第1話 奇襲~物語の幕開け~
これは、もう1つの日本が舞台の物語。魔法も異能力も使える様になった世界。
特別なその力を、悪事に利用する組織が現れてしまう。それに対し主人公である御堂心奏が数々の事件にに立ち向かうストーリーである。
そして今日も、また異能力を悪用した事件が起きてしまう、、、。
20XX年。
科学技術の進歩や人体における能力開花が、著しく発展し大きくなりそれに伴って、世界的に経済成長を遂げていた。
この世界は、個人の能力開花を学業における選択科目として選べ・・・。
更に、個人個人にあったカリキュラムで受講する生徒ひとりひとりに適切なアドバイスを伝授。
それによって、個人の能力開花まで支援してくれるという大きな特徴のあることで有名な学園。
それが・・・私立蕾学園なのだ。
その学園に通うある2人の生徒の物語が今始まる。。。
彼の名前は、御堂心奏。
私立蕾学園高等科の2年生。
だが...。まさか彼に…。あんなことが起きるまではどこにでもいる高校生…だった。
そう…。ほんの昨日までは...ね?
―時を遡ること1日前。。。―
心奏は自身の妹の心湊と私立蕾学園へ通学している時のことであった...。
「ねえねえ…。心湊?今日実技の授業あったっけ?能力開花のヤツ。」
他愛もなく普段通りに、妹の心湊に話しかける兄の心奏。
「あーそれね。私の学年は、確か1時限目にあるわ。」
妹の心湊は、1時限目に能力開花の授業があると兄の心奏の質問に対して答える。
「成程ね。そうか1年生は、確か今日が初の実技科目だったね。」
能力開花の授業について2人で話しながら、通学路を歩いていたまさにその時だった・・・
突然、学園の方から緊急事態を知らせるアラート音がけたたましく周辺地域に鳴り響く。
緊急事態を知らせるアラーム音が鳴ったが為、思わず互いに顔を見合わせてしまう心奏と心湊。
「何があったんだろう?心湊。流石に心配だな。アラート音が鳴るなんて」
妹の心湊へ思わず問いかけてしまう心奏。
「そうね。学園に着いたら、友人に聞いてみるわね。あの子、いつも学園に逸早く着いてるから…もしかしたら、何か情報を知ってるかもしれない。」
兄の心奏の方を向き、少し神妙な面持ちで答える妹の心湊。
そして心奏は、妹の心湊の言葉と表情から物事の重大さを咄嗟に察知する。
「心湊!分かる範囲で詳しい情報を頼んだ。」
妹の心湊の肩を”ガッ”と掴んで頼み込む兄の心奏。
「え…ええ。」
妹の心湊は状況理解が追い付かず只々、兄の心奏のお願いを聞くことになった。
そして兄の心奏は、妹の心湊に詳しい情報提供を依頼して、心奏自身は駆け足で学園の方へ走っていくのであった。
妹の心湊が後から遅れて学園に着くと、学園の建物の前に何やら人集りができていた。
すると、心湊の友人と思しき生徒が走って来て此方に話しかけてくる。
「おはよう。心湊。なんか侵入者が居たみたいで、凄い大騒ぎになったよ」
心湊の友人が心湊に対して話しかける。
「え!?侵入者って?本気?ここ警備厳重じゃなかった?軍艦のファイアーウォール並のセキュリティのはずよね?」
余りにも大きすぎる出来事に驚愕する心湊。
次から次へと起こる出来事に心湊の理解が追いつかない状態になっていたのだが...
突然、校庭の方向から"ドン"爆発音が聞こえてきた。
「!?何?今の爆発音は。」
心湊の友人が思わず声を漏らす。
「確か…学園の裏側よね?校庭あるのって…。」
心湊も突然の事に焦りを感じ始める。
そして、生徒達が不安感に包まれる中、再び緊急事態を知らせるアラート音が鳴り。直後に校内放送が流れる。
〖緊急事態発生!緊急事態発生!当学園の生徒は...至急地下ホールまで避難してください。繰り返します。至急地下ホールへ避難をしてください!〗
「心湊!先に避難してて。あたしは、学級委員だし少し様子を伺いながら避難誘導するから」
そう言って心湊の友人は心湊に避難するように促し、自身の持ち場へと駈けていった。
不意に、心奏の事が心配になった心湊は…心奏の居るであろう場所へ向かっていったのであった。
一方その頃、心奏は爆発音を聞き、逸早く学園の裏にはの方へ向かっていたのだが...
「何があったんだ?校庭へと続く道がここまで酷いことなっているとはな。そして、あの爆発音は一体?」
思わず小さな声で、目の前の状況に対して呟いてしまった心奏であったのだが…。
突然、頭の中に稲妻の如く映像が鮮明に流れたのだ。
心奏は、脳内映像を頼りに視線を学園の屋上付近に向けるとそこに...
