第45話:帰るまで秒読み状態
――そろそろ元の世界に帰れるだろうと思ってから数日、ボクはソウディルさんと打ち合わせをしていた。
ボク達が滞在しているお城の方で。
とはいえ、このお城の人にソウディルさんが魔王の奥さんだっていうことが知られてないわけで
それプラスソウディルさんがそんなことができることも知らないだろうしで……
「ミサキ様、こちらの方々は確かに私があちら側だと言うことを知りませんが、力のこと自体はおそらく気づいておりますわ」
「そうなの?とりあえずホントにボク達は帰れるの?」
「えぇ、帰せますよ」
ソウディルさんが言うには月が隠れた夜、蛍石と呼ばれる暗闇で発光する石を媒体にして時空間に干渉する魔法を発動させるとかで月が隠れるっていうのは月食とか日食とかじゃなくて新月の日って意味らしい。
そして、その日は3日後だとか
「なんかなんとも言えないタイミング……」
「そうですね……ただ、蛍石がある場所というのが確かこちらの王家が管理していたはずですわ」
「キラキラ王子に言って大丈夫なこと?」
「えぇ。お願いしてもよろしいかしら?」
ボクがいいよと了承しようとしたときだった。
打ち合わせしてるお部屋の外からノック音が聞こえてきて、そこから顔を出したのは噂すれば的なキラキラ王子だった。
「ソウディルさんが来てると聞いたんだけど……」
「ちょうどいいやキラキラ王子。ちょっと相談ごとがあるんだけど」
「相談ですか?なんでしょう」
ボクはソウディルさんがボク達を元の世界に帰すことができることと、そのために蛍石というものが必要だということをキラキラ王子に話すと彼は少しだけ思考して
「蛍石なら使用数によっては提供することも問題はありません。そこのところはどうですか?」
「そうですわね……できれば手のひらくらいの大きさのものを3つほどあるとよいのですけど」
「3つですか……そのくらいならなんとかなると思います」
「なら問題なく御三方を帰すことができますわ」
ソウディルさんはそう嬉しそうに答えた時、キラキラ王子の目はなんというか違う意味でキラキラしてて……
「キラキラ王子、言っておくけどソウディルさんは既婚者だよ?」
「そ、そうなのですか……?」
「えぇ。それではミサキ様3日後に……あ、場はできれば召喚地と同じ場所がいいのですけど……」
「え、あ、はい……そちらの方もお任せください」
……どうやらキラキラ王子はソウディルさんに好意を抱いていたらしい
ちなみにじゃないけどこの世界は普通に1人の夫に1人の妻という夫婦関係で、愛人とか妾とかそういうのはほぼいないらしい。
まぁ、完全にいないってならないのが人間故なんだろうけどねぇ
とりあえず話し合うことも終わったからソウディルさんはあっさりと帰って行ったけど……
このへこみ王子どうしよ……
ほら、綺麗で心優しくて頭脳明晰な人に惚れるとかありそうじゃないですか。
(その実態はちょっぴりSなお方だけど)
ちなみにキラキラ王子の父こと王様は恋愛結婚っていう設定(を今決めた)
そんなこんなで一応終わりまではもう少し感!




