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【完結】日雇い勇者と1ゴールドの聖女  作者: HAL
偽聖女と期間限定契約賢者
19/22

番外編2.シークレットモードは100回いいえを選択する


選択肢が『はい』と選ばなきゃ話進まないって分かっていても『いいえ』を取り敢えず選択する人いますよね。




 ①健が来る前にリリカ嬢に話を聞きに行く。

 ②実家(ペンデルトン家)の被害状況を見せてから、勇者が来る前に話をするよう説得する。

 ③全て無かった事にする。


「どれがいいと思う…?」

「④自供魔法を使う、が抜けていますよ」


 それ、うっかり廃人にしちゃうやつじゃん。

 精神系魔法を簡単に選択肢にねじ込まないで下さい。


「国賊ですから」


 しれっと言うなしれっと。

 にっこり王子様スマイルな口から飛び出した言葉とは思えないなー。滲み出る二面性。だがそれもまた良し。王妃様もにっこりだ。こういう系統のヒーロー、お好きだものね…。一年前までの天使なアンリは何処へ行った?やれやれ、子供の成長は早いわ(遠い目)。


「健が帰ってくる前に何とかしたかったんだけどなー。この分じゃ半日の予定を繰り上げて戻って来ちゃう」

「―――いやもう帰ってきた。ただいま」

「っええぇエエーっ?!??」


 背後から抱きしめてくる腕に乙女とは言い難い悲鳴を上げる。い、やーっ!!耳!耳に吐息が!声も良い…っっ、心臓に悪すぎる…っ!

 パニクる私に焦る様子もなく、我が最愛の旦那様は頬に親愛のキスを落とす。日本人のクセに様になるというか。てか王子なの?奥さんは典型的日本人の平凡な見た目なんですが。


「早かったね、タケル」

「仕事はちゃんと片付けてきた。例の女の所に案内してくれ」

「ああ。父からの許可も貰ってある。全て不問だと」

「仕事が早くて助かる」

「他でもない兄上と姉上の為だからね」


「ちょちょちょ〜〜〜っと?!二人共何不穏な話してるの?ねえ、私を置いてけぼりにしないで??」


 おねーさん泣いちゃうよ?

 可愛がってきた弟1と弟2が黒い!ドス黒いのよ!!

 そういうのはTLって成人女性が読む架空の物語の世界だけでいいから!いやもう薄目で見たら二人、BのLに見えなくもないかもしれないけど!(混乱)


「大丈夫だよ、拷問するわけじゃないから。穏便に済ます」


 穏便って書いて『自白魔法』ってルビ振られてない?

 いつまでもこうしてはいられないのて、私達はアンリと騎士さんに案内されて地下牢へ向かった。




 地下牢はヒヤリとどこか冷たくて、湿ったドブ臭い空気の空間が広がる。とても貴族の少女が一人で耐えられる場所じゃ無い。

 見張りの兵士さんに挨拶して進む。他の犯罪者はいないのかと問えば、案内役の兵士さんが言うには、こっちは国に関係する犯罪者を収容する所らしく、普通の(?)犯罪者は別棟にいるらしい。そういえばさっき曲がり角があったわ。国賊は尋問も裁判も優先されるから、こちらは割とすぐ無人になるそうだ。あー、処◯とかね…。


「あちらです」

「案内ご苦労。聴取は私が行うが、檻の外から話を聞くだけだから問題ないだろう。君は持ち場へ」

「はっ!」

 

 敬礼して去っていく兵士さんの後ろ姿が見えなくなってから、アンリはリリカ・ペンデルトンの収容されている檻の方へ歩き出した。空中に向かって指を一回し、くるっとしながら小声で呪文を唱えるアンリ。その身体がほんのり青白く発光して、伸ばした腕がグニャリと空間を歪ませて中に入っていく。


「さ、二人共こっちへ」


 認識阻害?結界?封印?