何者かの姿を視認する心奏。
「誰だ?学園の屋上は、非常時以外原則立ち入り禁止になっているはずだが...まさか、侵入者か?」
屋上へ目線を向けながらまた小さな声で呟いてしまう心奏であった。
すると、屋上にいる何者かが、此方の気配に気付いたかと思ったが矢先…。
いきなり心奏に向けて攻撃を仕掛けてきた。
間一髪のところで、心奏は侵入者からの攻撃をかわし、体制を立て直すのだが...
心奏の目の前に先程まで屋上に居た侵入者が瞬間移動し目の前に立っていた。
すかさず、心奏は侵入者に対して言葉をぶつける。
「誰だ!どうやって、ここへ侵入した?目的は何だ?答えろ!」
すると、侵入者は1歩後ろに下がり心奏を嘲笑うかのように声を発する。
「この程度の警備体制なら、容易い。何が、軍艦のファイアーウォールだ?笑わせるのも大概にしろ」
心奏にそう言い放ったかと思ったが矢先、侵入者は警備の甘さに反吐が出たのか怒りを募らせる。
「だが、貴様にこの私の存在がバレてしまったのは、計算外だった。仕方ない貴様には、ここで消えてもらう!」
怒りを募らせる侵入者は心奏に向けて手を広げた。
次の瞬間、強い衝撃を腹部に受けてしまう心奏。
腹部を抑えながら片膝を突き、声を絞り出すように侵入者へ問いかける心奏。
「っく...今何をした?こんなことして、何が目的だ?」
息を切らしながら心奏が侵入者へ問うが、侵入者は不気味に笑い言い放った。
「私は、私の正義の為に、行動した迄だ。無論、私を邪魔する愚か者は、排除するまでだ。それが例え罪のないやつだったとしてもな。」
不敵な笑みを浮かべ嬉々としてそう言い放った侵入者であったが...
遠くの方から心奏を呼ぶ声が聞こえた瞬間、侵入者は目にも止まらぬ速さで異次元空間を作り出し、心奏の方を向きニヤッと不気味な笑みを浮かべ異次元空間へと消えていった。
息を切らしながらも、侵入者がいなくなる見ていた心奏であったが...
侵入者からの攻撃で腹部を撃ち抜かれ、そして遂に心奏は、重傷を負い立てなくなりついには、その場に倒れてしまった。
込み上げてくるモノを吐き出すと大量の血が口から溢れ出す。
そこへ爆発音聞き付けた心湊が心奏の元に駆け寄ってくる。
「"お兄ちゃん、しっかりして!"」
心湊が心奏の様子を見て叫ぶ。
息を切らしながらも心奏は..."回復魔法でどうにかする"と呟き
「全回復!(フル・リペア)」
すると白いオーラが現れ心奏を包みこむのと同時に、心奏は意識を失ってしまう。
心湊は心奏の方を見て、真剣な眼差しで
「"お兄ちゃんは、回復に徹して!後は、あたしがどうにかするから"」
心奏に伝え、足早に侵入者を探しに走っていくのであった。
心湊が走り去ってから数分後、包んでいた白いオーラが無くなり心奏は一旦傷を全回復をすることができ攻撃による傷を塞ぐことに成功した。
一方その頃、心湊は侵入者を見つけ出そうと校庭の方へ向かっていた。
「可笑しいな?一体どこに消えたの?侵入者は...」
心湊は首を傾げながら独り言を呟くのであったが・・・
「"私に何か用か?小娘"」
心湊が驚き声のした方に振り向くと、そこには心奏を瀕死状態までに追い込んだ侵入者の張本人が居た。
心湊は、振り向くなりカーっと頭に血が上り、兄を殺されかけた怒りをたぎらせ
「"お前か…お前があたしの大好きなお兄ちゃんを瀕死にまで、追いやったのか本当になんて事をしてくれたんだお前~!"」
怒りを露に叫ぶ心湊
だがしかし、侵入者は不服な表情で心湊へと言葉を投げかける。
「あいつは...私の計画にとって、邪魔な存在。排除するつもりだったのだが排除し損ねたか…。まだまだ詰めが甘いな私は...」
侵入者の言い放ったその言葉を聞いた瞬間心湊は、沸々と怒りが更に込みあげてくる感覚を覚え、侵入者に対し攻撃を仕掛けようとするのだが…
「"ダメ。心湊!奴は危険だ。"」
心奏の声が突然聞こえ驚く心湊が即座に反応する。
「お兄ちゃん?一体どこから話しかけてるの?」
心湊は周りを見渡しながら叫ぶ。
すると、心奏の声が再び聞こえ始める。
「今心湊の脳内にテレパシーで、直接話しかけてる。今は、奴に怒りの感情を向けるな!侵入者の思う壺だ。一旦手を引け」
心奏はテレパシー能力を使い心湊に語りかける
すると侵入者は不敵な笑みを浮かべながら
