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31.アキトの気苦労4。Side アキト

グレイシア王子は何とも有無を言わせない雰囲気を醸し出す。これ、拒否権ない感じですね。グレイシア王子、威圧感半端ない!何とも言えない恐怖を感じる。でも、グレイシア王子の言う事も気になるよな。“黒魔法”。もしかしたら、現代に繋がるものがあるかもしれない。



“黒狼”はグレイシア王子の提案に乗った。他の奴らも“黒狼”の言う事には逆らえないようです。ヒロトの呑気な言葉に睨みをきかせていたしな。


グレイシア王子はヒロトを見て、一言。


「貴方も何らかの理由があって、その姿なんでしょうが、今は元の姿を見せてくれませんか?」


ヒロトは軽く舌打ちする。・・・おい、王子相手に失礼じゃねーか?ヒロトは仕方なく、元の姿を見せる。


「これは失礼しました。」


ヒロト、いや、ハルディーン第五王子は銀髪碧眼で、どことなくグレイシア王子と雰囲気が似ている。ハルディーン第五王子は野性的な風貌だが、グレイシア王子は正統派王子で、これはメイディス第四王子に雰囲気が似ているなと思った。


ハルディーン第五王子は手の甲を隠す素振りを見せる。出来るなら、身分を隠したいのね。しかし、これにはゼノンが黙っていなかった。


「お前、姿変えていたのかよ!?そんなに、隠さないといけねーのかよ!!」


これには、ハルディーン第五王子は顔を思いっきり顰め、左手の甲を見せる。ちょっと、何やってんだ!?


「ちょっと、ゼノン。黙って頂けますか?」

「は・・・?それって、王族紋章継承魔法の印・・・!?」


グレイシア王子は疑問符を浮かべる。


「私の持つ、左手の甲の印と同じですね?これって、どういう事でしょうか?」


ハルディーン第五王子は簡潔に言える内容を選んで、口にする。そして、メイディス第四王子の右手の甲を見せる。


「俺・・・私とこちらにいるメイディスは、今の時代より未来の世界のディアレスト王国の王子で、私達にとって貴方はご先祖様に当たるお方なのです。」


グレイシア王子は流石に、これには驚きを隠せないと思いきや、しばらく顔を伏せて、顔を上げた時には理解を示した。


「そうなのですか?それなら、何故姿を隠していたのですか?」

「私達の生きている時代では、私は既に死亡した事になっておりまして、生きているにも関わらず、身分を偽って生活しておりました。しかし、国王陛下は私が生きている事を、今の貴方が、私が姿を隠している事に気が付いたように、気付いていらっしゃいます。」

「それは、大変でしたね。でも、貴方の存在を知る者がいて、心強いものでしょう。・・・もしかしたら、リリアンの魔法で元いた時代に戻れるかもしれませんが、まずは私のお願いを聞いて頂けますか?」


・・・ハルディーン第五王子でも、グレイシア王子には形無しですか。流石に、ご先祖様には逆らえませんか?グレイシア王子、なんか底知れぬ恐怖を感じるし、ハルディーン第五王子の正体を知ったゼノンは驚きが隠せない様子だし。とりあえず、リリアンさん、どなた?



『リリアンさんは、グレイシア国王の妃でーす。確かに、彼女の魔法なら元の時代に戻れるかもしれないでーす。あと、この事を口に出さないで、くださいねー!!俺達が生まれなくなるかもしれないでーす。未来、変わってしまいますよ?』


ハルディーン第五王子は、お気楽過ぎない?自分達が存在できるか否かというのに。ハルディーン第五王子は俺の考えを読んだかの言葉を口にする。


『別に、過去に戻る事は、起こるべくして起こった事象。慌てる必要はない。できる事なら、あまり未来の事を示唆しないようにな。この人は頭脳明晰ですから、他の人にあまり示唆するとも思えませんが。』


こいつは・・・!何故に知っているの!?会った事はないのに、性格が何故分かるんだ!?さっきから、王族紋章継承魔法使いまくりだな。でも、“黒魔法”とやらを使う連中相手にどうしろと?

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