【第4章】兄妹それぞれのスピンオフ編
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【マリー編】
~王都スイーツ大作戦~
「ふわ~、今日もいい天気だね!」
マリーは王都の新しいカフェ街を散策していた。
ネットショップで取り寄せた最新スイーツレシピ本を片手に、
「お菓子祭り」を開催しようと計画中。
ギルドマスターからも依頼が来ていた。
《王都の子どもたちに、特大スイーツを作ってほしい!》
よーし、やるぞー!
家庭菜園スキルで大量のフルーツを収穫し、
アイテムボックスから「超特大お菓子工房セット」を取り出す。
結果――
王都広場いっぱいの巨大いちごタルトが完成!
子どもたちが歓声を上げ、
大人たちも行列を作り、
王都がスイーツパーティー会場に変わった。
「うん、最高!」
マリーは満面の笑みで、タルトをほおばった。
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【エリー編】
~王都ファッション革命~
「ふふ……今日は新作ドレス作りよ!」
エリーはおしゃれと裁縫が得意。
王都の若い女性たちから密かに憧れの的になっていた。
この日、王立仕立て屋から依頼が来た。
《春の王都ファッションショーに、特別衣装を出してほしい》
エリーはアイテムボックスから、
最高級の布や、異世界【日本】から取り寄せたデザインブックを取り出す。
(うん、可愛くて、動きやすくて、でもエレガントな服……!)
徹夜で試作を重ねた結果――
完成したのは、光を纏ったようなドレス!
当日のショーは大盛況。
エリーは新たな伝説を作った。
(……まさかファンクラブがまた増えるとは知らずに)
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【ケリー編】
~ドタバタ王都探検~
「えへへ、今日は何か面白いことないかな~!」
王都を歩くケリーは、期待とともにわくわくしていた。
空間魔法を駆使して、
商店街、図書館、温泉施設を飛び回る!
(あっ! このアクセサリーかわいい~)
(え、こんなところに隠し温泉!?)
勢い余って王都の警備隊に迷子と間違われるが、
ケリーらしくニコニコ誤魔化して無事解決。
途中で拾った「幻の宝箱」を空間魔法で持ち帰り、
あとでマリーに鑑定してもらうことにした。
ドタバタだけど、楽しい一日!
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【ジョン編】
~静かな読書と小さな冒険~
「今日は静かに過ごそう……。」
ジョンは王城の図書館で、新たに発掘された古文書を読み漁っていた。
すると、一冊の封印された本を発見。
《読んだ者を、昔の王都へと導く》
「……ちょっと、面白そうだな。」
本を開くと、
一瞬にしてジョンは、数百年前の王都ラブヘブンにタイムリープ!
古代の人々の暮らしを観察し、
現代とは違う素朴な温かさに触れる。
(王都はずっと、温かい場所だったんだな……)
数時間後、現代に帰還。
そっと微笑みながら、読書に戻った。
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こうして、兄妹たちはそれぞれのスピンオフの日々を過ごしていった。
家族で過ごす時間も、
一人ひとりの時間も、
すべてが愛おしい日常の一部だった――。