【第5章】 王都スローライフ編~のんびり王家の日常~
【ゼウスとマリアののんびりティータイム】
王城のテラス――。
春の風が心地よく吹き抜ける午後。
「ふぅ~……今日もいい天気じゃなぁ」
「ええ、ゼウス様。今日のハーブティーは、特別にブレンドしてみたんですよ」
王妃マリアが淹れたハーブティーから、ふわりと花の香りが立ちのぼる。
テーブルの上には、ネットショップで取り寄せたスイーツたち。
マカロン、フィナンシェ、苺のタルト――。
ゼウスはニコニコしながら、
「よし、今日のおつまみはこれに決定じゃ!」とパソコンをカチカチ。
「ええ? ティータイム中に、もう夜のおつまみ注文してるの……?」
マリアが呆れつつも微笑んだ。
「のんびりできる時間は、大事じゃからな」
二人はゆっくりとハーブティーをすすりながら、
今日も、王都の青い空を眺めた。
■ ■ ■
【シリウスのソロキャンプごっこ in 王都公園】
王城からほど近い大きな公園。
シリウスは、そっと荷物を広げる。
「ふふ……今日はソロキャンプ日和だな」
アイテムボックスから、最新型テント、焚火台、キャンプチェアを取り出し、
器用に設営完了。
鳥たちのさえずりを聞きながら、コーヒーを淹れる。
焚き火の上では、スキレットでベーコンエッグがじゅうじゅう焼ける。
「……これだ。これが最高だ」
そんな姿を、通りすがりの子どもたちが興味津々で覗き込む。
「お兄ちゃん、なにしてるのー?」
「キャンプだよ。よかったら、一緒にマシュマロ焼くか?」
子どもたちは大喜び。
こうして、シリウスのソロキャンプごっこは、
いつの間にか小さなピクニックパーティーになっていた。
(まあ……これはこれで、悪くないな)
シリウスは、苦笑しながら子どもたちと遊んだ。
■ ■ ■
【ショーン、いたずらしてマリーに怒られる(微笑ましい)】
「よーし、今日はこっそり、マリー姉ちゃんをびっくりさせるぞー!」
ショーンはキッズケータイで作戦をメモしながら、王城内をうろうろ。
作戦その1:
マリーのアイテムボックスに、巨大なシャボン玉発生装置をこっそり入れる!
作戦その2:
マリーのお菓子工房の入り口に、紙吹雪爆弾を仕掛ける!
結果――。
ドバァァァァン!!!
王城内に、虹色のシャボン玉と紙吹雪が舞い散った。
「ショーン~~!!!」
マリーがぷりぷり怒りながら追いかける。
「うわあぁぁ逃げろー!!」
城中を駆け回る二人に、
使用人たちも苦笑い。
だが、最後はマリーがショーンを優しく抱きしめ、
「もう、次からは一緒にやろうね」とにっこり。
ショーンも嬉しそうに笑った。
(やっぱりマリー姉ちゃん、大好きだなぁ)
■ ■ ■
【マリー、王都に家電ショップを開店!】
「よし、オープンだよ~!」
マリーは、王都の中心通りに、小さな【家電ショップ】を開店した。
品揃えは、異世界【日本】から取り寄せた最高品質の家電たち。
・炊飯器
・洗濯機
・冷蔵庫
・掃除機
・ホットプレート
「えっ、これでお米がふっくら炊けるんですか!?」
「わぁ、こんなにきれいにお洗濯できるなんて……!」
王都の人々は大興奮。
特に食堂や宿屋の経営者たちからは大絶賛。
「これで仕事が楽になるわー!」
「マリー様、神!!」
こうしてマリーは、王都のライフスタイル革命を起こしてしまった。
「みんなが笑顔になってくれるなら、がんばるよ~」
マリーは照れ笑いしながら、
家電のデモンストレーションを続けた。
■ ■ ■
今日も、王都は、平和で賑やかだった。
王様と王妃はのんびりティータイム。
兄たちはそれぞれ、マイペースに。
ショーンは元気にいたずら。
マリーは人々を笑顔に。
ゆっくり、穏やかに流れる――
愛しい家族たちの日常。