【第6章】 王都お祭り大作戦!
春――。
王都には、花々が咲き誇り、
空は澄み渡り、どこもかしこも華やいでいた。
そんな中、年に一度の【王都春祭り】が開催されることになった!
王家ファミリーももちろん総出。
それぞれのブースで、大活躍(?)する予定である!
■ ■ ■
【ショーン、屋台デビュー!】
「いらっしゃいませーっ!!」
小さな体で元気いっぱいに声を張り上げるショーン。
彼が担当するのは――【シャボン玉屋さん】!
アイテムボックスから取り出した特製の「魔法シャボン玉セット」で、
虹色のシャボン玉をどんどん飛ばしていく。
「すごーい! シャボン玉がハート型になった!」
「こっちは星型だー!」
子どもたちに大人気。
ショーンも大はしゃぎ。
途中、調子に乗って自分までシャボン玉の中に入って浮かんでしまい、
マリーに慌てて回収されるというハプニングもあった。
「もう、ショーンったら~!」
でもみんな、笑顔、笑顔。
■ ■ ■
【マリーの特大クレープ屋さん】
マリーが出したのは、【特大クレープ屋】!
アイテムボックスから取り出した、超巨大ホットプレート。
家庭菜園スキルで育てたフレッシュな果物、
ネットショップで取り寄せた最高級クリーム。
「は~い! 好きなトッピング選んでね~!」
バナナ、いちご、ブルーベリー、チョコレート、アイスクリーム……
自由自在にカスタマイズ可能!
お客さんたちは大興奮。
「こんな大きなクレープ、見たことないよ!」
「おいしい~~っ!」
マリー自身も、子どもたちに混ざってクレープをほおばりながら楽しんでいた。
(うん、おいしいものって、幸せだなぁ~)
■ ■ ■
【シリウス、本気のソロキャンプ展示!】
「ふふ……これが、俺の本気だ!」
公園の一角に、シリウス特設キャンプエリアが設営されていた。
最新テント、高性能寝袋、ポータブルキッチン、
ソロキャンプ用の調理器具やアウトドアグッズがズラリ。
さらに、焚火台ではベーコンエッグとパンケーキを同時に調理中!
見学に来た大人たちは感嘆の声をあげる。
「すごい! 本当に一人でここまでできるのか!」
「このコーヒー……本格的だ……」
そして子どもたちには、シリウス直伝の「焚火でマシュマロ焼き体験」が大人気。
(やっぱり……自然の中で過ごすの、最高だな)
シリウスはしみじみと、焚火の炎を眺めた。
■ ■ ■
【ゼウス&マリアのお花見ティーパーティー】
王城の庭園では、
ゼウス王と王妃マリア主催の、【お花見ティーパーティー】が開かれていた。
テーブルには、マリアが腕を振るったサンドイッチやスコーン、
ネットショップで取り寄せた高級紅茶が並び、
ゼウスが自慢のおつまみをすすめる。
「いや~、こうして桜を眺めながら飲む酒は格別じゃなぁ!」
「もう、ゼウス様ったら……昼間から……」
でも、みんな笑っていた。
城の使用人たちも、王都の人々も自由に参加できる、
あたたかい、のんびりとした宴。
桜の花びらがひらひら舞い、
王都に、幸せな春が満ちていった。
■ ■ ■
【ラストシーン】
夕暮れ時。
お祭りが終わり、王都は金色の光に包まれていた。
「楽しかったね~」
マリーがクレープを片手に笑う。
「来年も、またみんなでやろうな」
シリウスも微笑む。
ショーンはマリーの腕にぶらさがりながら、
「またシャボン玉やるー!」と元気いっぱい。
ゼウスとマリアは、手を取り合いながら、
静かに春の風を感じていた。
――王都。
家族の笑顔と愛に包まれた、世界で一番あたたかい国。
今日もまた、平和で、優しい一日が、静かに終わろうとしていた――。