第6話~決戦~聖少女〔ヴァルキリー〕VS伊那美(いなみ)
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
ついに始まった。心奏と伊那美の戦いが今、幕を開ける。
お互いの力量差が、ほぼ同格で中々決着が、つけられずにいた...。
「はぁはぁ...。中々やるではないか。お前のような強敵は久しいな。」
息を切らしながら心奏の強さについて、評価する伊那美。
だが、心奏もこの伊那美との戦いでスタミナをすり減らしながら、伊那美の相手をしていた。
「これでも、ダメなのか...流石に一筋縄にはいかないか。」
心奏は、思わず心の声が口をついてでてしまっていた。
一向に二人の決着が、つかない状況に少し離れた場所で見ていた心湊たちにも少し焦りが見え始めていた。
「流石に、お兄ちゃんも体力の消耗が激しいのがわかるけど…奴も体力を相当使っているはず。だけど、まだ余裕がありそうな感じがする。」
少し、冷や汗をかきながら話す心湊。
それに対し、真剣な表情で冷静に、様子を見る姉カトレアは、心奏の方を見て叫ぶ。
「心奏!私たちのことは心配しないで、目の前のことに集中しろ!今は、目の前のことにのみ神経を研ぎ澄ませ!」
カトレアは、心奏に伊那美との戦いに集中しろと指示するのだが...。
だがしかし、それをよく思わなかった伊那美が口を挟んでくる。
「余計なお世話よ!カトレア。あんたってホントそうゆうことするの好きね。 戦いの邪魔しないでもらえるかしら?」
嫌味というより戦いに、口を挟まれたことに怒りを見せ始める伊那美。
その反応を見て姉カトレアはため息をつき、伊那美の過去について語り始める。
「ほんと・・・昔からそこだけは、変わらないね。その嫌みったらしい性格は…。」
昔と今の性格が全くと言ってもいいほど変わらなかった伊那美であったが…。
心奏は、姉カトレアと伊那美の言い合いを聞いていて長くなりそうだなと、思い二人の間に割って入ることに...
「ふう…。言い合いは、そこまでにしてくれないかな?流石にこれ以上長くは、この姿を保てない。だからこそ、ここからはフルスロットルで決着をつけましょ…伊那美!」
心奏が、間に割って入り決着をつけようと言うと、その言葉に反応した伊那美も心奏との戦いに決着をつけたい様子でいた。
「うむ…いいだろう。望むところだ!我も全力で貴様を倒すとしよう!」
再び、二人の周りに魔力のオーラが漂い始めた。
空模様も一段と変化していき、まるでこの世の終わりの様な不気味な色へと変わっていく。
そしてついに、二人が本気を出す。
「魔力全開放!聖少女〔ヴァルキリーモード〕廻。」
「黄泉の国より伝わりし神の力今此処に降臨する。解放!黄泉平坂」
そしてお互いに、本気になった力をぶつけ合う。
そう何度も繰り返しそして再び、空では雷鳴が轟き、今度は白銀の稲妻が、互いの技の衝突と同時に発しては辺り一帯に迸る。
ついに、心奏の新たなる力の技を繰り出す。
「これで決める…聖少女の力を此の剣に宿す。喰らえ‼裁きの英断!!」
心奏の魔力で生み出した聖なる力を持つ剣に、聖少女の力を纏わせて伊那美のいる方向へと斬撃を振り放つ。
心奏の放った聖なる力を纏った斬撃を受け止めようと、伊那美は自身の力黄泉の国の神の魔力で創り出した槍で対抗しようとするのだが...
圧倒的なプラスのエネルギーに、満ち足りた心奏の放った聖なる力を纏った斬撃を、まともに喰らってしまう。
「何故だ、ダメージが回復しないだと…。やばい負ける。こんなことがあってたまるか!!我の力が貴様なんぞに負けるはずは、ないのだ!!!」
伊那美が更に、自身の力に魔力を注ぎ込む。
「もう…。貴女は、禁忌を犯してしまったの。だから…貴女をこのまま易々と放置しておくことなんて、できない。これで最後よ!断罪の英断!」
心奏は、再び伊那美に向かい聖なる力を纏った斬撃を放つ。
すると、先程の攻撃で相当数のダメージを負っていた伊那美は激しい光に包まれて、断末魔を上げ消え去ってしまう。
"はぁはぁ"と息を切らしながら、心奏は呟く。
「これで...一件落着…か。うっ…ダメだ。力が入らない...。」
聖少女の力が解けてバタンとその場に、倒れこむ心奏。
そこへ妹の心湊とカトレアが駆けつける。
「よく頑張ったな。ホント"かな"は、ほんとやればできる子ね。ゆっくり休みな」
姉カトレアの優しさ溢れる言葉に、安堵の表情を浮かべ気を失ってしまう兄の心奏。
ついに、伊那美との決着が着いた。
だが...これはまだ心奏たちが後に逢う大きなヤマになるとは、知る由もない。
無事に決着が着き一件落着...
とは言えなくなってしまうことがもう直ぐそこに迫ってきていた。
果たして、心奏に襲いかかろうとする大きな出来事とは…どういうものなのであろうか。。。