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氷の華


 私は、Cランクのビックウルフに乗り、他にアーマードベアやマジックフォックス等、各十体のCランクの魔物を連れてあの騒いでる奴の所に向かった。


そして、場所に着くや否や



「おっせーよ!

もっと早く来やがれ!」 

「まぁ~あぁ~!

俺様にびびっちまったんならしょ~がね~けどな~!」



等と、こちら無視して一人で話し始めた。


何だこいつ?

と思っていたら何処かをチラチラ見ていたのでそちらに視線を向けると何故かテレビクルーの集団が居た。


確かにニュースに取り上げられてたけど、そこまでするのか。

てか、これ一応戦争人だけどお茶の間に流すの?

そしてこいつはテレビにアピールしていたのか、


と呆れていると。



「おい!

そろそろ始めるぞ!」



と言われたのでそちらに意識を戻す、



「じゃぁ、始めるとするか!

形式は命を懸けた総力戦!

つまり、デスマッチだ!!

開始時間は戻ってから十分後だ!」


「ん」


「ああ~、総力戦だぜ?

お前全然魔物連れて来て無いじゃねーか、

何だったら開始時間遅らせてやるぜ?」


「問題ない」

ニヤニヤして絶対善意じゃないだろ


「おいおい、強がりは良くねーぜ。

何だったらデスマッチは無しにして、手加減してやろーか?

まあ、もちろん勝つのは俺様だがな!

その顔に傷を付けない様に――」


「必要ない」

じろじろと気持ち悪い、

早く終わりにしてよ


「おいおい、人がせっかく――」


「しつこい、問題ないと言ってる」


「、、へ―そうかい!

後で後悔しても知らねーからな!!」



そして話を切り上げ、二人は自分の陣営まで戻って行った、


はー、やっと終わった、

てか、あちこちに戦争仕掛けてまわって今回も自分から仕掛けといて、今更優しいアピールか何か?

何したいのかさっぱりだよ。


さて、どう戦おうかな、訓練はしてるけど実践経験は余り無いんだよね。

じゃあ、なるべく接近戦も試そうかな。

魔物達にはあまり前に出ずに後ろで停機してもらって、危なかったらサポートしてもらおう。


アレは角生えてたし鬼人とかかな?

んで、魔物はゴブリン系とオーガ?かな、全体的に力任せにきそうかな、



モフモフ


そろそろ時間かな、じゃあ行って来るね。


ウォンッ  

コーン

くーん

グゥゥ



さて、頑張ろう、

早く終わらせて帰ろう、

そしてモフモフしよう、





ーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~声のデカい鬼人の男~~


 くそ!

何なんだあのガキ!


今回は、勝つまでの時間を競いランキングを付けると言うので気合が入っていた、そしてなかなか相手が出て来なくて苛立っていた。

だが、デカい狼の魔物に乗り此方に向かって来るあいつを見た時そんな苛立ちもどこかに消えた。

風に流れる白髪、青い目、無表情だが整った顔立ち、それらに合っている白地に薄い青色のグラデーション、正直見惚れていた。


それに、まだ十代のガキだから手加減してやろうと思ったのに、あのガキは!

人が折角チャンスをやったってのに!


まあいい、あっちは弱そうなガキと魔物が30体だ、どうせ直ぐに終わるだろ。

泣いて謝っても許してなんかやらねーからな、たっぷりと後悔させてやる。



そして、十分が経過して魔物達が動き出した。


さて、あのガキはこの大群相手にどう逃げ惑う、、の、、、か?


自分の目を疑った、

あのガキはあろうことか魔物の大群に一人でしかも普通に歩いて向かって行った。


何してんだあのガキ、血迷ったのか?


するとそんなに大きい訳でもないガキの声が聞こえて来た。

ただ一言、


「氷嵐」


と。


すると、辺り一帯の空気が急激に冷えだし、地面が氷だし、凍てつく風に乗り冷気の塊や氷の刃が吹き荒れ、視界が白く塗りつぶされて行く。

すると大半の魔物達は凍えて満足に動けなくなり、足元から氷付き、凍てつく風に呑まれて氷砕け、切り裂かれる。


此れは何だ!?

何がどうなっている!!

アレは魔法か!?

それともスキルか!?

何を如何したらこんな事が!?

いや!先ずはこの状況をどう切り抜けるか考えろ!


必死に考えても何も浮かばない、だが相手が待ってくれる訳がない。

そして、風が止み視界が開けると、辺り一面が氷付いた白銀の世界だった。

ただしそれは、凍り付いた魔物がバラバラにになり埋まっていた。

更に、生き残っていたオーガ達も凍り付き切り裂かれた体を震わせていた。



「たった一度の攻撃で、此処まで、、」


俺は今更ながら力の差を理解した、

そして、絶望した。


これはデスマッチだ、どちらかが死ぬまで終わらない、

自分で決めたんだ、どうせ勝つのは自分だと調子に乗っていたから。

今までは勝ち続けてた、そして自分勝手にして来た、人も殺した。

それが今、自分に帰って来たのか。




「氷華」


その言葉とともに、辺り一面に氷の華が咲き始めた。


芽が芽吹き、

オーガ達が何故か膝をつき倒れ、

葉が大きくなり、

色が薄くなりやつれていく、

茎が伸び、

氷り付いて粉々に砕けていく、

蕾が出来き、

意識が薄くなっていき、

辺り一面に氷の華が咲き乱れて、

自分が既に氷付いている事に気が付き、

氷の華々眺めながら、

眠るように息を引き取った。





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― 新着の感想 ―
[良い点] 設定が良かったです。ローファンタジーで、現実が舞台の作品は少ないので久しぶりに楽しめました [気になる点] 今更新が止まってるところですかね? [一言] 楽しめました。ありがとうございます…
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