「次また、邪魔をするようもんなら、命の保証はないと思え!愚か者よ」
侵入者はそう言い残すと再び自ら生み出した異次元空間へと消えていくのであった。
その頃心奏はテレパシー能力で心湊と対話しながら、致命傷レベルの傷に対してありったけの魔力を治癒魔法に注ぎ完治させ、更に自身の身体機能の完全回復にも専念していた。
「参ったな。傷を塞げはしたが…後は、身体を完全に回復する為に、どれだけの魔力を消耗するか想像すらもつきやしない。」
心に秘めた本音が口から洩れ思わず呟く心奏。
そこに心湊が帰還し、現状報告をしようとするも、心奏の事が気になってしまう
「お兄ちゃん傷は大丈夫?侵入者は逃したけどいいの?」
侵入者の情報よりも心奏への、心配と不安を募らせていた。
「大丈夫。キズは全回復したけど、身体能力の回復への魔力を大量に使ってしまっているから今は立てそうにない」
心奏は今自身に起きていることを心湊に説明したのだが…
「わかった。今、お兄ちゃんを保健室に連れていくから、そこで少し休も!」
心湊が言った瞬間に安堵の表情を浮かべ安心しきった心奏は、気を失ってしまう。
そして、心奏は心湊に抱き抱えられて、保健室へ連れていかれた。
心湊が保健室に着くや否や、保健の月夜見先生が駆け寄ってきた。
「君たち!一体何があったの?」
心配そうな顔をして声をかけてきた月夜見先生。
心湊は少し焦りながらも返答。
「お兄ちゃんが何者かに、攻撃されて致命傷レベルの傷を負わされて、治癒魔法で回復しきったところで、気を失ってしまったんです。」
心湊のその言葉に即座に反応した月夜見先生は、心奏をベッドに寝かせた。
それから、数時間後に心奏は、目を覚ました。
「ここは…保健…室?」
意識が朦朧としてない様子で周りを見渡し、呟く心奏。
すると、月夜見先生から
「心奏君大丈夫かい?一体何があったの?説明してもらえるかな?」
心奏に質問を投げかける月夜見先生
すると心奏はゆっくりと口を開き
「実は、謎の敵からのレーザー攻撃を腹部に受けて…それから、心湊が敵を追いかけて行った所までは覚えてはいるんですが…」
断片的記憶を辿り辿りながら説明をする心奏
月夜見先生はその返答を受けて、改めて月夜見先生は真剣な顔をし心奏の方を向き問いかける。
「もしかして君は…全回復を使ったのかい?」
それに対し、こくりと頷き反応する心奏に続けて問いかける月夜見先生。
「あれは、治癒魔法の中でも相当な魔力消費をするのだけれど、完全治癒するまでの間ずっと魔力消費し続けるものだからやたらむやみに使うと魔力が即尽きてしまうのだよ」
心奏は月夜見先生に驚愕の事実を知らされてしまう。
そして、思わず呟いてしまった。
「魔力が元の状態にまで回復するのにはどれくらいかかるものなのでしょうか?」
すると、月夜見先生は少し考え答える。
「うーむ。君の場合だと、致命傷レベルの傷を負ってる状態で使ったから…大体1週間くらいと思ってはいるが...ただ。1週間の内に、むやみに魔力消費をしなければ、多少なりかは回復は早まるかな?」
月夜見先生は心奏の状態を見て瞬時に検診をしては眉をひそめたりしていた。
相当なレベルで魔力を消耗しては、魔力の底をつきかける程の大事になるとは誰もが思ってもいないことであった。
そして、更に2人はとんでもない事に巻き込まれるとこの時の2人は知る由もない。
それから、心奏は保健室で一日休ませてもらえ、心湊は普段通りに授業を受け。
目まぐるしい学園生活の一日を終え帰路につく2人であったが・・・
心湊は浮かない顔をして、出来事について振り返っていた。
「お兄ちゃんはさ、どうして狙われたのか心当たりある?」
朝の出来事について疑問を心奏に投げかける心湊
「全く心当たりはないよ。」
心奏は正直に答える。
そして、この時は相当な痛手を負った心奏に更なる試練が待ち受けているとは考えてもみなかった。
2人は足早に家へと向かうのであった。
家に着くや否や、心奏は過度に貼ってた緊張感がスーッと抜けてしまい自室に入った瞬間、気を失う様にベッドに倒れた。
だがしかし、次の日眠りから覚めた心奏は驚いた。
自分に起きてる事態に頭が脳の状況処理スピードが追いつかず半分パニックに陥るのであった。
果たして、心奏の身に一体何が起こったのであろうか。
そして、その状況を理解できるのか。。。