勇者突撃の裏で
「あー…マウザー?なんかお菓子もって来てー」
「魔王様、既に用意しておりますが?」
そう、既に魔王様の茶菓子は用意されているのです。
あぁ、始めまして。私はこの魔王城の執事長をしているマウザーと申します。
この…なんといいますか、自堕落なこのお方が我が主でもある魔王ベレッタ様でございます
「今なんか失礼な事を言われた気が…まぁ、いいや。あれよ、なんか塩っ気のあるもの食べたいのよ」
「余り塩分を摂り過ぎてはいけません、それに太りますよ?魔王様。」
「何よ、ケチくさいわねー」
全く…我が主ときたら…
自分が太らない体質だからって…
この通り、魔王様は大体ベッドに寝そべりながら茶菓子を摘まみ、異世界より呼び寄せたゲームなるものをするのが日課でして…
魔王様曰く、座右の銘は君臨すれども統治せず、だそうな。
っと、そんな日常を過ごしていると突然激しい物音が…一体何事ですかね。
「ほ、報告します!勇者なる者が侵入を!」
「ふむ、直ちに皆を避難させなさい!勇者に対しては自動甲冑を嗾けて時間稼ぎを!」
「了解しました!」
全く、珍しい客人ですね。
最近は勇者などこなかっというのに、どうゆう風の吹き回しでしょう
「魔王様、如何なさいます?」
「んー?まぁ、ほっといたら?」
「そうゆう訳にはいきません、久しぶりの仕事ですよ?」
「仕事したくなーいー、なんとかあしらってよー?」
はぁ…まったく…
「わかりました、では勇者は此方の部屋に誘導することに居まします」
「うわ⁉︎鬼!悪魔ー!」
「あくまで執事ですから」
「それ、ぜんっぜん面白くないから!もう、こうなったらベレッタちゃん久々に本気出しちゃうから!」
おぉ、あの魔王様が遂にやる気に!
「勇者帰れ勇者帰れ勇者帰れ勇者帰れ勇者帰れ勇者帰れ…」
「おい、魔王様、なに幻惑魔法かけて追い返そうとしてやがるんですか?」
「仕事やだ!はたらきたくない!」
「者ども!必ず此処に勇者を引き込みなさい!」
「うわ、テレパス使ってまで命令したよこの人!絶対追い返してやる!」
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「報告します、後5分程で勇者が此方に」
「わかりました、報告ご苦労さまです。ほら、魔王様、仕事ですよ。」
ふぅ、これで少しは魔王様も運動が出来ますね
「えー?後ちょっとで魔王倒せるから待ってー」
「現実逃避しないで下さい。ほら、勇者様の御登場ですよ」
「私絶対戦わないから!絶対戦わないから!」
ふふ、勇者は目の前、何を言おうと無駄ですよ
さぁ、勇者の登場です!
「魔王!覚悟!」
「あー、遂に来ちゃったよ…」
「えっ…?はぁ…?」
あ、勇者の動きが止まって…これは不味いですね…
しかしこれが勇者ですか、金髪蒼目に純白の鎧…いかにものな勇者ですね
一体何を考えてるのやら
「ここまで来るのに疲れたでしょ?何か飲む?」