 よくわからないけど、鍵の代わりの魔法なのかな。

 健に手を引かれてその歪んだ空間の向こうへ足を踏み入れた。

 狭い檻の中に石のベッド。

 その上ににリリカ・ペンデルトンは体を抱え込むように―――所謂、体育座りをして顔を膝に埋めていた。


「さて、女。本当の事を話す気になったかな?」


 アンリの声にハッと顔を上げる彼女の目は赤く、瞼も腫れぼったい。そんなに時間は経ってないけど、結構泣いたのかな。まぁいきなりこんなとこに入れられたらそうよね。


「アンリ様…!私は嘘なんてついてない!!本当に私が聖―――え?」


 リリカ(心の中なので呼び捨てごめん)の視線が定まったと思ったら、こっちを見て目を丸くして固まってしまった。私はさっき会ってるから、これは、健を見てビックリした感じ?


「何この人。意識飛んでる?」


 不思議そうにリリカを眺める健。

 いや多分、彼女きっと貴方を見て『こんなイケメン攻略対象にいなかった!』って脳内祭りしてるんだよ。


「え、貴方、うそ………マジで?」


 えー?

 さっきまでアンリ推しだったのに態度そんなんでいいの?

 頬をほんのりピンクに染めて、夢見る少女かってくらいモジモジしてる。なんなん…。


「健は確かにイケメンだけど私の夫だから!攻略対象ではありません!」


 ちょっといらっとしたので強調して言ってやる。

 するとリリカはまたビックリして「まさかシークレットモードって…」とブツブツ独り言を始めてしまった。

 なに?シークレットモード??

 独り言を続けられて話が進まない事に苛立ったのか、健は手のひらの上にバチバチと静電気のような雷魔法を作って見せ、彼女の意識をこちらに向けさせる。


「ヒッ」

「こら健、素人相手に威嚇しない。えーと、ペンデルトンさん。ちょっと聞きたいんだけど、貴女は何故私達をゲームの登場人物のように話すの?それって日本の話よね?貴方は召喚された訳ではないと思うのだけど」

「………」

「答えろ、女。黙秘を通すならその口を割らせる方法を取る」


 アンリの魔王みたいな物言いにリリカはビクッと体を震わせ、怯える目で私に縋るような視線を向けてきた。いや、助けを求める気持ちは分かるけど、その前に言う事あるじゃんよ。


「強引な方法は出来れば取りたくないんで、貴女の知ってる情報を教えてくれないかな?」

「……」

「嫌なら自白魔「言います!嫌じゃないです!」そう?」


 自白魔法と聞いて被せるように言ってきたリリカ。

 まぁこのイケメン二人、圧というか迫力というか、怖いよね。分からなくはない。


「リリカ・ペンデルトン。聖女であるミーナは王族の私より上の立場だ。茶会での態度と同じであれば次は首と胴が離れると思ってくれ」

「ひゃっ、あ、ははははい!気をつけます!!」


 ……そこまで?

 王族の脅しえげつないな。


「……私にはリリカ・ペンデルトンとして産まれる前の記憶があります。日本という国で17歳で死んでしまいましたが、そこでプレイしたゲームの設定がこの世界と同じでした。ただ、そのゲームでは聖女はプレイヤーである私で、そこの聖女…様は」

「私は死んでいた、と言ってたわね」

「は、はい。ゲームのオープニングで……勇者の纏う瘴気で皆が倒れてしまったのを聖女が抑えて、えと、聖女…様は浄化で力を使い果たして亡くなられたんです。勇者、様もそのせいで命を落としました。アンリ様は姉のような存在だった聖女様が亡くなった事で魔力暴走を起こしたんですが、そこに騎士団の負傷者の治療に来ていた主人公が暴走を止めようとして聖女の力に目覚めて―――そこからストーリーが始まるんです」


 ふむ。

 大体は予想通りね。

 でも、この子騎士団の治療になんて来てたかな。

 会った事ないんだけど。

 あと、なんかさっきのお茶会の時よりちゃんとしてない?

 さっきは典型的な貴族の我儘お嬢様、って感じだったのに、今は何だかまともになってるような?


