第39話 心奏(かなで)の真なる姿。ついに決まる大激戦の行方
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
ついに、復活した心奏とM・・・
基、水瀬レンとの大激戦が幕を上げた。
だが、心奏は...
怒りの状態の天使化で冥王の力を解放した水瀬に挑むのだが...
「なんて、強さなの?ねぇね。これが、新たな力を手に入れたねぇねの本気…。物凄い霊圧で妾は、少し震えているのじゃ。」
心奏の本気を目の当たりにしたタナトス。
その様子を見てあることを呟く妹の心湊。
「お姉ちゃんは、まだ本気じゃないよ多分。《・》本気になったお姉ちゃんを止められる奴なんてこの世にはいないはずだから…。だからお姉ちゃんは必ずアイツを倒してくれるはずよ。だってお姉ちゃんは、アレがあるんだから…。」
妹の心湊の言うアレについて疑問に思うタナトス。
「アレって何なのじゃ?ここみちゃん。」
タナトスの質問に対して丁寧に説明する妹の心湊。
「あー。タナトスは知らないんだっけ?アレってのは・・・お姉ちゃんが持っている大切な宝よ。お姉ちゃんしか、開けることが許されない禁忌の箱があるの。それをお姉ちゃんはいつも持ち歩いているの。お姉ちゃん以外の人間が開けようとしたら、その人間は肉体はおろか魂すらも、消滅してしまうものらしいんだけど…。お姉ちゃんがそれを使うという事になったら…。相手はただでは済まされないわね。」
余りにも恐ろしいことを言われてしまったタナトスは恐ろしく震えが止まらなくなるのであった。
心奏自身が常に肌身離さずに持っている大切な宝は、今までに何人ものの人が奪おうとしてきたのだが...
其の度に心奏に返り討ちにされてしまいその正体がわからないままでいたが…。
なんと、妹の心湊はその大切な宝の正体について知っていたのである。
そして、そんな会話をしていた最中…。
ついに能力を全解放した2人が、衝突する。
「水瀬!!手加減は、勿論無しだからな。あたしをここまで追い詰めたんだから、それ相応の対処をして貰うからね。」
心奏は、水瀬に向かってそう言い放つと水瀬は、フッと笑い心奏を煽る。
「来るなら来いよ。お前なんざ返り討ちにしてやるよ。この俺様の逆鱗に触れたんだ。お前にも、それなりの処遇を与えよう。さあ来るがいい!!御堂!」
そう言って心奏に煽りの如く合図を送る。
それを見た心奏は、すかさず攻撃を水瀬に喰らわせようとする。
「怒りに燃えたこのあたしを果たして、止められるかな?喰らいなさい…。断罪の業拳!!」
心奏の新たなる技が、水瀬を襲う。
すると、水瀬は今までになかったダメージを負い始める…。
「なんだ…。この力は、外側だけでなく内側にもダメージが…。ぐはっ。なんて力だ。お前は、いったい何者だ?」
水瀬は心奏にそう問いかけると心奏は事細かに応えた。
「あたしは…。ただの高校生よ。だが・・・人智を超えた能力を使える特異体質な人間よ。お前の様な自己中心的な考えで、世界を支配しようとする者から世界を護る。そして、親愛なる妹を生涯を賭けて護る…。妹思いの姉だ!!」
心奏はそう言い放つと、内に秘めていた力が少しずつ解放され始める。
今まで怒りに支配されて歯止めが利かなくなっていた心奏であったが・・・
その怒りを直接、力の源へ変換することによって感情だけで動く兵器から冷静さを兼ね備えた乙女へと進化を遂げようとしていたのだ。
そんな心奏を見ていた水瀬は、自身がまだ神格化の姿を見せてないことを心奏に言い放つ。
「素晴らしい…。だが、この俺様の真なる姿…。神格化を見てもお前は、その冷静さを保てるかな?謝るなら、今のうちだぞ。後悔したって、知らないからな!!」
そう言い放って、水瀬は神格化を解放する。
「神格化!! 冥王の力!!」
すると・・・水瀬は今まで放っていた魔力と霊圧に更に、磨きがかかり神そのものへと変化する。
「どうだ。これが、俺様の百%の力!!神格化だ。これで、貴様には勝ち目がなくなったな。ふははは…。」
水瀬は神格化を魅せるが…。
心奏は至って冷静沈着で目の前で起こっていることに対して反応する。
「神格化…。確かに凄い魔力と霊圧ね。だけど、あたしはそんなん力にも屈さない。魅せてあげる…。あたしが持っているこの大切な宝の力を。水瀬お前はあたしに対して後悔すると言っていた。其の台詞そのままお返ししてあげるわ。」
そう言うと、心奏は自身が持っている禁忌の箱を開ける…。
すると、中からイヤリングが出てくる。
心奏の大切な宝を見た水瀬は笑い始める。
