第33話 心奏(かなで)の危機、そして現れる救世主?
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
心奏は、ついに仮面をつけた人物と戦うことになったのだが・・・
なんとその人物はかつて同じ夢に向かって努力をして更には、ピンチの時には助け合った仲であった咲来だというのだ。
心奏は最初その事実を受け入れ切れなかったけれど、場面を追うごとに、心奏に対しての嫉妬や羨ましいと妬む、咲来の本心に気付いた。
そしてその本心を受け止めつつも犯した過ちは、時間をかけて償うしかないと思いもう一度やり直す時間はあるよという意味を込めて、咲来に挑み無事心奏は勝利をするのであった。
戦いの後…
気を失ってしまった心奏は学園の保健室へと運ばれて、月夜見先生と輝夜と妹の心湊が交代交代に心奏の様子を見ることにしていた。
心奏は信頼していた友人に裏切られて、自我を保てるギリギリの限界値まで精神をすり減らしているだろうという見解を月夜見先生が出していた。
そんな時、心奏の中の知らない深淵部分では…。
あるものが目覚めようとしていたが、そのものが目覚める前に心奏が目を覚ましたのであった。
「ここは…。保健…室?あたしは一体どうしたんだ?」
全くと言っていいくらいに、周りの状況を飲み込めてない心奏は、あちこちを見渡して様子を伺う。
すると、妹の心湊が目を覚ました心奏に抱き着く。
「お姉ちゃん~!!!本当に死んじゃうかと思ったじゃん。もう三日も目を覚まさなかったんだよ。」
そう言って心湊は堪えていた感情を抑えられなくなり、ついには泣き出してしまう。
そして、心奏は泣いてしまった妹の心湊をギュッと抱き寄せて、頭を撫でて心湊にそっと囁く。
「ごめんね心湊。心配かけて…。だけどもう何もかも受け入れることができたから、大丈夫よ。もう二度と…。あんなことが起きないように、あたしがこの世界を変えなきゃいけないみたい。その為には、心湊。あなたが必要なの…。協力してくれるよね?」
妹の心湊は、その心奏の言葉を聞くと心奏の頬にチュッとkissをして
「勿論よ。だって…私が本気で大好きになったお姉ちゃんだよ。そんなのあたりまえじゃない!私は…貴女の親愛なる妹であって…。貴女の恋人なんだよ!」
そう言って妹の心湊は、心奏に対して本気の思いをぶつけたことで更に、仲を深めていったのである。
そして、心奏が目を覚ましてから二日後再び・・・
並行世界へ繋がる扉が、今度は…。
蕾学園から北東方向に約三十㎞地点に出現した。
そこへ心奏をはじめ妹の心湊と輝夜と姉のカトレア…。
そして月夜見先生が向かうのであった。
だが…。心奏は目覚めてから、頭の中にというか脳内に直接謎の声が聴こえてくるという現象に悩まされていた。
それは...
今回の扉が出現した地点に向かう道中でもその現象起きるのであった。
「…。まただ。何?この現象は…。お願い収まって…うぅ。」
心奏は両手で頭を押さえて悶えるが・・・
一分も経たないうちにまるで何事もなく現象は収まって普段の状態に戻る心奏。
その様子を見ていた月夜見先生は何か心当たりがあるかの様に語り始める。
「心奏君。もしかしたら君は・・・トラウマを封印しようと無意識下でイマジナリーフレンドを、作ってしまったのではないか?あくまで仮の話ではあるがね。」
月夜見先生が仮説レベルの段階ではあるが…。
心奏は無意識のうちに、抱えきれないほどのトラウマを封印しようとした時に、"もう一人の自分"を作り出してしまったのではないかと月夜見先生は言うのだが…。
まさかこの時の月夜見先生が立てた仮説が...
現実に現れようとは…。この時同行していた皆が知る由もない出来事になるのであった。。。
そして心奏たちは、扉が現れた街へ無事到着すると…。覚悟を決めて扉の中へ足を踏み入れるのであった。
扉の中に入って暫くしてから、遠くに小さな明かりが見えて暗闇を抜けるとなんとそこには...
