ここは地獄!?(「紅の秋」企画 参加作品)
この作品は『遥彼方』様が企画された「紅の秋」に投稿した作品になります。
今回もある物を擬人化して書いてみました。
※この作品はホラーではなくコメディなので最後まで楽しんでもらえれば幸いです。
くるり、ひらり。
紅が舞い落ちる。
漆黒に染まる闇の中へと……
そう ここは地獄……
きっと地獄に違いない!!!
奴らは天の世界より現れて
次から次へと我らの同胞を刈り取っていく。
天界へと連れ去られたものたちは
極寒の箱の中へと詰められて
見知らぬ土地へと送られていく……
そして、その先では様々な裁きが待っているのだ。
あるものは全身の皮を剥がされて
雲のような布団の上で公衆の面前へと晒される。
あるものは雪のような真っ白な服を着せられて
高温に熱せられた黄金の湯の中へと沈められる。
なかには沸騰した煮え湯の中にそのまま放り込まれたものもいる。
我らが一体何をしたというのだろうか?
我らはただ静かな世界で平穏に暮らしていただけなのに……
そして、いよいよ次は我らの番だ!
一体どのような地獄が待っているのだろうか?
我らは鉄の棒で頭を切り落とされると全身を真っ裸にされて
背骨を抜き取られる。
その後、ルビーのごとき真っ赤に染まった血の池地獄の中へと突き落とされ
ただひたすらに赤熱の業火で炙られる。
熱い! 熱い! 熱いっ!!!
我らは叫び声を挙げながら鉄の釜の中で右往左往といたぶられる。
そして……
くるり…… ひらり……
くるり…… ひらり……
繰り返し空中へと放られながら真っ赤に染また血の池の中を何度も潜らされるのだ。
やがて…… 全身が鮮血により紅く染め上げられると
最後は真っ白な皿の上へと落とされる。
「アイヤッ!エビチリ、イッチョアガリネ!」
これぞ!まさしく『紅色の食欲の秋』!!!
紅 《くれない》に染まるエビたちの叫びでしたw
ちなみに最初の冒頭の言葉は鉄鍋の中に落とされていくエビたちの様子を想像して書いてみました。
最後までお読みいただきありがとうございました。