「ねぇ、本来は私が死んだ事で新たに聖女が目覚める、みたいな感じだったんだろうけど、今の貴女に…失礼だけども聖力は感じられないのよね。簡単な治癒なら出来る?」


 私の言葉に返事は無いものの、ビクッと体を震わせ、反応を見せた。うーんやっぱりか。


「設定では騎士団の治療に来ていた、ってあったみたいだけど、私は貴女を見た事ないのよね」

「………」

「あと、さっきとは別人みたいに大人しいけど……何か前世を思い出したとか?」


「すっ、すみませんでした!!!」

「えっ!?」


 突然床にスライディング土下座をするリリカ。

 いや、床硬くて痛いし冷たいし汚いからそこまでしなくても、と止めようとした私に彼女は続ける。


「茶会までの私にはゲームの記憶くらいしか無くて、それを天啓だと思い込んだ私は、己が真の聖女になる人間だからと勘違いしたイタい令嬢でした。ですが、先程そちらの勇者様と聖女であるミーナ様お二人が並ぶ姿を見て、はっきりと前世の記憶を思い出したのです………もうもうもう!!私は大馬鹿ヤローです!ほんっとうに申し訳ありません!!私が真の聖女な訳ないんです!聖女に相応しくありません!どうか、あのっ、どうか罪に問うのは私だけにしていただけないでしょうか!家の者は、家族は、何も知りません…どうかお慈悲を…!」

「いやいやいやちょっと待って待って!」


 勢いが凄すぎて逆に怖い。なにこれどうした。

 落ち着くように声をかけて、土下座を止めて普通にしてもらう。頭を上げた彼女の、酷く緊張した青白い顔には後悔と焦りが滲み出ていた。

 拍子抜けしてしまう変わり様にくすりと笑いが漏れる。


「まぁ取り敢えず同郷のよしみ、ってやつで勘弁してあげましょう」


 そう言うと泣きそうな顔、じゃないわ、ダーッと滝のような涙を垂れ流して泣き始めた。


「…っく、うぐっ、あ、あ"りがどうございまずぅ〜〜!」


 うっ、鼻も垂れてきたよ…。

 令嬢に有るまじき姿に、檻の向こうへ使い捨てのハンカチもどきを差し出した―――ら、届く前に健に腕を取られた。


「……警戒心無さすぎ」

「いやぁ、こんな汚い泣きっぷりを演技でも意中の人アンリに見せないだろうと思って」


「え?あっ!」


 言われた意味に気付いたリリカは、顔中、耳までも真っ赤に染めて何語か分からない叫び声を上げて檻の部屋の隅へ後ずさった。見事な素早さ。


「大丈夫?」

「は、はい……どうしよう推しが、推しカプが尊い…!」


 ン?

 推し…カプ??

 推しアンリじゃなくて、カプって事は…え、まさか。


「まさか、BLゲー「止めて下さい聖女様、後ろの勇者様に殺されます。私が」あ、違うのね」


 被せる勢いで封じてきた。良かった薄い本とかじゃなくて。

 健は日本にいた頃小6だったから、BLは…知らないよね?

 そう思ってチラリと後ろに視線をやれば、にっこり黒い笑顔。あー、こりゃ駄目だ知ってるわこの顔。冷や汗をかく私に「母がちょっとね」と暴露する。

 ちょー!おかーさまー!そういうのは隠しといてー!


「でもゲームでは私と健は死亡してるんでしよ?何故に推しカプに?」


 リリカは良くぞ聞いてくれました!と言わんばかりの目を向けて来た。あー、これは長そう。


「それがですね、キャラデザのGENZO様が「なんて?」え?えーと、ですから」


 今ちょっとあり得ない名前が聞こえた気がしたんだけど。

 リリカの説明によると、GENZOという神絵師がゲームのキャラクターデザインらしいのだけど、とあるイラストサイトに投稿された彼の絵が私と健のイラストだったそうで。

 イラストについて何もコメントされていなかったが、その服装とかタッチから『聖女の時給は1ゴールド』のゲーム冒頭で死亡した勇者と聖女では?とファンの間で囁かれてたいたところ、ゲームのシークレットモード、真のエンディングである『トゥルーエンド』があるとネットで騒がれていたらしい。


