第34話 敵か?味方か?現れた救世主の名はタナトス・インフィニティ
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
咲来との戦いによる精神摩耗により、3日間眠りから覚めなかった心奏。
その後…
再び現れた扉を抜けると、ついに冥界へとたどり着いてしまった。
そして首謀者であるMと本格的な対峙が始まるのであったのだが…。
Mの攻撃を正面からまともに喰らい心奏は、胸をバイデントよって貫かれてしまい・・・
意識不明の重体に陥ってしまう。
心奏の仇を取ろうとして妹の心湊がMに張り合おうとする体制を見せた時に、心奏の周りに紫色の濃い霧が発生して謎の人物が現れる。
そして、現れたその謎の幼き顔だちの少女も心湊の助太刀する言うのだが…。
「あ、あなたは…。誰?えっ?お姉ちゃんの身体から現れたよね?あなたは何者なの?」
妹の心湊が現れた謎の少女に問いかける。
「妾の名は…タナトス・インフィニティ。ねぇね…。じゃなくて、心奏が作り出した心奏のもう一つの人格じゃ。」
なんと、以前に月夜見先生が危惧していたイマジナリーフレンドのことが、まさかの現実のものとなってしまったのだが…。
「タナトス?って言ってたけど…あなたもしかして...死神?まぁ…色々追及したい部分はあるけど・・・」
心湊は、つい疑問に思っていることをタナトスに問いかける。
すると、タナトスは笑顔で答え始める…が。
「ご名答!流石はねぇねの妹だ。妾は、ずっとねぇねの中で君を見ていた。もうねぇねには、無理をさせるわけにはいかぬのでな。今は、妾と共に奴と戦うのじゃ。ここみちゃん!」
タナトスは、心湊にそう告げると自身の魔力を解放する。
「妾も、ねぇねと同じことが、ある程度はできる…。 魔力…全解放!!」
魔力を解放したタナトスは、メラメラと燃える炎の如く紫色のオーラがたぎっている。
「ねえ。タナトス…。戦う前にひとつ聞いていい?お姉ちゃんは…本当に大丈夫なの?」
心湊は、タナトスとの話に少し夢中になってはいたが・・・
心奏は心臓を貫かれていて意識不明の重体だという事を気にかけていたのだが…。
すると、タナトスは驚きの言葉を口にする。
「ここみちゃん。ねぇねは、大丈夫なのじゃ。十五分もあれば...あのレベルの傷は完全に回復して、復活するわ。ねぇねが、意識を失う前に妾に‘‘心湊を全力で守ってあげて‘‘と言われた。それを今実行するのみなのじゃ。」
タナトスは、意識が薄れゆく心奏からお願いを受けて実体化したのだ。
なんと心奏は攻撃を受けて、意識が遠のいていくまでのごくわずかの時間でタナトスに心湊を全力で守るようにとお願いをしていたのだ。
そして心奏自身は、現在意識はないものの自己回復をしつつある状況だというのだ。
すると、"ようやく話は終わったか"という顔をしたMがタナトスと心湊の二人に声をかける。
「長話は、終わったか?時間稼ぎは別に気にはしないが…俺様にまさか二人で挑むつもりか?そして、タナトス!!貴様は、この俺様が作りあげた存在だという事を忘れたとは言わせぬぞ。」
なんとまさかの事実が判明する。
タナトスは心奏が作り出した人格かと思いきや…。
まさかのMが作り出した存在だった。
つまりは今の心湊たちにとってみれば、タナトスは敵側の存在であることが判明したのだが…。
「妾はもう…。ねぇねのいう事しか聞かない。ねぇねとは、妾がまだ死神の姿の頃に出会ったけど…。敵意とか嫌悪感を抱くことなく受け入れてくれて、更には‘‘あたしの中であたしを見守ってよ。勿論、妹もね。‘‘と優しい言葉をかけてくれた…。死神だったはずの妾に優しく接してくれた…。そのねぇねをあんな目に遭わせた…。だからこそ、M。貴様をぶっ倒す!!ねぇねの仇は妾が打つ。」
そう言い放ったタナトスは、自身の魔力で武器を作り出す。
「我が魔力よ武器となれ…。そして降臨せよ!! 死神の鎌!!」
タナトスは、自身の魔力を武器へ変える。
すると、Mは二人に対して"来いよ”と合図を送ると、二人はMに攻撃を仕掛けるのであった。
「死神の斬撃!!」 「愛の刻印!!」
二人の攻撃をもろに喰らうMだが…。
相変わらず、余裕な感じで不敵な笑みを浮かべている。
「流石は、M…。耐久力は化け物ね。だけど…妾も負けてはいられないでござる!!」
そう言ってタナトスは、Mに更に死神の鎌で攻撃を与える。
Mも戦いのボルテージが上がり自身の武器であるバイデントでタナトスの攻撃を捌いていく。
妹の心湊は一旦。タナトスの元から離れて、心奏の様子を見に行くことに…。
「カトレアお姉ちゃん?心奏お姉ちゃんの様子はどう?」
妹の心湊は、心奏を見守っているカトレアにそう問いかけるが…
「結構回復が進んできていて…このままの回復のしかたなら後十分ってところかしら。だけど…。なにか変よね。この状況。奴が一人だけっていうのは幾ら奴が強いとは言えど…そんなあまく戦いを終わらせるような気がしないんだよ。」
そうカトレアが言った時だった…。
「そう…。わっちたちの元へ来てるんだから。ただでは、返さないでありんす。愚かな小娘たち」
カトレアと妹の心湊が声をした方を振り向くとそこには...
新たなる敵が現れて更には…。
輝夜を手錠で拘束させた状態で、眠らせている言うのだ。
「このわっちのところにいる小娘は...わっちの愛しのダーリン♡が生贄の為に監禁していたマリンと言う小娘のいる牢獄を見つけ出して。更に単身で乗り込んで来るなんて、勇気あるじゃないこの娘。この娘も共に、生贄にしちゃうおうか迷うでありんす。」
新たに現れた敵が、輝夜もマリンと同じく生贄に捧げようというのだ。
その言葉を聞いたカトレアが、思わず叫ぶ。
「茉莉花!!心湊!!。私が、こいつの相手をする。だから…。心奏を頼んだよ。」
そう言って、姉のカトレアは月夜見先生と心湊に心奏を任せて、カトレア自身は目の前に現れた新たな敵に立ち向かうのであった…。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。