第9話 謎に包まれし修道女(シスター)
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
とある日、兄の心奏,妹の心湊、幼馴染のマリンは隣街にある水族館に来ていた。
そこで、まさかの出来事に巻き込まれてしまう。
「かなちゃん。心湊ちゃん。今日は、私の行ってみたかった。水族館に連れてきてくれてありがとう。」
マリンは、隣街にある水族館に来館したことが、一度もなくこの日初めて心奏と妹の心湊に連れられてやって来たのだ。
「別に、気にしなくていいよ。この間の埋め合わせだと思って。ゆっくりしていこうよ。」
心奏が申し訳なさそうに、マリンに対して謝るのであった。
心奏の言う“”この間“”の事とは…
伊那美とその手下?たちによる心奏の"大切な宝"の窃盗未遂事件に巻き込んでしまったということである。
「いやいや…全然気にしてないよ。でも…。せっかくの二人の時間を奪うような形になってごめんね。」
マリンが心奏と心湊の二人きりの時間を割いてまでも、水族館に連れてきてくれたと思い思わず反射的に、謝ってしまうが...
「マリンさん。顔を上げてください。私、そんなこと気にしてないし、今日はこの三人で楽しもうよ。水族館で味わえる非日常感を…ね?」
妹の心湊が、マリンの気持ちをいち早く察して、声を掛けてマリンを励ます。
そして三人は、水族館を端から隈なく見て回り、ついに最後の展示室まで来て熱帯魚を細かく詳しく鑑賞していた。
そこには...心奏たち三人の他に、一人修道服を身に纏った女性が、熱帯魚の泳ぐ水槽を優しい眼差しで見つめていた。
「はあ、なんて綺麗なのかしら。このカクレクマノミって魚は…」
修道服を身に纏った女性がポツリ呟く。
「確かに、綺麗ですよね。カクレクマノミ。」
心奏が修道女に優しく話しかける。
「ええ。私、クマノミちゃん好きなんですよね。はっ、これは失礼しました。見ず知らずのあなたに声掛けしてしまって。」
思わず、素が出てしまった修道女は心奏の方に向き直り謝るが・・・
「いやいや、あたしの方こそ。いきなり声をおかけして申し訳ないです。」
心奏も反射的に謝ってしまう。
すると、修道服を着た女性は"大丈夫ですよ"とひと言呟くと、熱帯魚の展示室から出て行ってしまった。
その後は、心奏たちもじっくりと熱帯魚を鑑賞して、水族館を後にするのであった。
時は過ぎ…それから三日後。
心奏たちが住む街である不可解な現象が多発していた。
それは、半分空が夜の様に暗く其のまた半分の空は、昼間の様に明るいという。
まるで・・・半昼半夜な状態になる現象が、心奏たちが住む街とその隣街で起きていたのだ。
そこで心奏たちは、その不可解な現象の原因は何なのかを学園の協力得て調査していた。
「なんだろうね、この現象の正体って。」
心湊が、心奏に問いかけるが…。
心奏も"色々調べないと見当もつかないよ。"としか返答できずにいた。
するとみるみる間に、例の不可解な現象が心奏と心湊のいる目の前で起き始めて徐々に、空模様が変化していく。
そして、街中の行きかう人々は、皆空へと視線を向け何が起こった?という表情を浮かべ、空を見上げていたのだ。
心奏と心湊は、いち早く原因を探っていたのだが...。
心奏が何かを見つける。
「なんだ?空間の切れ間にいるのは...人!?」
思わず呟くと、妹の心湊の手を引き走りだす。
「ねぇねぇ、お兄ちゃんどうしたの?ねぇってば!」
心湊が心奏に話しかけるが.。
「ごめん。今は。。。とりあえず話は…現場についてからにするね。」
心奏は心湊の質問を後にしてと伝え二人は、急ぎでその現場へと向かうのであった。
―現場サイド―
一方その頃、謎に包まれし修道服を着た女性が、ある儀式を始めようとしていた。
「ふふふ...。早くこの世界が欲しいわ♡ ねぇ、お願いサタン様。この私に、貴方様の力をおかしくださいまし・・・」
謎の修道女はひとりごとをブツブツと呟きながらサタンへの祈りを捧げていた。
謎の修道女が、祈りを捧げ始めると次第に悪魔と思しき生物が出現する。
そこへ心奏と心湊の二人が、到着すると二人はあまりの光景に驚きを隠せずにはいられなかった。
「なんだこれは、そしてこの禍々しき気迫にこの魔力は…。」
心奏が思わず声を漏らす。
すると、謎の修道女は心奏たちの気配に気付き声を掛ける。
「私の邪魔をする者か?もし、邪魔をするなら容赦はしない。」
声を大きくして心奏に言い放つのだが...
謎の修道女の声を聞いた瞬間。
心奏は、目を疑った。
それもそのはず、心奏の目の前にいる謎の修道女は・・・
なんと、三日前に水族館の熱帯魚の展示室で出会った、あの修道服を着た女性であったからである。
あまりにも現実離れした事実に驚きながらも、心奏は修道女へ話しかける。
「何故貴女は、こんなことをしているのですか?」
修道女は両目に、ハートを浮かべながら頬を紅潮させ語りだす・・・
「私は、この世界が堪らなく欲しいの♡私の野望は、この世界を征服することだから。」
すると、心奏と心湊はここで気が付いた。
二人の知らぬ間に、悪魔と思しき生物たちに周囲を囲まれていることに。
「これは、一体。なんの真似?何をするの。」
心奏が叫びをあげる。
だが、修道女は先程と打って変わって怒りが満ちているのであろう表情のなり
「邪魔者は排除するまで、さあ、悪魔たちこの子らをやってしまいなさい。」
心奏と心湊の周りにいる無数の悪魔たちに命令を下す。
すると、命令を利いた悪魔たちは…
一斉に心奏と心湊の二人に襲い掛かろうとしてた。
心奏は、腹をくくり、一か八かやるしかないと覚悟を決める。
「聖少女モード解放!!!。」
魔力を解放し心奏を聖なるオーラが包み込むその姿を見て、一瞬怯む悪魔たち。
「お前たちは、このあたしが倒す!」
心奏の覚悟を決めた気持ちが心奏の力に、光を与えるのであった。
心奏は、悪魔たちからこの街をそして、妹の心湊を護りきり無事に勝利を掴むことが、できるのであろうか...。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。