第27話:教会本国目指して最初の宿場町
教会の本国はこのお城から馬車で2日くらいらしい。
ちなみにで言えば夜走馬で実質1日半くらいだって。
つまり魔王のとこよりは遠いってことだけど。
そんなわけでボク達はのんびり馬車に揺られていた。
一応教会の本国にはアインさんと王様とキラキラ王子の連名ですでに手紙は飛ばし済みらしい。
どうやったのかは知らないけど。
馬車自体4人乗りで、進行方向向きから見て扉側に白夜、その横にキラキラ王子
キラキラ王子の向かいが瑠衣でその横にボクっていう感じで座ってて
馬車の御者は騎士の1人がやってるらしいってのは知ってるけど……だいぶ少数だよね、多分。
途中の宿場町って言うのかな……そこはちょっと立派な宿もあるらしい。
まぁ、さすがにキラキラ王子に野宿とかさせることなんてできないだろうしね。
「ねぇキラキラ王子、その宿場町まであとどのくらいなの?」
「宿場町まではそうですね……このまま行けば日が暮れる前にはつくと思いますよ。」
やっぱり微妙に遠いのか……それとも遅いのか……
まぁ、ボクにはその辺のことよくわかんないけどさ。
とりあえずボク達は何をすることもなくのんびりと馬車に揺られ……
いや、時々会話はあるけどさ。
こういうときはさ、盗賊とか出たりするのがやっぱり鉄板じゃん?
……なかったよ。まったくもって平和だったわ。
そして、キラキラ王子が言った通りにボク達は日が暮れる前にその宿場町へと到着した。
……宿場町っていうか温泉街?
思わずそう思えたのはあちこちの建物から湯気があがってたからだけど。
温泉、あるのかぁ……
「どんな宿なんだろうね!」
「そーだね。」
まぁ、どうせ王子が泊まるとこなんだから大きいとこだとは思うけどさ……
そう、思ってたら思ってた以上に大きい宿だった。
これが王子が同行してる結果かぁ……
「これは王子、お話は伺っております。」
「あぁ、世話になる。」
多分この宿で一番偉い人なんだろうけど……俗に言うVIP待遇ってやつなのかな?
まぁ、ボクとしてはお布団ちゃんとあったらいいけどさ……
「深咲、一緒に寝ようね!」
「絶対っていう約束はしないよ?」
シングル系だったら1人で寝たいし。
多分一緒の部屋にはしてくれるだろうとは思うけど……
そんなことを思いながら案内をしてくれている多分一番偉い人の後をついていけば……
なんていうか、どこの高級ホテルだよっていうツッコミがしたくなるお部屋に案内された……
例えて言うなら高級なホテルの最上階にあるスイートルームとかいう感じの?
1つの部屋なのに寝室が3つで真ん中にリビングみたいなとこがあって、ベッドは多分キングサイズっていうのかな……ボク達なら3人くらい余裕で寝れそうな広さがそれぞれ1つずつある感じだったよ。
「では神子様は勇者様と同じ部屋でよろしいですね?」
「やった!」
……うん、白夜はわかりやすく嫌そうな顔をするな……
どうせ入ってくるくせに
「じゃあ騎士の人達がここにいることになるの?」
「数名は、と言う感じですね。さすがに何もないとは思いますが……」
必ずしも安全とは言えないもんね……宿の人には失礼かもしれないけど。
「いっそのこと縄でも張り巡らせておく?」
「いえ、そこまでは必要ないと思いますよ。さすがに」
まぁ、適当に言っただけだったけど……とりあえず温泉に入ろうかなぁ……
――正直、ボク達の教会本国までの旅はそこまで厳しいことは何一つなかった。
でも……本当の問題が起こるのがお城に帰ってからなんて……ボク達が気付くはずさえないよね……
あの老害どもめ……




