第25話:結論、悪いのってあの人達じゃね?
――改めて説明することじゃないけど、この世界において神官とは神の言葉を実行する者で神子が神の力を伝える者。という建前の元に存在していた。
……らしい。
いつからか、神官達は自分達の行動こそ神の意志だと我がままの限りを尽くすようになってしまったらしい――
「でもアインさん。神様って何処に在って、どんな姿なのかはあの老害達もわかってないんでしょ?」
「えぇ、まぁ……」
ホント、アインさんって大変な立ち場つけられてる感がありありだよなぁ……
無関係なボクでさえそう思えるくらいだし、正直胃薬必要なんじゃね?レベルだと思うんだけど……
「……勇者様、これはあの人達が知らないことですが……」
アインさんがボクに教えてくれたこと、それはボクにとっては興味のないことだったけど
あの老害達にしたら喉から手が出るほど同じ体験をしたいというものなんだろうなと少なからず思う程度には神官という存在を理解してきた気がした。
「だからアインさんは神官長なの?」
「そうとも言えますね……ホントは、ここから離れた場所にある教会にも神官はいるんですけどね……」
「うん、つまり老害を追いだして若手の時代にしたいってことでしょ?」
「そうは言ってませんよ。」
でも、本心としてはそうしたいらしい。
まったくもって大人の世界とか宗教というものはめんどくさいこの上ないよね。
王様も苦労してるみたいだし……
ある意味ボクのお仕事になるのかなぁ?
あの人達に関わりたくないんだけど……
――そう、思っていたのが数日前までのこと。
その数日後、瑠衣に対してあの老害達が洗脳を施そうとしていたことが発覚した。
まぁ、瑠衣には洗脳耐性Lv5があるっていうことがこの前わかったから安心はできてたけど。
「王様、これはもうやっちゃっていいよね?」
「あ、あぁ……まさか彼らがそんなことをしていたとは……」
ちなみに、瑠衣曰くあの人達が洗脳しようとしてたときはよくわからない言葉を呟いてたらしい。
それが耐性のおかげなのか、召喚された影響だったのかはボク達の誰にもわからなかった。
まぁ、ボクにしてみればこれもまたアインさん達の為っていうよりも瑠衣に対して馬鹿なことをしでかした馬鹿な爺さん達に対することだからね。
あと結論からすれば爺さん達が言いださなかったらボク達がここに来る必要もなかったんだから
「わぁ、深咲がやる気満々なんてひさしぶり!」
「なんで洗脳されかけた当人が一番やる気ねぇんだよ……」
「白夜のくせになによ。私だって深咲の為ならなんでもやるよ!」
いや、なんでボクの為なの……
一応瑠衣が一番関係してることのはずなんだけど……
さすがにボクだってそう思わざる得なかった。
にしても洗脳……かぁ……
ボクはその言葉に何故だかとても嫌な予感しかしていなかった……
ホント、嫌な予感ほど当たるよね




