第26話 再び起こる謎の事案
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
【前略】心湊が恋の病に侵されてしまい、原因を調査した結果…。
向こうの世界からこちらへ戻ってくる際に行った初体験が原因だと分かる。
果たして二人は今後どうなっていくのか…。
心湊と心奏が義姉妹であることが発覚してから3日後…。
ある程度恋の病の症状も落ち着いてきた心湊は、普段通りの生活をできるまでに回復したのだが…。
心奏と二人きりの時は、自分を包み隠さずにいるという事を心奏に許可を貰ってできるだけ心的ストレスを貯めないようにしていた。
そんなある日、二人は久々にショッピングをしようと街へ買い物に来ていた。
その時は、互いに同じ服を着て双子ファッションを嗜み休日を謳歌していた。
「お姉ちゃん。次、このお店行ってみない?ちょっとロリータ服みたいな。」
そう言って心湊は心奏の手を引いて、ロリータ服売り場へと向かった。
売り場へ着くと…。
妹の心湊は目を皿のようにして、売られているロリータ服を見つめていると...
売り場の奥からゴスロリ服に身を包んだ店員さんがやって来て‘‘ご試着いかがですか?お嬢様方。‘‘と声を掛けられて二人はオススメされたロリータ服を試着室で試着していた。
互いに、頭の先から足の先まで隅々を見つめてしまい、二人は思わず少し恥ずかしなり急いで試着をしてしまった。
二人は悩みに悩んで互いに、二着お揃いのロリータ服を買い喜びに浸っていた。
こうして二人は…。
誰にも邪魔をされることもなく、二人きりの時間を過ごし羽を伸ばせていたはずだったのだが…。
そんな時事件は、突如として襲ってきたのである。
それは、二人がショッピングデート満喫していた日から四日後の事だった。
心奏たちの住む街で、異常値を示す魔力が検知されて心奏と心湊の二人は学園に緊急招集されていた。
―学園内 地下会議室―
月夜見先生をはじめ、例の島での事件が起こった時と同じメンバーが集まっていた。
「忙しい中招集をかけても申し訳ないが…急を要するから早速話させて貰う。皆も、知っている通りこの街で異常値ともいえる魔力が検知されるという事案が発生した。ちなみに、被害の情報は入ってはないが…。謎の目撃情報が確認されているから、充分注意をしてくれ!そして、新たな情報が入り次第我々も動かなければならないから、各自連絡網の準備を構築しておいてくれ。話は以上だ。」
月夜見先生から、事の経緯と有事の際の手順を教えてもらって事案発生によってより一層警戒を強めることになった。
すると、月夜見先生の携帯に連絡が入り、受けた内容を皆に伝える。
「みんな聞いてほしい。たった今この学園から、西に十㎞行った場所で異常値の魔力が確認された。私の知り合いからの情報によると…魔力が検知される前に不自然と言ってもいいくらいに時空の歪みが発生したとのことだ。誰かこの場所に行って私の知り合いと一緒に、調査をして来てはもらえないだろうか?」
月夜見先生が調査を行ってくれる者は居ないかと集まったメンバーに問いかけると‘‘はい‘‘と勢いよく手を挙げた二人がいた。
それは、心奏と心湊の二人であった。
「あたしと妹の心湊で現場に参ります。」
心奏が月夜見先生に伝えるとすぐに向かうよう指示を貰って二人は、事案発生現場へと向かうのであった。
二人は学園地下から延びる地下鉄を利用して、現場近くの駅まで急いだ。
―蕾学園から西に十㎞地点―
二人が到着すると、月夜見先生の知り合いである千歳輝夜が話しかけてきた。
「あなたたち二人が、今回調査に同行してくれる心奏さんと心湊さんね。初めまして、千歳輝夜と申します。早速ですが…現場に参りましょう。」
そう自己紹介も早々と終わらせて輝夜は、二人を現場まで案内してくれた。
現場に到着すると、明らかに異様な空間が広がっていた。
更にはそこから、不可思議な物が見つかったのである。
それは...
現場に生えている樹木を見た時だった。
「もしかして、コレは…。確か。」
心奏がなにかが分かったかの様に言葉を呟く。
「もしかしてとは…一体なんですか?心奏さん。」
心奏の言葉を聞いた輝夜が、心奏に問いかける。
すると心奏は、恐らくこうであろうという仮説を立て始めた。
「輝夜さん。あたし、今回の事案の原因が分かったかもしれません。実はですね…。以前に名も無き島で謎の扉が出現する事案がありまして、そこで見た扉にも描かれていた紋様に、今回見つかった樹木につけられた紋様の柄がほぼそっくりなんですよ。そのことから、あたしはこの事案の原因が並行世界の者によるものだということだという説を立てます。」
心奏の仮説を聞いた輝夜は‘‘成程ね。‘‘と頷き、心奏の仮説を一切否定せずに、自分の今思っていることを話し始めた。
「と言うとこうですね…。以前心奏さんが遭遇した事案と今回発生した事案に共通点があり、それが、心奏さんの言う並行世界の者が関与していて、その者が例の紋様を意図的に生えている木に残したという事ですね。」
そういって、輝夜は現場の樹木に残された謎の紋様を自身の持つ手帳に、本物と大差ないくらいに描き写すと心奏に招集メンバーに連絡をするようにとお願いをして輝夜は、描き写した紋様を細部まで事細かく見ていた。
心奏が招集メンバーに連絡をして、自身の仮説と以前にもあった事案について不自然な点がないかとメンバーに確認を取っていた時であった。
現場で再度異常値の魔力が検知されて3人は警戒態勢に入る。
招集メンバーに何かあればまた連絡すると伝えて心奏は連絡を切り、三人は現場を隈なく調査し始めるのであった。
すると、心奏が‘‘何か嫌な予感がする。‘‘と言った時であった。
それは三人が広場の真ん中まで来たその瞬間...
突如として、空間がぐにゃりと曲がり始めて、三人は頭を抱えながら、ゆっくりと地面に倒れてしまう。
「なんだ?この気持ちの悪さは…。吐き気が止まらない。」
心奏は、そうボソッと呟いて誰もいない方に向かって思わず、嘔吐してしまう。
心湊と輝夜も心奏と同じく共に謎の吐き気に襲われて嘔吐してしまう。
そして吐いて少し楽になった三人は、近くの水飲み場で口を洗浄してから再び広場近くの木陰に集まった。
「二人とも大丈夫?」
心奏が心湊と輝夜の心配をする。
「ええまあ。とりあえずは、吐いたから幾分かは楽になったよ。」
そう心湊が言った瞬間だった。
突如として、禍々しい魔力を感じたかと思うと、3人の目の前に謎の生物らしきものが現れ3人はすぐに、戦闘態勢に入る。
果たして、三人は無事に事案解決をすることができるのか…。
そして、三人を襲った謎の吐き気の正体とはいったい何なのであろうか。。。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。
※15話以降は、心奏の身体の性別が女性になってしまっていますが、タイトルについての変更はございません。あくまで、‘‘元兄‘‘という立場として、物語が進んでいきます。