なによりも報酬優先
前回のあらすじ!
魔王の正体は怠け者の少女だった!
そして勇者はただの伝令だった!
勇者はこのやるせなさを何処にぶつけるのか!
まったく、少女は最高だぜ!
「さて、如何なさいますか?魔王様?」
「んー…」
報酬ねー、王からの報酬…
「マウザー、何か欲しいものある?」
「私ですか?私は…そうですね…鞭、ですかね?」
「やだ、物凄い悪い顔…この執事恐い…ゆ、勇者君は?」
「え?俺?ってか魔獣をどうするかって話じゃないのかよ」
んー、なかなかいい案がないなー
勇者君は真面目だし…
うーん…
「あ、私お肉食べたい!」
最近、王国産の最高級食べてなかったからなー
「あぁ、肉ですか。何キロぐらい掠めますかねぇ」
「報酬が肉って…いいのか悪いのか…」
「ん?勇者君も食べる?」
「は?俺が食べてもいいのか?」
「魔王様がこんなこと言っているので、いいんじゃないんですか?」
「美味しい物は皆で食べよう!」
「そ、そうか…って!だから魔獣はどうするんだよ⁉︎」
あー、魔獣ねーどうしよーかなー
めんどくさいなー
「…放置?」
「放置していた結果がこれですよ、それにどうにかしないと報酬は貰えませんよ」
「えー…お肉食べられないのはやだー」
「いや、お前魔王だろ!お前が魔獣に指示出してたんじゃないのか⁉︎」
「指示?そんなめんどうな事するわけないじゃん」
遠隔で指示出すだけでも疲れるのに、何言ってんだろこの人
「いや、めんどうって…もっとしっかりしろよ」
「何を言っても無駄ですよ、言って効いたら苦労はしません」
「私は魔王だから自由なのだー」
…うわー、なんか2人の目がつめたいー
でもそんな目をしても動かないもんねー
「仕方ありませんね。周辺の魔族に通達し魔獣を狩るなり、柵を設けるなりしてもらいましょう」
「うん、そんな感じでいいんじゃない!これでお肉食べれる!」
おっにくーおっにくー♪
「随分ぞんざいな対策だな!不安しか無いんだが!」
「私はお肉貰えればそれでいいし?」
「おい、ホントにこいつ魔王なのか?全然魔王らしいことしてないじゃねぇか」
「こんなんでも、本気出すと凄いんですがね」
「2人して失礼しちゃうわー、この頭脳明晰、才色兼備、強靭無敵、超絶美少女のベレッタ様をこんなんって」
「自分で言うと信憑性が全くないぞ?ってかお前ベレッタって名前だったんだな」
「あれー?言ってなかったけ?」
「言ってませんよ。因みに、私はマウザーと申します。一応言っていることは正しいのですが、中身がアレなので」
「あー、喋らなきゃなんとやら…みたいな奴か。あ、俺はシグだ、よろしく」
「むー…いいもん、別に世界征服とかする気ないからアレでも」
そもそもなにもしたくないから魔王になったんだし、働いたら負けだよ
「はぁ、魔王様がもっと働いてくれたら此方も助かるのですが。では、対策はその様に致しますので、またこの剣をもって帰ってください」
「え?今なんて?」
「この剣をもって帰ってください、と。さっきの会話は既に録画しているので」
「いつの間に⁉︎」
「魔王様の”お肉食べたい”くらいからですね」
あー、なんか机弄くってたなー。あれ録画してたのか
「ちょっとまて…今までの会話全部撮ってたのか⁉︎」
「もちろん」
「あの会話を王に見せろと?」
「そうですが、何か問題でも」
うわぉ、私に向かって言ってないにも関わらず凄いプレッシャー。きっと凄い怖い顔してるんだろうなー
「あ、いえ…問題、ないです…」
「ならさっさと帰る!時間は限られているのですから」
「は、はい!」
あちゃー、勇者君完全にビビっちゃってる。まぁ、この城で一番怖いのマウザーだからしょうがないよねー
あ、勇者君剣忘れてる…
「ん?あぁ、いけませんねぇ」
マウザー選手、第一球、振りかぶって
「お忘れ物ですよ!」
投げた!
「痛い!」
やっと勇者の名前を出せた…
あとは男2人の容姿が説明出来てない…
あ、一応言っておくと会話が多いのは仕様でございます