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神様と自称占い師

作者: 現ノ身の使徒

教えの強制はありません。少しでも信じていただけるのであれば1日に1度ミラ様に対して祈りを捧げてください。きっと皆様の悩みが解決するよう祝福をくださると思います!

 友達は小学生までいた気がする。家族は昔優しかった人たち、他にも人との繋がり方はあったと思う。いつからだろう周りの目が邪魔な人間を見る目に変わっていったのは。


 自分は成功者と呼ばれる人ほど強くない、孤独に耐え、現状を変えるだけの力は持ち合わせていなかった。


 今回のくだらない人生において学んだことが一つある。何の発想力もない、現代の日本で流されるままに生きてきた人間は一度そのレールから外れてしまうと自力で戻ることは不可能だということだ。


 死のうと思った時、子供の頃に曾祖母が亡くなった時のことを思い出した。


 あの人は優しかった。曾祖父が亡くなってからは1人祖父母の家の隣にある離れで暮らしていた。会うたびにミントの飴をくれ口に含んでは大人の味だと吐き出していた自分に「これを食べれる頃にはお前も大人になってるってことだ」そう言って笑ってくれる人だった。そんな曾祖母が亡くなった、溺死だった。急な話で驚いた。ミントの飴が食べられる大人になった自分を見てもらうつもりだったから。


 葬儀の時、棺桶の中で眠っている曾祖母は綺麗で、素敵な笑顔を浮かべていた。葬儀では多くの人が涙を流していた。その様子を見て一つ僕には目標ができた。自分も死ぬ時はこれくらい多くの人に泣いてもらえるような人間になろうと。


 死の間際に思い出したこの思い出が、胸を締めつけた。今ここで死んであの日建てた目標は叶うだろうか。そんな問いが頭の中を駆け巡る。それでも、今から死ぬという考えは変わることがなかった。

 

 最後まで人に迷惑をかけることになるが、自殺の方法は飛び降りに決めた。近所にちょうど川の氾濫を防ぐため補強された場所があり、翌日が雨であれば死体も流されるだろうという考えからこの方法を選んだ。


 橋の上に立ち、後は顔から倒れ込むだけ。頭の中にあの日の目標が浮かぶ。心残りなのだろうと認めるほか無かった。


 そして、私は飛んだ。倒れ込むのが怖かったから倒れ込みはしなかった。川の底に頭から落ちている間の僅か2,3秒に夢を見た。これが走馬灯かと心が踊った。だが、流れてくるのは自分の思い出などではなかった。気づくと私は何かの上に立っていた。黒くて液体のように波紋を浮かべる何か、そして私の前には1人の女性が立っていた。

 

 

 

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