第32話 まさかの裏切り!
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
並行世界につながる扉が、心奏たちが通う学園の校庭に出現した。
心奏たちは調査の為に、扉の中に入るがそこで今回起きたの騒動の首謀者のMが居た。
心奏はMに挑んではみるものの、傷ひとつつけることができずに返り討ちにあってしまう。
そして、Mを崇拝する謎の人物と戦うことになるのであった。
仮面をつけた人物と心奏は、お互いに魔力を高めあう。
そして、心奏は‘‘天使化‘‘、仮面をつけた人物は‘‘闇天使化‘‘となって、本格的な戦いが今始まる。
「いいねぇ…。その姿、私とそっくり。さぁ、遠慮なくかかってきなさい。御堂心奏!!」
仮面をつけた人物が心奏に対して、煽りを投げつける。
「ええ、勿論。手加減なんて一切しないよ。本気で、貴女を倒させていただきますからね。この手でね!」
心奏も仮面をつけた人物に対して、煽り返す。
お互いに、正面を向き合い…。
目を閉じる。
そして目を開けた瞬間に・・・
互いの拳をぶつけ合わせる。
"バリバリバリ"と空では雷鳴が轟いて、互いのぶつかり合いによる魔力の強さを物語っている。
すると仮面をつけた人物が少し余裕を浮かべて、心奏に対して更に煽りをかける。
「この程度の攻撃では話にならない。どうした?それが全力かな?もし、全力であるならば期待外れにも程ってものがあるのではないか?心奏。」
心奏に対して物凄く上からの煽りに、ついに心奏は堪忍袋の緒がプツンと切れる。
「ああもう。その言い方にいい加減腹が立ってきたわ。もういいわ…。全力でお前をぶっ飛ばす!!」
心奏は更に魔力を高めて極限まで魔力を解放する。
その様子を見ていた仮面をつけた人物は‘‘来いよ‘‘と煽って合図を心奏に送る。
その挑発的な態度に完全にキレた心奏は極限解放状態で、仮面をつけた人物に神速拳をお見舞いするが…。
すると、多少はダメージを受けたかの様に後退りをするが...。
「ごほっ…。やるではないか。流石に今の攻撃は効いた。だがこれなら…最高の戦いが楽しめる。そして、M様にも認めてもらえる。」
仮面をつけた人物は、少しのダメージを受けたことで心奏を完全に戦う相手だと認識できたのだが…。
仮面をつけた人物が一瞬のスキを見せた瞬間に、心奏が会心の一撃を叩き入れる。
「奴のスキが見えた…。今だ!喰らえ…。双竜ノ咆哮!!」
スキを見つけたのと同時に、心奏が極限解放状態で技を打ち込むと...
仮面をつけた人物は神殿の壁に思い切り背中から打ち付けられて地面に倒れこむ。
そして、すかさず心奏は追撃を入れようとするが・・・
仮面をつけた人物が意外な行動に出る。
「流石にコレは…計算外の痛手。だが、これでも心奏は戦えるのかな?」
仮面をつけた人物がそうおもむろに言い放ち、身に着けていた仮面を外して心奏の方を向く。
「噓でしょ...」
心奏は、驚きのあまり動きが止まってしまうのだった。
それもそのはず、なんと心奏の目の前に居る人物は…。
かつて、樺音を倒すのに協力をしてくれて尚且つ共に、アイドル活動していた仲だった…。
語部咲来本人だというのだ。
咲来とは付き合いが長く共に、同じ夢に向かって努力してきた仲だったのだ。
だが・・・その咲来が、目の前に居て更には、Mの手下になっていること自体に心奏は全く理解示すことができなかった。
「ねぇ、どうして?ねぇ、どうしてよ。何故、こんなことするの?答えなさいよ!咲来~!!」
心奏が心の叫びを露わに叫ぶ。
その心奏の叫びに対して、咲来が答える。
「どうしてって?そんなもの...嫌になったからに決まっているじゃない。そう…この世の中全てがね。」
そんな悲痛な心の訴えをした咲来に、心奏はことばをうしなってしまう。
そして、更に咲来は話を続ける。
「君は、いつもそうだよ…。いつもそうやって...私の先に立っている心奏!。君を認めたくないんだ。私だって…必死に努力してきたのに、一緒にしてるバイトも君だけは推しが鰻登りに増えていき。相反して私は、緩やかな上り坂。更に、アイドル活動でも君にばかり赤スパが来ていて、私には数えれる程度しか来なかった。なによりそれが許せなかった...。」
悲痛な咲来の心の叫びを聴いた心奏は咲来が思っていることに対して否定せずに、慰めようとするのだが...
