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9.魔法の贈与。

感動?の再会劇から真剣な話になる。


「でも、ハルディーンは何故僕に正体をバラしたのですか?」

「貴方は、俺を誘拐した連中と結びつきがないと思ったからです。場合によっては、貴方が誘拐されていたかもしれなかった。だから、俺にとって一番信頼できる人物だと思ったのです。」


アキトは居心地が悪そうである。しかし、話しかけてもいいんだけどね?俺が許せば、万事OKでしょ。



「確かに、それはそうですが・・・。」

「アキトもこの事は秘密ですよ?下手に俺を誘拐した連中を刺激したくありませんから。今まで通り平民のように、過ごしますから。俺に敬語は無用です。」


アキトは見えないくらいの速さで首を振る。それ、首痛めない?アキトは疑問に思ったのか、唐突に質問する。


「ハルディーン様・・・いや?ヒロトと名乗っているからヒロト。王族紋章継承魔法の効果ってどういうものがあるの?俺、間近で見た事ないんだ。」

「え?いきなり?うーん?」


そう言えば、どういう能力があるんだろう?深くは考えた事ないな。そうすると、いきなりガチャがスタートした。俺、今ガチャを引こうと思ってないんだけど。しかも、『☆☆☆以上のレアアイテムのみ排出!!今だけ10連ガチャ無料!!』とある。何故に?



☆☆☆上級クローゼットをゲットしたよ!!

☆☆☆☆光魔法を入手したよ!!

☆☆☆メタルソードをゲットしたよ!!

☆☆☆殺戮の斧をゲットしたよ!!

☆☆☆上級クローゼットをゲットしたよ!!

☆☆☆チェーンクロスをゲットしたよ!!

☆☆☆☆光魔法を入手したよ!!

☆☆☆上級クローゼットをゲットしたよ!!

☆☆☆風魔法を入手したよ!!

☆☆☆☆☆聖剣・エクスカリバーをゲットしたよ!!



バラバラと武器が俺の周りに落ちていく。これに驚く二人だが、これは神様からの贈り物だからなぁ。違うんだなぁ。しかし、問題はそこではなかった。


光魔法を二つ入手しましたが、既に習得しています。この場にいる者(メイディス、アキト)に、王族紋章継承魔法によって、魔法を贈与しますか?


画面上にはそんな文言が出ていた。果たして、そんな事出来るのかと思いつつ、『はい』のボタンを押す。


そうすると、俺を始め、二人は光に包まれた。


何事かと思い、手を払う動作を取るが、何故か俺は『はい』のボタンを押していた。しかも、今度はメイディスに風魔法を贈与する契約らしい。あれー?メイディスは使える魔法は王族魔法だけなはずなのに、二つも魔法が使えるようになっちゃったぁぁぁ!!?



さて、二人の様子はというと、正反対の反応を示していた。メイディスは気分が悪そうにしていたが、アキトは心なしか更に力を増したのが感じ取れる。鍛えているからなぁ。


俺は頭を下げる他なかった。二人が落ち着いてもまだ頭を下げ続けた。


「いつまで、頭を下げているんですか?・・・それにしても凄い能力ですね?」

「そうですよ。ハルディーン様。貴方に頭を下げられると、こちらの立場というかですね。それに、心なしか力が増した気がしますし、武器をここまで出す事が出来るなんて、凄いです!」


そう言われて、俺は頭を上げる。だが、きっと顔は険しいままなのだろう。


「・・・アキト。多分、貴方は光魔法が使えるようになっています。兄上に限っては光魔法だけでなく、風魔法まで使えるようになった・・・のだと思います。私の王族紋章継承魔法によって、魔法が使えるようになってしまいました!本当にすみません!!」

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