第5話 再来と再会
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
無事に、自分の魔力を制御装置用いて、自身の魔力制御をできるようになった心奏。
身体にかかる負担を最小限に、抑えることに成功した。
だがしかし、心奏にはまだ乗り越えなければいけないある問題が起きようとしていた。
それは、いつものように学園生活を送っていた心奏この日も、妹の心湊と一緒に登校していた。
すると、突然心奏の携帯に電話が掛かってくる。
「もしもし?お姉ちゃん?どうしたの?」
実の姉であるカトレアから電話がかかってきた。
そして、心奏の隣で電話越しに聴こえるカトレアの声に、耳を澄ませる心湊。
心奏は、色々と話終えると心湊の方を向いて、電話であったことを全て話した。
「心湊実は今、お姉ちゃんから言われたんだけど、なんかね今日の夕方に家に帰るから、宜しくね。ちょっと、色々あって遅くなったごめんって。」
心奏は、心湊にカトレアとの電話で話したことを簡潔にまとめ伝えると心湊は、笑顔で喜んでいた。
その日は、特に事件もトラブルも起きずに、無事夕方を迎えることができた。
そして、場所は心奏たちの家。
久しぶりの姉との再会に2人は、興奮を隠しきれずにいた。
そこへ姉のカトレアが帰ってくる。姉の姿が見えるがいなや、2人は姉に抱きつく。
「ちょっ、2人とも抱きつくの早いって!お姉ちゃん、倒れちゃうよ、、、もう。」
姉カトレアとの再会に二人の歯止めは全くもって一切利かなかった。
そこから、姉と今回の事、心奏に起こった事について話をした。
最初は、姉カトレアの話が始まるのであった。
「実は、お姉ちゃんね、かなが大変なことになったの友人伝いに聞いたから知ってるよ!色々大変だったでしょ。ごめんね、早く戻って来られなくなって」
姉カトレアから思わぬ展開を聞かされた心奏は少し驚き”誰から聞いたの?”と姉カトレアに聞き返してしまうが...
カトレアは、至って冷静に淡々と話始める。
「保健の月夜見先生だよ。私と同級生の。」
姉カトレアからのまさかの返答に驚きを隠せなくなった心奏は、言葉が詰まり只々、姉の話に耳を傾けることしかできなくなっていた。
姉カトレアは、月夜見先生から、直接連絡を受けていたのだ。
だがしかし、逸早く学園へ駆けつけたかったカトレアであったが、彼女も彼女なりにトラブルに巻き込まれていたのであった。
そして後日、心奏たちは、久々に姉と再会できたのもあり3人で、街へと出かけていたが…そこで思いがけない出来事に遭ってしまう。
それは、心奏たち3人が、街で買い物を楽しんでいた時であった。
突然、避難促す放送がかかる。
”何?避難を指示する放送がかかるって…。しかもこのタイミングで、、、まさか”奴”が現れたのか?”と声を漏らす心奏。
以前にも、心奏が学園で襲撃された時にも同じく、避難を呼びかける放送が鳴っていたことを、思い出し最悪なシナリオが、心奏の脳裏をよぎる。
”確かあの時、お兄ちゃんって”奴”との決着をつけていなかったよね?まさか今度は、"奴”が街中を巻き込んで来るなんて。。。”
少し焦り話す心湊。
「”奴”とは?もしかして、伊那美のこと?」
姉カトレアから伊那美の名が出て驚く心奏。
「どうして、知ってるの?お姉ちゃん?僕一切話してないよね?」
思わず、カトレアに疑問を投げかける心奏。
「あの子は、昔からそういう子だった。まさかとは、思っていたけどやっぱり変わってはいなかったのね。」
姉カトレアから予想だにしない返答をされた心奏は少し頭が真っ白になりそうになっていた。。
”奴”こと伊那美は、姉カトレアと同じ学校に通っていた。
姉カトレアと学年は二つ違いではあるが、色々と闇の噂が絶えない人物であった。
物欲と自己顕示欲が強すぎるあまりに、自分の欲しいものに対して決して妥協せず手段を択ばないタイプで、それが例え人を殺めてでも、彼女は自身の目的を遂行してしまうタイプの人物であった。
そして、心奏たち3人は、すぐに彼女に思い当たるとある場所へと急いだ。
そこは、再開発を予定されている街にある大き目の空き地であった。
そこへ心奏たちが到着すると、空き地の真ん中に伊那美が3人の到着を待ち立っていた。
伊那美は、心奏たちの気配を肌で感じとると心奏たちの方に視線を向けた。
「ついに来たか。今回こそ我は、お前を倒しお前の”大切な宝”を我が手中に納める。」
開口一番に自身の目的を淡々と話し、伊那美は魔力を高め始める。
彼女の魔力がどんどんと高まっていくにつれて、先程まで晴れたっていた空の色も段々荒れた色へと変化していく。
心奏は、万が一に備え心湊と姉カトレアに離れた場所に移動してもらうよう話をつけ、心奏は伊那美の前へと歩みを進めた。
「さあ、我に戦いを挑む愚か者よ。前のようにはいかぬぞ。覚悟することだな。」
心奏に対してまるで挑発とも捉えられるような口ぶりで話す伊那美。
「では、僕…。あたしも遠慮はしません。全力で行きます。」
心奏は、意識を戦闘モードへと変えた。
"魔力解放!"と叫ぶ心奏の周りに紫色のオーラが現れる。
その光景を見た、伊那美は淡々と話し始める。
「ほう…。確かに、前とは雰囲気が違う。気迫も様になっている。そしてその要因は...その制御装置かな?まぁ、大体理由は、察せる。その制御装置は、理化学部の奴らが作ったもだな。全くあいつ等と来たら、とことん最新技術を使ってこんなものを作るとは…。少し奴らを甘く見ていたな。だが...その程度の力で我に勝てるのかな?」
伊那美は、さらに心奏に対して気に障るような口ぶりで話しかけるのだが...
「まぁ、やってみないとわからないよ。」
全く伊那美の言う言葉を気にも留めずに心奏は、呟き深呼吸をして意識を完全に戦闘モードへと移行する。
そして完全に意識が戦闘モードになった心奏は"聖少女モード解放!"と叫ぶ 。
眩い光が心奏を包み込みやがて光の中から心奏が姿を現す。
するとそこには...聖少女の様な姿になった心奏が現れる。
聖少女の姿の心奏を見た伊那美は、不敵な笑みを浮かべて高笑いし、少しずつ心奏に歩み寄っていく。
「それが、貴様の力か…面白い。さぁ、かかって来い!聖少女よ!!」
次の瞬間、二人の拳がぶつかる。
白い稲妻が辺りを走り、お互いに拳をぶつけ合う度に雷鳴が轟く。
この時の心奏と伊那美の力量差は互いに五分五分と拮抗し、互いに体力をすり減らしながら、戦いは続くのであった。
果たして、2人の戦いに舞い降りる勝利の女神は…一体どちらに微笑むのであろうか。。。