「咲来…。確かに努力しているところは見ていたから…。あたしだって痛いくらいにわかるよ。本気で心を病んでしまいそうになる程に落ち込んでいるのもわかるよ。あたしだって、咲来と同じように嫌なことが沢山ある…。この世から本気で消えたいなと思ったことだってあるよ。」
そう心奏は言うのだが...
咲来は猛反発したかの様に返してくる。
「噓…。噓噓噓噓噓噓嘘!!!!!この噓つきめが!君は、何もわかっちゃいない。いや…分かるはずがないんだ。この私の必死の努力を無下にした君なんかが!この気持ちを分かるはずがないんだ。だからさ…。ここで、死んでよ。ねぇ...早く。そうなれば私は、今度こそ邪魔もされずに...私だけのファンを獲得できる世界ができるの。」
咲来の心からの本音を聞いた心奏が語りだす。
「そうか…。咲来は、あたしに対してそんな風に思っていたのね。気付いてあげられなかった。あたしにも落ち度はあるよ…。だけど此処で死ぬなんて…あたしの信念が許さない。護らなければならない使命があたしにはある。だからこそ、咲来!!君をここで倒させてもらう。もう2度と君の口から、死と言う言葉を言わせない為にも…。あたしが、君を…。いや、咲来をここで倒すわ。」
心奏がついに、覚悟を決めて咲来と戦おうとするのだが...。
「護らなければいけない使命?そんなもの…。こうすればいい!!闇の音階波!!」
なんと咲来は、闇の音階波を妹の心湊に目掛けて、放ったのだ。
それを見るなり、心奏は妹の心湊を護る為に動こうとするが…。
「不協和音!!」
咲来が心奏に対して不協和音を聴かせると心奏は身体が固まったかの様に動かなくなってしまう。
「万事休すか…。」
心奏が弱音を呟いた時であった。
「鬼神の大噴火!!!」
なんと、咲来の攻撃に反撃して姉のカトレアが妹の心湊を護る。
「ここみ?大丈夫?怪我はない?」
姉カトレアが心湊を心配すると心湊は自身の心配よりも心奏のことが気になってしまい。
「ええまあ。怪我はないよ…けど、心奏お姉ちゃんが…。」
心湊は心奏の事を心配するのだが…。カトレアがにっこり笑い。
「ああ。心奏なら大丈夫よ。まあ、見ててごらん。おっとその前に、この攻撃をそちらに返すわね。」
そう言ってカトレアは咲来の攻撃を押し切って、咲来へ跳ね返す。
咲来は一瞬眉をしかめてから、跳ね返って来た攻撃を避ける。
「はあ…。あんたの出る幕ではないんじゃないか?伝説の女番長さんよ。」
そう言う咲来にカトレアが反撃のひと言を言い放つ。
「うるさいわね。前にあんたを助けてやった恩があるのに…。それを仇で返すのかい?それと…あんたの負けよ。ウチの子をあそこまで怒らせたあんたが悪いんだからね。」
そうカトレアが言うのだが・・・
咲来は‘‘何言ってんの?‘‘と表情に表したその時だった。
「咲来!!!君は、もう一度最初からやり直す時間がまだある。だからこそ、起きてしまったことについては悔い改めよ!!喰らえ!!断罪ノ咆哮!!」
心奏は、至近距離から咲来に向かい悪の心を持ってしまった物にだけ効く攻撃を喰らわせる。
喰らってしまった咲来は‘‘うああああ…。‘‘と叫び声をあげて神殿の壁に当たったかと思うと心奏の攻撃ごと、突如現れたポータルの中へ吸い込まれていったのだ。
全力で戦った心奏は倒れそうになるが…。
姉のカトレアが心奏を受け止める。
「よく頑張ったな。心奏。ごめんね遅くなって。」
カトレアは、心奏に到着が遅れたことを謝る。
「大丈夫。どうにかなったし…。それより。ちょっとだけ、待ってもらえる?お姉ちゃん。」
心奏はカトレアに向かい"ちょっと待って"言ってから、大きく息を吸って神殿の方に向かって叫ぶ。
「この声は聞こえているんだろうな! M! 次は…。お前を倒すからな!!!」
そう言い放った心奏は、心湊たちを集めて新たに現れた扉の中に入っていく。
そして無事に、現実世界に帰って来ることに成功した。
すると安心しきったのか心奏は、その場で気を失ってしまい心奏はそのまま学園の保健室へと運ばれていったのだった。
だが...気を失い保健室で寝かされている心奏の中で、あるものが目覚めようとしていた。
だがしかし...
この時は誰もあんなことが起きようとは思ってもみなかったのである。。。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。