第12話 修業と修復。そして新たなる力
これは、もう一つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
心奏は無事に、咲来と協力を得て、樺音を止めることができた。
だが、戦いの中で壊れてしまった。
そんな心奏の制御装置を治す為に、理化学部の部屋に向かっていた心湊の兄の心奏。
―理化学部 部室―
「聖奈さん。ごめんなさい。この制御装置が壊れたんですけど・・・どうしたらいいですか?」
心奏が、南聖奈制御装置が壊れてしまったと話しかける。
すると、部室の奥から顔を覗かせる聖奈は、心奏の顔をを見るなり部屋の中へと案内する。
「いかがなさいました?ふむ。成程…。制御装置の件ですね。では、少し見せてもらってもいいですか?」
そう心奏に言うと…心奏の壊れた制御装置を眺め壊れてしまった原因を探り始める。
すると…。真剣な眼差しで心奏に問いかける。
「心奏さん。壊れた原因がわかりました。端的に申しますと…。あなたの制御措置が壊れた理由は、あなた自身の魔力の強さと魔力の消費量が、想定されていた規定を遥かに大きく超えたのが壊れた直接的要因に、なったのではないかと思われます。」
聖奈は壊れた原因を詳しく心奏が納得する様に説明する。
聖奈からの説明を聞いて心奏は、今後は、どのように対策をすれば良いか聖奈に問う。
「聖奈さん。今後どうしたら良いのでしょうか?今現在は制御措置は、壊れてしまっているので、何か他に解決策はありますか?」
聖奈は少しの間考えてから、心奏に返答する。
「では、心奏さん。私たちの方でこれよりも更に、改良を加えた制御装置をお作りします。ですが…。心奏さんには、新たな制御装置が完成するまでの間に、装置がない状態での魔力コントロールを極めて貰います。」
心奏は、聖奈からの思わぬ答えに驚きを隠せなかった。
だが、心奏は、それでも二つ返事で了承した。
それは心奏自身の修行にもなり…
もし如何なる場合でも、能力を使える様に極めておきたい。
そう心の中で決心していた心奏。
聖奈も心奏の決意に同意して新たな装置を作ることに決めるのであった。
その一方心奏は…。
自分自身の魔力コントロールを極める為に、月夜見先生の許可を得て学園地下の実習室に向かうことに…。
―蕾学園 地下 実習室―
到着早々。心奏は自分自身との戦いの為に、ありとあらゆる策を考え色々と準備をしていた。
その一方で、妹の心湊は心奏をとても心配していたのだ。
それもそのはず…。
兄の心奏は伊那美との激戦。
そして、樺音との戦いからもたった三週間足らずしか経過していなかったからである。
妹の心湊は、本気で兄の心奏が無茶をしないかと心配で話しかけるが…。
「ねえ?お兄ちゃん。本当にやるの自分との戦い。それよりも身体は、もう大丈夫なの?」
心配する妹の心湊に対して優しく頭を撫でながら、答える兄の心奏。
「無理はしないよ。だけど…。今やれることを全てやるのがあたしにとっての最重要課題なんだよ。心湊は、お兄ちゃんのこと大好きだよね?なら、応援してもらえるかな?この課題を必ず乗り越えてみせるよ。」
そう言うと、心奏は妹の心湊を安全な場所へと、連れていき自分は実習室へ戻るのであった。
一方時を同じくして理化学部の方では、心奏の新たな制御装置について、議論を交わしながら装置製作へ移るところであった。
部のリーダーである南聖奈は、今回の重要任務に対しての議論を開始した。
「理化学部の皆さん。此処からは…。時間との勝負となります。我々が今尽くせる最善の手で、この任務を迅速に終わらせましょ。今回は、御堂心奏さんの制御装置に対してです。以前にも、我が部が製作した装置を使用しておられましたが…。生憎先日の戦いにおいて、心奏さん自身の魔力に耐えきることができずに、壊れてしまいました。ですので、今回はその膨大な魔力に耐えれるものを製作して参ります。では皆さん。ご協力のほどをよろしくお願いします。」