今回の大騒動の首謀者であり、数々の事件を起こしてきたM張本人の本拠地である…。冥界へ辿り着いた。
「ついに来てしまったね。終焉の地へ。だけど…もうあたしは前の様な弱い自分には戻らないと決めたからこそ。この戦いに終止符を打たないといけない。だからこそ、皆の力を最大限に信頼して期待するよ。」
心奏が心湊たちへ向けて、そう言うと心湊たちは了承して皆で‘‘うん‘‘と頷く。
だが...そこへタイミングを合わせたかの様に、今回の首謀者であるMが現れる。
「ほほう…。奴を倒したか。中々やるではないか素晴らしい。それでこそ、この俺様と対等に渡り合えるぞ。だが…俺様もそう易々と負けられない。我が理想郷を創る為の礎となってもらうぞ…。御堂心奏!!」
そうMが言い放ち自身の能力を解放する。そしてそれを見るなり心奏も自身の能力を解放する。
「ほう。前とは見違える程に成長したな。もしや心奏…。神格化になることができたのか?」
心奏に問いかけるM。
だが...心奏はMの質問に素直に答える。
「神格化だって?そんなものなれるなら…今すぐにでもなってみたいよ。世界観というか領域が変わるならね…。」
心奏は全くと言っていい程神格化とは、程遠いところに居たのである。
だが…。心奏の今の姿を見ては、Mが妙に納得し語り始める。
「そういうことか…。心奏、お前は、過去の自分を完全に受け入れたことで、迷いが消えて純粋な気持ちで満たされているという事か。成程。それなら、話は早い。さあ、全力でこの俺様にかかって来い!」
Mが心奏にそう言い放ち心奏は…。ついに本領発揮をする。
「全解放!!天使化!!」
今までにないくらい心奏の魔力が、より充実したものとなりさらには、より強力な霊圧を感じるようになっていたのだ。
「はじめから全解でいきます。後悔はしないでくださいね。M!!…。喰らえ、真・双竜ノ咆哮!!」
心奏の得意とする技がついに神化を遂げて、Mに直撃する。
‘‘ぐはっ‘‘と声が、漏れるMに対して追撃をしようとしたまさにその時だった。
また心奏の頭の中にあの謎の声が聴こえてきた心奏の動きが止まってしまう。
その様子を見たMは、すかさず心奏に対して攻撃を喰らわせる。
「やるではないか…。だが…これならどうだ。来い!我が武器…バイデントよ!!」
Mが立ち上がり右手を天高くかざし素早く振り落とす。
瞬間的に心奏はやばいと思った時には...
Mの攻撃が心奏を直撃していた。
‘‘えっ‘‘と声が、漏れた心奏。
すると心奏は、Mのバイデントの攻撃を喰らってしまった心奏の胸になんとバイデントが突き刺さったのである。
妹の心湊の‘‘お姉ちゃん!!‘‘と呼ぶ声が微かに聴こえながら・・・
心奏の意識がどんどん遠のくのであった。
妹の心湊は、すぐに心奏の元へ駆け寄って抱き上げるが反応がないことに悲痛な叫びをあげる…。
「噓でしょ…。ねぇ。死んじゃいやだよ。お願い!お姉ちゃん目を覚ましてよ。」
妹の心湊の必死の声掛けにすらも反応を示さない心奏を見てしまった妹の心湊がついに抑えていた感情の限界を超えてしまう。
「M! てめぇは、絶対に許さない。私の大事なお姉ちゃんを死なせるなんて・・・いくらなんでもやりすぎだ。てめぇは...私がぶっ倒す!!」
妹の心湊が、そう叫んだ時であった。
突然、倒れて反応がない心奏の周りに、濃い紫色の霧が立ち込める。
そしてその中から
「ちょっと待つのだ…。お主。妾もお主の助太刀するのじゃ!だから早まるでない。」
妹の心湊が思わず‘‘えっ誰?‘‘と言った瞬間...
心奏の周りに立ち込めた紫色の濃い霧が晴れる。
なんとそこには・・・
幼き顔だちをした謎の少女が立っていたのであった。
果たして…その謎の幼き顔だちの少女の正体とは...
いったい誰なのか。
そして、心奏の運命はいかに・・・
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。