第36話 激戦。神VS神ならざる者!
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
ついに、Mの右腕の存在の彌羽が現れる。
そして、無事に心奏も意識を取り戻し復活する。
妹の心湊は歓喜のあまりに泣き出してしまい頭を撫でて慰める心奏。
だが、心奏はまだ完全には回復を仕切ってはおらず深部の傷が多少痛むのであった。
その頃、姉カトレアと彌羽の戦いは激化していた。
―カトレアVS彌羽サイド―
カトレアが怒りによって覚醒して鬼神化になって、彌羽をある程度のところまで追い詰めていた。
「この鬼神化は、私にも未知の領域だ。だが…この力さえ使いこなせれば、相当な戦力になる。そして、彌羽!!お前が放った冥界の雷が心奏に当たりはしたが・・・むしろ心奏の復活のキッカケとなってしまったのは、こちらにとって思いがけないものであって、お前にとっては、大誤算だったな。」
カトレアが彌羽を、言葉で追い詰めていくのだが…。
「あの娘が復活してもわっちには関係のない話でありんす。わっちは、M様さえご無事ならそれ以上のことは求めないでありんす。」
彌羽は、心奏が復活しても気にも止めない様子であったのだ。
ただ、彌羽はカトレアが持つ強さに途轍もなく興味が湧いてうずうずし始める。
「なぁ…カトレアよ。お前さんの持つその力全てをこのわっちに見せるでありんす。」
その言葉を聞いた時カトレアは驚きはしたが…すぐに状況を理解した。
「分かった…。そんなに私と戦いたいなら…相手してあげる。但し、手加減はしないそれでもやる気?」
カトレアが彌羽に投げかけるが…。
彌羽は今まで見せなかった笑顔を見せた。
「勿論。全力でわっちはカトレア、お前さんの相手を全身全霊でしてあげるでありんす。」
彌羽も全力で応戦すると、言って二人は迷いという名の足枷を取り払い...
互いに本気で衝突するのであった…。
「鬼神・大乱撃!!」 「全開!冥界の雷!」
能力全解放で互いに技をぶつけ合うカトレアと彌羽。
カトレアは彌羽の放つ冥界の雷の合間を縫って、彌羽へ接近する。
だが...逆に彌羽はカトレアに当たりさえすれば良いと考えて、乱れ撃ちで流星群の如く冥界の雷を放ちまくる。
互いのどちらかの攻撃が当たったのか・・・
辺りに鈍い音が鳴り響く。
すると、お互いに後方へ弾き飛ばされてしまう。
「流石は、カトレアね。中々やるじゃない。だけど...わっちにはまだ神格化と言うステージが残されているでありんす。では、見せてあげようわっちの真なる力を…。神格化!!冥界の女神!!」
ついに、彌羽が神格化を魅せる。
神に等しき威圧感と高貴な霊圧に包まれて今まで見せていた力が、噓だったかの様に感じてしまう程に力量差が天と地になってしまっていた。
神格化した彌羽を目の前にしたカトレアは少々眉をしかめたが、”何を怯えているんだ私。しっかりしなきゃ”と自分に言い聞かせて、カトレアも能力を全開放する。
「全解放!! 鬼神化!!」
カトレアも全解放で応戦して、彌羽に攻撃を仕掛けるが…。
「遅いでありんす。」
彌羽がそうボソッと呟いたかと思うと...
カトレアの背後にまわり技を放つ。
「冥界の超電磁砲!!」
カトレアは”しまった”と思った時には…“”ズドーン“”と背後から攻撃をまともに喰らい吹き飛ばされていた。
攻撃を受けたカトレアは、地面にたたきつけられた衝撃で若干吐血してしまう。
「ゲホゲホ…。血?…。アハハ。流石は、神の力ね。動きが見えなかったわ。だけど…私だって全力でその力に追いついてやる!!私にだって護るべき存在がいる。だからその為にも、彌羽!お前をここで倒さなくてはいけない。だからこそ、私もなるべき姿になる。」
カトレアが、そう言い放った時だった。。。
カトレアのオーラが、カトレアの言い放った決意の言葉に反応して、新たな姿になったカトレアが現れる。
「能力解放・限界突破!! 阿修羅!!」
カトレアは、ついに自身の能力の壁をぶち破り、修羅の状態のカトレアが現れる。
己の抱え込んでいた悩みや不安を焼き払い、目の前の戦いだけに集中する為に周りの色彩を取り払い、彌羽の居る所だけに色彩を強く反映させる。
そのカトレアの新たな姿を見た彌羽は、轟々と燃え盛るカトレアの強い思いから生まれる地獄の業火を見て思わず呟く。
「なんて熱さなの。わっちの穴と言う穴から...汗が止まらなくなるでありんす。だが、わっちもダーリン♡の為にひと肌脱がないといけないでありんす。」
そう言い放った、彌羽は己の持つ力の全力を解放する。
そして互いの放つ能力による霊圧とオーラの嵐が、冥界に吹き荒れる。
「彌羽いくよ。私の全力を受け取りな!!!!!」
カトレアのその魂の叫びを聞き彌羽が答える。
「カトレア…。いや。善き戦友よ。わっちもありったけの力でお前さんを迎えるでありんす。」
決意の言葉を交わすと、互いにぶつかり合う。そうそれは何度も何度も何度も!!
ぶつかる度に、衝撃波が発生して周りの岩をも氷の如くバリバリと割れて粉々になっていく。
そして、互いに最後の攻撃で決めると誓って全身全霊で魔力を高める。
「彌羽…。これでこの戦いにケリを着けよう。」
カトレアが、彌羽にそう言うと彌羽もカトレアの言葉に同意を示す。
「ええ。カトレアがそう言うのならわっちも、その言葉通りで構わないでありんす。」
そう言って、お互いに魔力を高めて最後の攻撃を放つ。
「阿修羅道…。焼き尽くせ地獄の業火よ。喰らえ…。業火ノ咆哮!!!!!」
「我が神の力よ。この戦いに終止符を打て…。喰らえ!全解放、冥界の超電磁砲!!!!!」
互いの技が、正面衝突する。
ほぼ互角の状態かと思われたが…。
カトレアが、最後に心奏と心湊を全力で護ると決めた思いを込めて自身の尽きる限界までの魔力を解放する。
すると徐々にであるが、彌羽もカトレアが放つ技に押され始めて...
そしてついに押し負けて、技をもろに喰らってしまう。
耳をつんざく様な轟音が、鳴り響き煙が空高く上がる。
そして煙が晴れると地面には…。
能力を解除された状態で気絶している彌羽が倒れている。
カトレアも、限界ギリギリまで魔力を出し切ってしまった反動で地面に倒れてしまう。
「はぁはぁ…。ついに、この戦いに決着が着いた。彌羽は本当に強かった…。」
そう言い残してカトレアも気を失ってしまったのである。
ついに、彌羽とカトレアの戦いに終止符が打たれた。
無事カトレアがこの激しい戦いに勝利をした。
そして、残るはマリンの救出とラストボスであるMを倒すことが、心奏たちに課せられた任務であった。
果たして、Mを倒して更に幼馴染マリンを無事に救出することができるのであろうか...。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。