聖奈の今回の装置製作に関しての一通りの説明を終え、理化学部の部員と顧問の月夜見先生は、直ちに装置製作作業に取り掛かり始めた。
―学園地下 実習室ー
場所は変わり...。
地下の実習室では心奏の自分自身との戦いをする為に、試行錯誤を重ねていた。
「消費魔力を極力最低限で、使うにはどうすればいんだ?とりあえず…技を出す時にだけ、最火力にすればいいかな?」
心奏は呟くと、早速行動を起こし始めた。
心奏は、実習室の壁に向かい右手に魔力を集中させる。
「神龍ノ咆哮!!」
心奏は、自身の考え通りに、技を放つ。
「ふむ。やり方はこれで、どうにかいけそうだな。そして次は…この課題だな。」
そして心奏は、ひとつひとつではあるが、次々と自身に課せられた課題をこなしていくのであった。
その様子を妹の心湊は、食い入るように見ていた。
勿論の事心奏の幼馴染のマリンも気になり心湊と一緒に、心奏の様子を見ていた。
「お兄ちゃんは必ず、新たな自分に生まれ変われる。強くて、優しくて、頼れる存在に。」
うまくいくようにと祈りを込めながら、心湊は呟く。
それから...約六時間が過ぎた頃であった。
妹の心湊の携帯に電話かかってくる。
「もしもし…。はい。えっ…本当ですか?わかりました。これからそちらに向かいます。はい…。失礼します。」
妹の心湊は、電話を切ると急いで実習室に居る兄心奏の元に駆けつけ話しかける。
「お兄ちゃん!今ね。理化学部の部屋まで来てって電話あったよ。」
心奏は、振り向き妹の心湊にOKと指でサインを出して、返答する。
「分かった。こっちも、準備万端だよ。それじゃあ、行こうか。理化学部へ」
心奏と心湊、そしてマリンは理化学部の部屋へと向かうのであった。
―理科学部 部室―
聖奈たち理化学部の部員は、心奏の到着を待っていた。
そこへ心奏たちが少し遅れて到着する。
「ごめんなさい。少し遅れました。」
心湊が聖奈に謝る。
だが、聖奈は一呼吸置き。
「いえ、問題ないですよ。」
そうひと言話すと、聖奈は話題を制御装置の件に移す。
「心奏さん。お待たせしました。こちらが、新たに我が部で開発した。制御装置です。」
心奏は、制御装置を受け取るととても驚いていた。
理化学部の部員と月夜見先生がこの短時間で製作していて更に、新たな制御装置の耐久性と装置の最強化までされていることに。
装置を見るや否や聖奈と理化学部の部員と月夜見先生に感謝を述べる心奏。
「聖奈さん。そして、理化学部の皆さん。月夜見先生。本当に有難う御座います。僕の為に...此処までして頂いて。」
心奏からの感謝の言葉を聞き、一礼をしてから聖奈は制御装置の完成するまでの過程を、説明を始める。
「心奏さん。今回は、月夜見先生もいらしたので、此処まで早く仕上げることができました。ですから、月夜見先生にとても感謝しております。そして、その装置についてですが・・・簡潔に申し上げると、以前よりも大幅に耐久面等に最強化してあります。」
聖奈は解説しながら、プロジェクターに装置の概要を映して心奏たちに説明をする。
「この装置ですが、心奏さんの魔力の波長に合わせての強化。そして今までの能力使用の遍歴を全て記憶させてありますので、使い込む程にあなたに馴染んでいきます。流石に、銀河系を簡単に破壊してしまう規模の魔力消費を高頻度で使用しない限りは、決して壊れないので安心してください。」
改めて装置の説明を聖奈から聞き、すごく納得を示した。
装置製作してくれた理科学部の部員と月夜見先生に感謝をする心奏であった。
ついに、壊れた心奏の制御措置が無事に復活した。
これで一安心かと思っていたのだが...。
しかし、もうすぐそこに新たな脅威が待ち受けているとは、この時の心奏は全く知る由もないのであった。
幾多のパラレルワールドの中のもう1つの日本のお話。ここに出てくる人物は、存在しておりません。




