第47話:帰る前に夜走馬との戯れ
――正直、帰れるまで時間があるからボク達は特にやることもなく、白夜は騎士の人達に挨拶するついでにちょっと訓練してくると通い慣れた場所に向かい、瑠衣は暇だからお昼寝する!と宣言してお昼寝している
「あ、そうだ。夜走馬に会ってこようかな……」
「夜走馬ですか?厩舎の方で大人しくしてるようですよ」
「元気そう?魔王のとこに行った時以来会ってなかったから」
「騎士の方々がとても元気だと言ってましたよ」
カオンさんはそう言ったけど多分暴れられるくらいに元気が有り余ってるって感じなんだろうなぁ……
そんなことを考えながら2回だけ歩いた通りに厩舎を目指していけばすぐにそれは見えてきた
厩舎の戸を開けて中を覗けばそこに騎士の姿はなく、馬達だけだったけど夜走馬はボクに気づくとはよこいって言ってるみたいにブルルと鳴いていた
「久しぶりだね、夜走馬。今日は挨拶に来たよー」
そう言いながら夜走馬の顔を撫でれば少し気持ちよさそうにすり寄ってきてやっぱり可愛かった
ていうかこういうのもある意味ギャップなんだろうなぁ……
「夜走馬、ボク達ね、帰れるんだって」
だからもうすぐさよならだよ。と言えば夜走馬は少しだけ不服そうに鼻を鳴らすけどボクに撫でられている顔はそのままだからなんだかんだでやっぱりボクはこの子に気に入られてるらしい
「あとあの時魔王のとこまで連れてってくれてありがとね」
それからしばらくボクはそのまま夜走馬と戯れて気づけばあっという間にご飯の時間で、ボクはちょっと名残惜しいけどお城の方に戻っていったけど……
明日タスクさんに夜走馬にまた乗馬させてもらえないか聞いてみようかな
そう思った翌日、ボクはタスクさんに乗馬のことを聞いてみたらあっさり許可がもらえた。
とは言ってももちろんタスクさん監修だけど
「やはり夜走馬はミサキ様に懐いていますね」
「それがよくわかんないよね……よしよし、いい子だねー」
パッカパッカと広いところ夜走馬でのんびりと走ってればやっぱり嬉しそうだから聞いてみてよかったと思うよね
まぁ、ホントなら多分思いっきり走りたいんだろうけど
「タスクさん、お付き合いありがとうございました」
「いえ、夜走馬ももう一度ミサキ様を乗せたかったようですからね」
「うん、それでもやっぱりありがとだね」
本当ならあの夜走馬は騎士のものなのにボクみたいなのを乗せてくれたんだから
……魔王のとこに行った時は勝手に乗ったからノーカンで……
そういえば、ボク達は身ひとつであっちに戻されるのかな?そういうの聞いてなかったな……
お別れ大事!(タスクのしゃべり方とか忘れてたなんてry




