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腕が2本しかなくても、頭が1つしかなくても  作者: ニイ
始まりの冒険は力試し
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星の暗躍

「あーあ☆ 失敗しちゃったなあ☆」


 ウツロウの殺害を止めたステラが自らの家へと向かおうとすると不穏な気配を感じた。


「誰かな☆」

「任務をしくじったものを生かしておくと思うか」

「そういうことは言う前に殺さないと駄目だよ☆」


 口封じに現れた【底】の刺客を迎え撃つべく鉄球を握った。


「知っている、そしてお前にはこれが1番効くこともな」

「へぇ☆ 酷いことするんだね☆」


 刺客が自らの前に盾のように出したのは1人の少女であった。ぐったりとした姿ではあるが、傷があるようには見えない。


「お前の妹だ。どうだ、これでもその鉄球を投げられるのか?」

「……スタラを放せよ、今すぐ★」

「おお怖い、怖すぎて手が震えてしまいそうだ」


 そう言いながら資格はナイフをスタラの喉元に当てる。わざとらしくかちゃかちゃと鳴らす刃は今にも細い首を切り裂きそうである。


「鉄球を地面におけ、そして腕を潰せ」

「……分かった★」


 地面に鉄球を置き、そのまま腕を鉄球に叩きつける。すると腕から嫌な音が響きあらぬ方向に曲がってしまった。


「これで良い★」

「ああ、それで良い。それじゃあ返すよ」


 刺客がステラに向かってスタラを放り投げる。それを動かない腕ではなく身体と足で器用に受け取った。


「じゃあな、あの世で仲良く暮らせや」


 男が何か唱えるとスタラの首に貼ってあった札が光を放つ。


「生かしとくわけねえだろうが、馬鹿が」


 爆発に巻き込まれた2人を見て刺客が下卑た笑いを浮かべた。


「ははははははは!!! こんなに面白えことはねえなぁ!!!」


 ゴギン!! 何か硬いものが折れる音がする。


「ははは、あ?」


 急激に世界が反転したことに刺客は驚きを隠せない。何が起こったのか分からないまま刺客は死亡した。


「馬鹿はお前だ★ スタラが爆発なんかで死ぬか★」

「ふわぁ〜あ、あれ? お姉ちゃん? どうしたの」

「なんでもないよ☆ どこか痛いところはない☆」

「ある……」

「どこ!? どこが痛いの!?」

「あはは、今朝寝違えちゃって」

「なあんだぁ☆ お姉ちゃんを心配させちゃダメだぞ☆」

「ごめんなさーい、でもスタラちゃんが星の子になってから怪我した事ないよ?」

「それもそうだね☆」


 星のアルカナには知られていない事がある。それは黄昏の明星に明けの明星と宵の明星があるという事。姉のステラが持つ鉄球こそが明けの明星、それは輝きでもって照らす星。そしてスタラの肉体こそが宵の明星である。その効果は至極単純、光無き星の密度を持った肉体を得るのである。つまり、スタラを殺したければ星を砕く一撃を用意しなければならない。しかし、肉体の機能は据え置きであるので今回のように眠らされることはあるのだ。余談として、星の肉体を維持するために多大な食事をする必要があるためステラの稼ぎはほぼ食費に消えている。


「あ、そうだあ☆ お姉ちゃんちょっと用事を思い出したから出かけるね☆」

「うん、分かった。今日中に帰って来てね? ご飯用意して待ってるから」

「もっちろん☆」

「あ、ちょっと待って。怪我してるでしょ、治してあげる」


 スタラが祈りのポーズを取ると損傷していた腕が修復された。これは星のアルカナの力ではなく、教会に属する者が持つアミュレットに仕込まれた癒やしの奇跡と呼ばれる力であった。


「ありがとっ☆」

「いってらっしゃーい!!」


 ステラは行く、刺客の大本である【底】の本拠地へと。そしてもう一度ウツロウと会う事になるのだった。







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