第7話 心奏【かなで】の過去と伝説の始まり
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
これは、御堂心奏の過去の話。。。
"心奏は、小さなころから様々な事件に巻き込まれてきた。
一つは、御堂家一族の話。
もう一つは。。。心奏の成り立ちだ。"
先に、御堂家一族について話していく…
それは、心奏が小学生位の頃まで遡る。
その当時、年に三回御堂家一族が、とある島の館へ集まり次年度の一族の話し合いを、するという集まりであったが...
その時は、次年度の話ではなく御堂家一族が辿って来た、運命について話をしたのであった。
「今年も無事こうして我々、一族が集まれたことに感謝する。」
祖父であり御堂家の五代目当主 御堂烏丸が一族に向かって感謝の言葉を述べる。
「大変有難いことです。我々一族がこうして集まれる場を設けてもらって、頭が上がりませんわお爺様。」
五代目当主、御堂烏丸へ感謝を述べる姉カトレア。
この当時、御堂家当主を筆頭に、姉カトレア,母の御堂早紀,祖母の御堂華美
そして妹の心湊と兄の心奏の五人で集まっていた。
ここで、心奏の母の早紀に五代目当主の烏丸が不意に、問いかける。
「早紀よ。今回も、お前の夫は、来ないのか?」
烏丸は、早紀に何故この場に夫…心奏の父親が居ないのかと気になっていた。
すると、早紀は申し訳なさそうに口を開き理由を話し始める。
「ええまあ。どうやら、仕事が忙しいとか…何とかで、来れないと連絡がありました。お父様大変申し訳ございません。」
母、早紀の返答に、こくりこくりとうなずく烏丸。
「まあ、仕方あるまい。そう言えば、お前の夫は守人だったな。この世界の...それなら、仕事を放置させるわけにも、いかぬだろう。別に, 謝りなどはいらぬぞ。儂は、そこまで鬼ではないからな。」
烏丸は、母の早紀に無駄に神経を使わぬよう優しく夫の事情に、納得を示していた。
そして、この時殆どが母と当主烏丸の会話ばかりで、心奏や心湊は、話についていけなかったというより話に入ることすら出来なかったのであった。
ただ、当主烏丸が最後に…兄の心奏に対して言った言葉が、今の心奏を正しい方向へ導いてくれた。
「心奏。良いなこれから先お前には、恐らく色々な試練が、待ち受けているだろうが、それを乗り越える勇気という力さえあれば、どうにだってできる。例えそれが、窮地に追い込まれていようとな。この言葉を大事に、覚えておくんだぞ。そして、何事にも全力で挑め!そして学ぶ!それが、約束だ心奏。」
それから心奏たちは、訪れる様々な試練に挑み、己を磨いてきた。
だが...心奏が中学生の時、ついに心奏自身の人生をぐるりと変えてしまうある事件が起きたのだ。
そうそれは...心奏が中学2年生の春に起きた事であった。
その日は、心奏と友人の語部咲来は放課後、普段は誰も使わない空き教室を使って、ある部活をしていた。
二人は、ひっそりとアイドル部として活動していた。
「ねえ。かなちゃん。僕たちさ、一応は、密かにアイドル活動してるけど、今度のライブの予定はどうする?」
密かにアイ活をしている二人であったが、咲来がライブをやってみたいと、心奏に提案するのだが...