「私はそれを見る前にうっかり事故で死んてしまって。で、今ここにこうしている訳なんですが」


 いやぁ、もうどこから突っ込んでいいものか。


「GENZOって…あの源三さん……だよね?」

「もしかしなくてもそうだろうね…そりゃ、こっちの話を知ってるわけだわ。自分を攻略対象に入れなかったのが意外だけど」


 はぁーっとため息をつく私達。

 まさか向こうに戻ってゲームを作る仕事に就いているとは…まぁオタクっぽかったけども。しかし個人情報ダダ漏れか。


「あの、聖女様達はGENZO様の事をご存知で?」

「ご存知というか、あの人ここで賢者やってたのよ。この世界の結界を一緒に無くしてあっちの世界に戻ったの」

「ええええ〜〜〜!GENZO様が、賢者だったんですか??ゲーム中、チラッとお助けキャラみたいな物凄いイケメン賢者がいたんですけど…」

「あーそれあいつだわ。美形でチートに描くとか…はぁ」


 源三さんらしいというかなんというか。

 まぁ向こうでちゃんと仕事して元気そうだし良かった。


「全対象の攻略を終えてやっとトゥルーエンドに入るための条件をクリアしたのになぁ…せめて全部見てから死にたかった…」


 いやいや死んじゃだめだってば。

 

「でもまあ、ここがゲームの世界じゃなくて、ここにいた源三さんが日本でここでの話を元に作ったゲームだと分かって良かったわ。ペンデルトンさん、誤解は解けた?」

「はい!もうそれは!私が全面的にど阿呆でクズの痴女でした!この底辺の人間に何なりと罰を!」

「いやそこまで言ってないから」


 目を輝かせて言うな。

 これ、こっちが元の世界の性格かぁ。

 さっきまでの貴族令嬢然としたあの姿は何だったの…。


「とにかく、彼女はもう大丈夫そうだし、実家に起こった事を考えたらこれ以上の罰は必要無い、でいいよね?」


 なんなら人格変わって生まれ変わっちゃってるし。

 アンリも健も、私が良いと言うならとリリカ・ペンデルトンの件は不問になった。良かった。


「でも、そのトゥルーエンド、ってやつの内容をちょっと知りたかったね。私達が出てるみたいだし」

「そう?リア充爆ぜろ、とかって言ってた源三さんだよ?期待できない」

「あはは…」


 取り敢えずリリカ嬢を何とかしないと、って事で戻ろうとした私達の元に見知った人物が現れた。


「おー、良かった良かった。お嬢ちゃん、まだ生きてるみたいだな」


 人聞きの悪い事をつらっと言ってきたのはこの国の王弟、ルディ様。と、その後ろに人影が。うん?女の子??


 ルディ様の後ろに立っていたのは青褪めた顔をした美少女。

 リリカと同じストロベリーブロンドだけどふわふわしたリリカの髪と違って、彼女のはストレート。あれ?眼の色も碧の目で似てるな。


「まさかの姉妹説…?」

「「従姉妹です!!」」


 呟く私に全力で否定してくる二人。息ぴったり。血の繋がりしか感じられない。


「彼女はマリアナ・ペンデルトン。そこのお嬢ちゃんの親戚だ。歳が近いから見た目もそこそこ似てるみたいだな」

「成る程。それは分かったけど、何故に従姉妹ちゃんを?身元引受人なら両親とか成人した人が良くないです?」

「あー、いや、彼女はそういう理由で連れてきた訳じゃなく」


 言いにくそうにポリポリと頬をかくルディ様。

 歯切れが悪いなー。何かお困り案件?

 まさか従姉妹まで乙女ゲーム繋がりじゃない…よね?


