【第9章】 旅立ち、そして新たな出会い ~シリウスの恋~
春の訪れとともに、
王都には、新たな風が吹いていた。
それは、偶然の出会いから始まった――。
■ ■ ■
【第1王子、恋に落ちる】
王城では、王都主催の【春の親善パーティー】が開かれていた。
・近隣諸国の王族たち
・領主たち
・有力な商人たちが招待され、
賑やかで華やかな夜だった。
そんな中、シリウスは一人、静かにワイングラスを傾けていた。
(……やっぱり、こういう場所は苦手だな)
人混みを避けるように窓辺に立ったとき――
ふと、向こうから歩いてくる一人の少女に目を奪われた。
光をまとうようなドレス、
優雅な所作、
そして、心を射抜くような澄んだ瞳。
彼女こそ、隣国【セレニア王国】の第2王女――リリス姫だった。
シリウスは思わず、心の中でつぶやいた。
(……あの人だ)
■ ■ ■
【第1王子、お近づき!?】
緊張しながらも、
シリウスはリリス姫に歩み寄った。
「こんばんは。……よければ、少しだけ、話しませんか?」
リリス姫は一瞬驚いたが、
すぐに微笑んで、そっと手を差し出した。
「ええ。こちらこそ、光栄です、シリウス王子」
二人は、静かに言葉を交わした。
・好きな本の話
・旅の思い出
・家族のこと
会話は驚くほど自然に弾み、
時間が過ぎるのも忘れるほどだった。
(こんなに心が安らぐ人が、いるんだな……)
シリウスは、確信していた。
――この人を、守りたい。
■ ■ ■
【両国の王様、王妃はビックリ!?】
ゼウス王とマリア王妃、
そしてセレニア王国の国王夫妻も、
二人の様子に気づいていた。
「ほほぅ……我が息子に、あんな顔ができるとはのぅ」
ゼウスがワクワクした顔で呟く。
マリアも目を細めた。
「ええ……とても、良いご縁かもしれませんね」
セレニア国王と王妃も、にこにこと微笑んでいた。
「……まだ若い二人ですが、心から祝福したいですね」
両国は、温かく、静かに見守ることにした。
■ ■ ■
【第1王子、愛を育む】
パーティー後も、
シリウスとリリス姫は文通を交わし、
お互いの国を訪れるようになった。
・シリウスが焚火コーヒーをリリス姫にふるまう
・リリス姫が手作りのお菓子をシリウスに渡す
どれも、小さな思い出。
だけど確かに、心と心を近づけていった。
ある日、シリウスは決意した。
(もう、迷わない)
■ ■ ■
【それぞれ兄弟姉妹の第1王子に対する思い】
マリーは、にこにこしながらつぶやいた。
「シリウス兄様、すっごく幸せそう……! よかったね!」
エリーは、ちょっと寂しそうに笑った。
「うん……でも、嬉しいな。兄さんらしいもの」
ケリーは、旅先からメッセージを送った。
《兄さん、リリス姫と幸せになれよー! あたしも旅先で応援してるー!》
ジョンは図書館で本を閉じ、ポツリと呟いた。
「……あの兄さんが、なぁ。ふふ、面白いものだな」
ショーンは無邪気に叫んだ。
「シリウス兄ちゃん、かっこいいー! ぼくもお嫁さんもらうー!」
家族みんなが、シリウスを心から祝福していた。
■ ■ ■
【第1王子、隣国の第2王女と婚約!】
そして――ある夜。
シリウスは、王都広場の満開の桜の下で、
リリス姫に膝をつき、真っ直ぐに告げた。
「リリス。
俺は、君を迎えに来た。
これからの未来を、一緒に歩んでほしい」
リリス姫は、優しく微笑み、うなずいた。
「はい。……私も、ずっと一緒にいたいです」
こうして、
第1王子シリウスと第2王女リリスは、正式に婚約した。
王都中が、祝福の光で満たされた――。