「ふははは…。大切な宝とうたっていた物の正体が、そのイヤリングだと…。馬鹿にするのも大概にするんだな。そんなイヤリングを身に着けたことで何が変わるっていうんだ?あ?」
水瀬は心奏の持っていた禁忌の箱から出てきた物がイヤリングだとわかると、心奏を最大限に侮辱し煽り散らすが…。
心奏は、そんな様子を見ていても怒りを露わにすることなく内側でメラメラと燃やして闘争心へ変えていたのである。
そして・・・心奏はイヤリングを耳につけると、急に心奏の様子が変わり始めた。
「あたしに...まさか禁忌の箱を開けさせるとはね…。まぁ、いいわ。全力で相手してあげるよ…。ふぅぅぅ…。解放!真・天使化!!」
心奏は、天使化の最上限ステージの熾天使の力をついに解放した。
その心奏の様子を見た水瀬は、少し焦りを見せるが…。
「さあ、来い!俺様の事を止められるなら、止めてみろ!!手始めにこの技を見せてやる。冥界の雷…全出力!!」
水瀬は、冥界の雷を全出力で放つが…。
心奏は、冷静に対処する。
「成程ね。そう来たか…。でも、それでは、あたしを倒せはしないよ。」
そう言い放った心奏は、雷が降る場所が最初から分かっているかの様に、動き水瀬との距離を詰めて、攻撃を喰らわせる。
「神速拳…廻!!」
今までに心奏の見せてきた神速拳よりも、遥かに重くて更に速さも増している状態で水瀬にぶつける。
“”かはっ“”…。
思わず声を漏らした水瀬は・・・口から血を流す。
「御堂!!よくも、この俺様に血流させたな。この攻撃は、《・》極刑に値するぞ。だが…これなら攻撃は当てられるかな?冥界の霧!!」
水瀬は、心奏に対して煙幕の様に冥界の霧を出すのだが...。
心奏は、そんな状況下に置かれても眼を閉じて水瀬の来ると思われる方向へ攻撃を仕掛けた。
「こんな攻撃ではあたしを足止めすることすらできないわよ。喰らいなさい!断罪の業拳!!」
心奏は、周りが見えない状況でも水瀬に向かい確実に攻撃を喰らわせていくのであった。
心奏の攻撃をもろに喰らってしまった水瀬は、ついに怒りが爆発させた。
「畜生…。貴様はこの俺様が自ら消してやると言ったが、今すぐそれを現実のものとしてやろう!!冥王の裁き!!」
そう言い放った水瀬は、物凄い大きさの魔力で作り出したエネルギーの球体を心奏に向かって放つ。
流石の心奏もこの攻撃を喰らってしまうとやばいと瞬時に察して、反撃を開始する。
「あたしだって、水瀬…。お前を倒すと決めたからには、やれるだけのことはするわ。断罪の咆哮…全出力!」
心奏の水瀬に対する全力の反抗として、断罪の咆哮を全出力で繰り出した。
そして、お互いの技が衝突すると、物凄い轟音と共にぶつかった魔力同士の摩擦で、稲妻が大地を駆け巡り、地面をえぐり始める。
互いに全力を出し尽くしている為、決着が着くのも時間の問題ではあったがのだが...
心奏が徐々に押され始めてしまう。
「やばい…。このままでは...押しつぶされてしまう。どうしたら…。」
そう呟いた瞬間だった。
月夜見先生が心奏をサポートする。
「心奏君。君に負けてもらっては困る。だから、この私のこの力で、君をサポートするわ…。月の光よ、癒しを与え給え!!月光の治癒華!!」
なんと、月夜見先生が自身の能力を解放して、心奏に回復エネルギーを注ぐ。
すると、心奏は尽きかけていた体力と魔力が全回復して、体勢を持ち直す。
「ありがとうございます。月夜見先生…。これなら、いける。全身全霊で、お前を倒す!《・》喰らえ!!これがあたしの全力・・・だぁぁ!!」
押されかけていた状態を持ち直して反撃を加えると、水瀬はついに自分の置かれている立場を理解する。
「成程…。そういう事か。今ようやくわかった気がする。御堂お前が何故、そこまでするのかをな…。」
そう呟くのと同時に...ぶつかっていたエネルギー同士が、大爆発を起こして、当たりに嵐が吹き荒れる…。
その嵐が収まると、水瀬は地面に倒れこむ。
そこへ心奏が駆けよろうとするが...
そして水瀬は最期の抵抗を魅せる。
「これで、俺様を倒したと思うなよ!!これは置き土産だ!!これから、お前たちはこれに苦しむであろう。」
そう言い残すと水瀬は置き土産と言って、現実世界に新たな並行世界に繋がるであろう扉を出現させて、自身は消滅していったのであった。
これによって心奏が水瀬に勝利したことで脅威は収まったかと思われたのだが...
水瀬が置き土産と言って現実世界に出現した新たなる扉が、心奏たちにどれほどの苦しみを与えるかとこの時の心奏は知る由もないのであった。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。