心奏は、少し悩みながら咲来の提案に、意見する。
「一応...密かにやってはいるけど…。どうしてもって言うのなら、うちの家にある地下室なら多分…。どうにかなりそうだよ。」
そう言う心奏の意見を取り入れて咲来は、少し悩みこんでしまいこの日の、密かなアイ活は、一旦終わりとなった。
だが、この二人にあるトラブルが差し迫ろうとしていた。
それは後日、心奏と咲来は仲良く登校し部室へ向かったのだが...。
なんとそこには、大量に怪文章や盗撮された二人の写真が、机の上や黒板に張り付けられているのであった。
「これやばくない?かなちゃん。僕たち二人の写真。僕たち名前や顔だしも未だしてないのに...何処で撮られたかわからないやつある。」
あまりにもプライベートかつセンシティブなレベルでの大量の写真を目の前にして、不安が募っていく咲来。
「それもやばいけど、この怪文章も常軌を逸してる。咲来見てよ。」
怪文章が書かれた紙を咲来に見せる心奏。
その怪文章には、こう書かれていたのだ。
”顔写真や本名をばらされたくなかったらライブを中止しろ!さもなければ、二人をネットの晒しものにする。”等と様々な字体で書かれていたのだ。
それを見た咲来は頭を抱えながら...
「どうしよう。ライブは今日かなちゃんの家の地下部屋使ってやるって決めたのに…。えー。どうしようかなちゃん。ライブやめる?」
心奏に、ライブの中止をしようかと尋ねる咲来
だが・・・心奏は、少し考えたのちある提案を咲来に、持ち掛ける。
「いや、大丈夫。僕の家のセキュリティーは並大抵のオートロックより強いし、もし何かあれば、ガーディアン…。妹と姉が黙っちゃいない。から安心してできるよ。」
心奏は、自身の家のセキュリティーが強固だと、咲来に教え咲来を安心させた。
そして、数時間の時が流れ...。
心奏の家の地下室にて、強固なセキュリティーで警備され安心安全な環境で、二人の前から計画を企ていたライブは、無事に成功し二人はアイドルデビューを果たしたのであった。
この時、何事もなく終われたのは裏側で、妹の心湊と姉カトレアの活躍があってこそ成り立ったものであった。
それは、二人が家の地下の部屋でアイドルデビューライブを始めて間もない頃。。。
心湊と姉カトレアは事前に心奏から見せられた怪文章を書いた張本人居場所…
いわゆる縄張りを攻略していたのだ。
「誰だ、ウチの可愛い弟とその友人にこんな手紙書いたふざけた野郎は?出てきやがれ!」
カトレアの怒気がこもりにこもったドスの利いた声で、叫ぶ。
するとその声に反応した輩たちが、ぞろぞろと建物から出てきた。
そして、その中に例の怪文章を書いた張本人もいたのだ。
「なんだ?てめえ?俺たちとやりあおうてか?女の分際で、俺たちに勝てると思ってんのか?あん?」
そう声を上げた張本人だったが・・・
いざ、姉カトレアの顔を見るなり挙動不審になり、冷や汗をかきはじめて半分パニックを起こながら語り始める。
「た、確か。き、聞いたことある。一人で何百人も不良をいとも簡単に、なぎ倒し。たった一夜にして名をあげた。で、伝説の女番長 御堂カトレア。」
輩の一人のその言葉を聞いてしまったカトレアは、少し苛立ちを見せ指を鳴らし戦闘モードに入ってしまうカトレア。
「てめぇ。その名は、封印したんだ。それとも何?貴様消されたいのか?このあたしに。」
カトレアの隣にいる妹の心湊も、輩の言葉をしっかりと聞いていて輩の言動と行動にすっかり呆れてしまっていた。
すると、"やってしまえ!"と輩の一人が掛け声をあげると一斉にカトレアの方に輩たちが向かってくるのだが。。。
「遅いわ。こんなんじゃ暇つぶしの相手にもならない。」
愚痴を呟き一瞬にして輩たちをなぎ倒しため息をつくカトレア。
そして、終いには"呆れた。こんな奴らにお兄ちゃんたちが脅されてたなんてバカみたい。”と思い切り毒舌をかます妹の心湊。
妹の心湊と姉カトレアのおかげで、二人のアイドル生命が護られた。
この姉妹は、輩たちに死よりも恐ろしい地獄を見せトラウマを植え付け二度と悪さをできないように叩き込んだのだ。
こうして、事件を経た二人のアイドルは後に、伝説的なライブを開催してネットの世界にその名を轟かせるとは…。
この時、誰も想像していなかったのであった。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。