくと、卵がピコピコ動き始める!
「えっ、えっ!? なんか生まれる!?」
ポコンッ!
卵から出てきたのは、
ふわふわした毛並みの、小さなフェンリルだった!
「うわ~っ、かわいい~~!!」
ケリーは大興奮。
フェンリルの子どもは、すぐに彼女に懐き、尻尾をぱたぱた振った。
「よーし、あんたも一緒に旅しよっか!」
ケリーは新しい仲間「ミニフェンリル(名前:フワ)」を連れて、
さらに楽しい冒険へと旅立った。
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【ショーンとミニドラゴン・ルルの新エピソード】
王都では、ショーンとミニドラゴン・ルルが大人気だった。
「ルル、あれ飛んで取ってきてー!」
ショーンの言葉に、ルルはきゅいっと鳴いて、
王都の広場をピューンと飛び回る。
子どもたちも一緒に大はしゃぎ。
「ショーンくん、ルルすごいね!」
「ねー、かっこいいでしょー!」
ルルは、王都のアイドル的存在となり、
ショーンもすっかり得意げだった。
マリーは微笑みながら、二人(?)を見守っていた。
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【エリー、新しい美容グッズを作成】
一方エリーは、
王都の女の子たちのために、
新しい【可愛い美容グッズ】を開発していた。
・キラキラ光るヘアブラシ(髪にツヤを出す魔法効果付き)
・ハート型のミニ香水瓶(気分がリフレッシュするアロマ入り)
・ふわふわクッション付きの化粧ポーチ(中身が整理整頓できる魔法つき)
「ふふ……可愛いものって、やっぱり元気が出るよね」
完成したグッズは大人気!
王都の女の子たちが、
エリーに憧れて行列を作ったのだった。
(……またファンクラブが増えたことに、エリーは気づいていない)
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【マリー、大型公園・温泉施設・遊園地を作成】
マリーは、家族や王都の人々がもっと楽しめる場所を作ろうと考えた。
ネットショップから、次々と資材や設計図を取り寄せ――
なんと!
・大型公園(森と小川とアスレチック)
・巨大温泉施設(露天風呂・岩盤浴・サウナ付き)
・王都初の本格遊園地(観覧車、ジェットコースター、メリーゴーランド完備)
を一気に建設してしまった!!
「すごい! これ、全部マリー様が!?」
「わぁーい! 遊園地だー!」
子どもたちは大喜びで駆け出していった。
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【ゼウス&マリア、温泉で癒される】
ゼウスとマリアも、
新しくできた温泉施設で、のんびり極上のひとときを楽しんでいた。
「ああ……極楽じゃぁ……」
「ふふふ……たまには、こういう贅沢もいいですね」
二人は露天風呂に浸かりながら、
春の夜空を見上げた。
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【ショーン、遊園地に夢中】
「わーい! ルル、次はジェットコースターだー!!」
ショーンはミニドラゴン・ルルを連れて、
遊園地のアトラクションを大満喫。
観覧車に乗り、
メリーゴーランドで大はしゃぎ、
ジェットコースターで「きゃーー!」と叫び――
夜には、花火まで打ち上がった。
「たのしかったぁ~!」
ショーンは満足そうに、ルルと一緒に寝落ちした。
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【ラストシーン】
夜、静かな王城。
マリーはバルコニーで夜空を見上げながらつぶやいた。
「……ほんと、みんな楽しそうでよかった」
隣では、スプリンク(春の精霊)が小さく頷いた。
《春は、まだまだ続くよ、マリー》
家族も、街の人も、
みんなが笑顔で過ごせる場所。
それこそが、
マリーたちの――王都の、何よりの宝物だった。