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第39話:それは数少ない犠牲者と言えようか

――その日、ボクはなんだか妙にいつもよりも気持ち悪さがない気がしたっていうか、いつもより清々しい朝を迎えたような気分になった


「んー……まぁ、いいか……」


気持ち悪いのがないのは多分いいことだし?

そんなことを考えながらボクはのんびりと朝ごはんを食べに食堂に向かえば、そこでは王様とかキラキラ王子とかが食事をしながらどこか戸惑った様子を見せながら話をしているようだった


「キラキラ王子、なんかあったの?」

「あぁ、勇者様。おはようございます。……実は……」


うっかり挨拶を忘れてたけどキラキラ王子はちゃんと挨拶を入れてて偉いなと思ったけど

言いにくそうに一度間をおいたキラキラ王子はどこか意を決したかのような表情で


「実は、捕縛されていた神官達が殺されたと」

「今までとは違うんだねぇ」

「そうですね……」


耳の人達とかはモノは言えないだろうけどかろうじて生きてたのに。

あの爺どもが絶命していた、と見回りをしていた騎士に告げられたのが食事前のことだったらしい。


なんでも、あの人達は教会本国に連行しようと移動を開始してたけど、そのときには同行者もいるけどそれとは別に監視者もいたらしい。

もちろん爺どもはそのことを知ってたはとは思うけど気づいてはいなかったみたいだけど。

そして、宿に泊まっていたとき、爺どもはもう食べることしか楽しみがないって言ってたらしいのにその日は食事にも出てこなく、監視者がさすがに心配になって部屋に覗きにいけばそこにはそれまでと違う意味で物言わぬ状態になった爺どもが発見されたんだとか。


「彼らの身体には黒いなにかが締め付けるような感じで体中にったようです」

「あー……うん、なんとなくわかった」


影は、爺どもが原因だったから手加減しなかったのかなぁ……

まぁ、そのことはこの人達に言いづらいけど。


「爺達が死んだことで教会本国は何か言ってきたの?」

「あぁ……言ってきたは言ってきた、が」

「が……?」


王様が言うには“処分する手間がなくなった分、楽になったから気にする必要はないよ。そもそも犠牲は最小限で済んでよかった”的な感じの答えだったとか。

ていうか絶対この答えを返したのってツヴァイさんなんだろうなぁ……


「あれでも、宿で死んでたんでしょ?片づけたの?」

「そうだな……ひとまずはそのまま教会本国の方に運ぶことに、な」


教会の人も同行者達もこうなるとは思ってなかったんだろうなぁ……

まぁ、いずれは死んでたか、殺されてたんだろうけど

正直、ボクにはあの人達がかわいそう、とは思えなかった。


……それよりもそろそろ(・・・・)影と話をした方がいいかな……

神官の爺さん達はこれにて完全退場。


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