 そんな私の不安は、悪い意味で裏切られた。



「す」

「す?」


「すみませんでしたああああぁぁぁあっ!!!」


 突如、彼女はドレスが汚れるのも構わず通路の床におでこを擦り付けてそう叫ぶ。


 何でまたスライディング土下座。

 この世界で土下座を流行らせたのは私かもだけど、ペンデルトン一族には日本人の血でも入っているんでしょうか?教えて下さい女神様。

 

「リリカが大変な御無礼を働き申し訳ありません。まさか自分がヒロインだと勘違いしているとは思いませんでした…この勘違い妄想娘には厳しく言って聞かせるので、ご不快とは思いますが何卒お家断絶だけは…!」


 この一族はみんなこうなんだろうか…。

 面白いけどほっとく訳にもいかないし。


「あの、マリアナ嬢。お気持ちは分かりました、ので、土下座は止めて下さい。お顔にカビが生えそうです」


 ルディ様が連れて来た娘こだし警戒もいらないでしょうと、平伏す彼女の手を取って立ち上がらせた。ハンカチで顔の汚れを落としてあげながら、マリアナ嬢を観察する。


 彼女はリリカより品があるというか、よっぽどこっちの方がヒロインに見えるわ。顔の作りは良く似てるけど、清楚さとかこの娘の方が聖女に―――ん?あれ、まさか。


「……ねぇ、まさか貴女がヒロインだったんじゃない?」


 びっくう!

 と、わかり易い程飛び上がって怯えるマリアナ嬢に、疑問が確信となる。


「あー、ビジュアルは似てるし家名は同じ…ゲームなら名前はデフォルトがあっても好きに変更できる。なるほどなるほど」


 一人納得してると、説明を求める健とアンリの視線。

 まぁナンノコッチャ、って思うよね。


「えー、まぁ要するに。賢者だった源三さんが向こうの世界に戻った後、こっちの世界の話を物語としてちょっと手を加えて皆が体験できるゲームを作った。そのゲームの世界では私と健が居なくて、主人公がアンリ達と協力して魔王を倒す……ってとこ?で、その物語の主人公ヒロインがマリアナ・ペンデルトン、貴女って事よね?」

「えええぇえーっ!!?!あたしがヒロインじゃないの?!」


 リリカ嬢が心底驚いたように叫ぶ。

 真実を知って恥ずかしくなったのか、顔を真っ赤にして頭を抱える。


「どおりで聖なる力に目覚めない訳だ…は、恥ずか死ぬ!!」

「ビジュアルが違うんだから気付きなさいよ…迂闊すぎ。こんな真似して本当なら即刻殺されても仕方ないのに。美菜ちゃんに感謝してよね全くこの頭お花畑女」


 檻の向こうで悶絶するリリカ嬢を横目に、マリアナ嬢は淡々とというかなかなか辛辣に嗜める。

 あれ?なんか今ちょっと引っ掛かったぞ。

 そういえばこの口調というか、なんか、なんか。


「そもそもね、トゥルーエンドを見てたらこんな真似絶対しないわ!いい?隠しエンドに行くにはね、全エンディングを見た後、最初からプレイした時に最初の女神様からの『あなたが聖女となってこの世界を救ってくれますか』の質問に『いいえ』を100回選択してようやくシークレットモードよこのニワカ!」


 えー、100回同じ質問にいいえ、って……聞く女神様も凄いけど答え続けるプレイヤーも狂気というか。根性に負けたのか女神様。いやー、このど根性娘はやっぱり知ってるわ私。


「タケミナよ?生のタケミナを拝めるチャンスをこの馬鹿は!あり得ないあり得ないあり得ない!!」

「いやこわっ。真理姉怖いって」

「だって!美菜ちゃんもこの…………え」

「貴女、真理姉でしょ」

「あ、え、あのっ、」

「動揺し過ぎだし。美菜ちゃんって呼ばれて気付いたわ。あとそのオタクっぷり」

「………大変面目無い………」


 どういう事?と再び視線を受けて、私は彼女と私の関係を皆に説明するのだった。









読んで下さって有難うございます!


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