第35話 ついに明かされるMの素顔とその右腕の存在
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
ついに、濃い霧の中から現れた幼き顔だちの謎の少女の名が判明した。
その名は・・・タナトス・インフィニティ。
タナトスは、はじめ心奏の死神として命を受けたのだが…。
心奏のあまりにも優しすぎる性格に惹かれてしまい心奏のもう一つの人格として、心奏の心の中で住むようになった。
だが...タナトスはMが作り出したことが判明してしまった。
そんなタナトスであったが心奏の事をねぇねと呼ぶくらいに、好きになっていた。
そんな時…
また新たな脅威が出現してしまったのであった。
「お前は…私が相手する。心奏の元には近づけはさせない!!お前はいったい何者だ?」
カトレアが、新たに現れた人物に対してそう叫ぶと…。
「わっちの名は…。彌羽 雲母。我がボスの右腕であり・・・ボスの未来の嫁でありんす。」
彌羽から返答が返ってくるとカトレアが指をぽきぽきと鳴らしながら答える。
「成程ね。Mの右腕か…。少し厄介な相手ではあるけど…負ける訳にはいかないな。私は、心奏と心湊の唯一無二の姉なのだからな!」
その言葉を聞いた彌羽は、”フフッ”と笑ったかと思うと…。
「へぇ~。ほんとにあんたってどんだけ仲間想いなわけ?まあ、いいわ。わっちも、ダーリンの為に負ける訳にはいかないでありんす…。能力解放!! 冥界の女神!!」
ついに、彌羽が能力解放をする。
洗練されていて高圧的で更に、冥界の女神と言われるに相応しい程の禍々しい魔力を纏っている。
「これが、ボスの右腕の力か…。ただ、能力解放しただけで…この強さ。そしてなにより底知れぬ厄介な能力だな。」
カトレアが彌羽の能力を見て思わず眉をしかめ呟く。
すると、彌羽は身体をモジモジさせて語りだした。
「お前さんも、早く能力を解放するでありんす。嗚呼...早く其方の熱くて激しい攻撃を、喰らってみたいわ♡もう…わっちはそれだけを考えるだけで...ムラムラしてきたでありんす。」
彌羽の語りだした言葉を聞いたカトレアが、一瞬引いてしまうが…。
カトレアは直ぐに冷静さを取り戻して即能力を解放する。
「能力解放!! 鬼神の力!!」
カトレアの能力をまじまじと見た彌羽は、更に興奮して息を荒立てながら声を漏らす。
「ああ///いい…。すごくいいわぁ・・・その力…。さあ、わっちに早くその熱い攻撃を…して欲しいでありんす。」
彌羽の明らかに性的に、興奮している様子を見たカトレアは多少気が引けたが…。
数秒間瞑想してから攻撃を繰り出す。
「…。鬼神の大噴火!!」
カトレアはマグマの如く熱く激しい攻撃を彌羽にぶつけるが…。
「いいわね。わっちも其方にお返ししなきゃいけないでありんす。来なさい!!我が、武器…。ヘカテの杖!!いくわよ…。冥界の雷!!」
彌羽は、自身の声で呼び寄せた杖を振りかざすと、物凄い威力の雷が天から地へ降り注ぐ。
「これは…不味い。危ない!!二人とも避けて!!」
カトレアはそう叫び天から降りしきる雷の合間を縫って心奏の元へ駆け寄ろうとするのだが…。
”ずしーん”と轟音が鳴り響き渡り心奏に落雷してしまう。
「間に合わなかったか…。くっ…彌羽てめぇよくも、やりやがったな…。鬼神化!!!」
カトレアは心奏を守れなかった屈辱と彌羽に対する怒りで、新たな力を開花させた。
だが...その様子を見ていた彌羽は、更に眼をキラキラさせながら
「そうよ...その力よ。わっちが求めていたものは。さあ、その力を見せるでありんす。カトレア!!!」
そう言って、彌羽はカトレアと本格的に衝突するのであった。
―タナトスVS‘‘M‘‘サイド―
だが...時を同じくしてタナトスとMの戦いも激戦を繰り広げていた。
何度も何度も二人は、互いの技をぶつけあっていた。
「王の電磁砲!!」 「死神の斬撃!!」
傍から見れば...相当激しい戦いをしている様に見えるが…。
互いに本気でやりあってはおらず試運転状態で互いに技をぶつけあっていたのだ。
「流石は、M。中々やるわね。妾もボルテージとやらが、上がってきたぞ。」
タナトスもM同様に、戦いの中で己のボルテージを高めていくタイプであった。
だが...Mはまだ、本気を出そうとしない様子でいたのであった…。
そして...
「バカ重たいな…。この兜。だがもう、隠す必要はないか。」
Mは自身がかぶっていた兜を外したのだが…思わずタナトスが驚き声を上げる。
「M!!その顔。お主…。妾の大事なねぇねになんてことをしてくれたんだ!!」
タナトスがMの素顔をみた瞬間見覚えがある顔だとわかったのだ。
Mが今までに心奏に対してやってきた数々の出来事に怒りを覚えるタナトス。
そして...時を同じくして心奏の方にもある変化が起き始めていた。
それは、カトレアと彌羽の戦いの余波で心奏に落雷した時から…。
それは始まっていた。
心奏は、落雷をもろに喰らった瞬間に五秒間だけ心臓の動きが止まりはしたが…。
再び”ドクンドクン”っと動き始めて徐々に意識を取り戻して本格的な自己回復を開始したのであった。
身体は未だ動かなければ、眼も開けられはしないのだが…。
心奏の体内では沸々と魔力が高まって新たな力を習得しようと魂が動いていた。
そして、ついに・・・
心奏の意識が完全に回復して、身体にも力が入るようになって自己回復が完全に完了した。
そっと静かに目を開けると・・・
心奏はゆっくりと起き上がり周りを見渡す。
「あたしは…。そうか…。タナトスが助けてくれたお陰で、どうにか生還することができたんだ。」
心奏は小さな声でそうボソッと呟くと、少し離れていた妹の心湊と月夜見先生が、心奏が目を覚ましたことに気が付いて急ぎ心奏の元へ駆け寄る。
「心奏君。君大丈夫かい?致命傷を負っていたようだが…。」
月夜見先生が心配で話しかけてくる。
「ええまぁ。流石に今回ばかりはどうなることかとひやひやしました。復活できる保証は無いに等しかった状態でしたので。」
そう月夜見先生に返答する心奏。
そして目に沢山の涙を浮かべた妹の心湊が心奏に抱き着く。
「お姉ちゃん…。ぐすっ…。良かった目を覚ましてくれて。本気で死んじゃうかと思ったじゃん。もし、お姉ちゃんが死んじゃったら…。私…私。もうどうしていけば、いいか分からなくなるところだったよ。」
そう言って、妹の心湊は心奏に抱き着いてわんわんと泣いてしまうのであった。
これでついに心奏が完全に復活したのだが...
果たしてこの戦に終止符を打つことができるのであろうか。。。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。