第30話:現れたその人と零館にある意味深ステンドグラス
――開かれた教会の零館の扉、そこには銀髪青年が杖ぽいものを持って立っていた
「ようやっと来たか、シュウェスト王子」
一瞬、誰がしゃべったのかわからなかったのはボクだけじゃないみたいだけど……
キラキラ王子はまっすぐ銀髪青年の方を見て一礼をしていた。
「お話の方は飛ばした手紙が全てです」
「わかっとる……わしの方もすまんかったな、あの爺共を割り当てたのはこちらの責任だ」
……うん、ギャップっていうのかな……
ボクから見ても教会から出てきた銀髪青年は見目が綺麗な人だと思う。
いや、ていうか白夜と比べたら天と地ほどの差っていうのかな……
キラキラ王子とは比べない。比べたらダメな気がするからだけど
「それからよう来たな、勇者に神子、あと守護者。わしはツヴァイ・シア。一応はこの本国において教皇の座についておる」
なんていうか、アインさんと同じで若いのに偉い人なのかって思ったけど……
それ以上に気になるのはそこだけじゃないけど
「ツヴァイさんって目、見えない人なの?」
「ほう?どうしてそう思った?」
「だって杖ついてるし」
あと目の色もあれだなって思ったっていうのもあるけど
それでもやっぱりボクがそう思ったのは杖をついているからなんだよね。
魔法で使う杖とかよりもなんかイメージ的に大きい気がしたし
そのことをツヴァイさん言ってみれば急に爆笑された。
「さすが勇者、ってとこだろうな。正解だ」
「とりあえずしゃべり方ぶれてるよ」
「いやこれがわしの普通」
しかし……こうやって教会の一番偉い人としゃべってるはずなのに……
なんていうかすごい気軽な人、だよなぁ……
「あぁ、いつまでも王子を外に立たせるのは問題あるか。ほれ、こっちだ」
ツヴァイさんはそう言うと踵を返してさっさと教会の奥に入って行った
……あれで見えてないのかー……
そんなことを思いながらボク達は1回顔を見合わせてからその後をついてく
……零館の中は、白くて、綺麗だけど……神聖感はやっぱり感じれなかった。
それはそれで不思議なとこだよなぁ……
スタスタと先を歩いてるツヴァイさんの後をついていくボク達ははっきり言えばボク達3人だけ零館の中をきょろきょろと見回していた。
そもそも教会なんてそう滅多に入ることないし、ついでについで。
「深咲、深咲!あのステンドグラスすごいよ!」
「あ、ホントだー」
瑠衣が指差した先には1枚?っていうのかな、とりあえず1枚の大きなステンドグラスが見えたけど
ステンドグラスの絵の感じは……なんて言うんだろ……
白い羽と黒い羽の生えた人が赤い涙を流して祈ってるように見えるのが描かれていた。
「……よくわからん……」
思わず呟いちゃったけど……でもステンドグラスで絵になってるのって割と意味がある気がするよね。
あとで聞いてみようかな……って思ってたら
「なんだ、あの絵のステンドグラス気になるのか」
「あれツヴァイさんだいぶ先に行ってなかったっけ?」
「お主らの足音が付いて来ておらんからな。あれのことも話してやるからとっとと来い」
ツヴァイさんはそう言ってまたすぐに先に歩いてったからついてくけど……
そういえば……あのステンドグラスの人ってなんか……ツヴァイさんに似てる……?
ボクは唐突にそう思えてならなかった。
まぁ、なんとなくだけど。
……あれ、そういえばなんでボク達がここに立ち止まってあのステンドグラスを見てたってわかったんだろ……?
てことでキラキラ王子の名前ここで登場!
でもこれきりの可能性もありそうな気がする・・・・・
あと教会本国で一番偉い人、ツヴァイも登場でした!




