魔王専属
前回のあらすじ!
魔王の部屋に来て見たらなんとぬいぐるみ地獄が広がっていた!
その惨状に嘆いた勇者は片付けを手伝う事に!
でも実際は8割くらいは勇者が片付けしていましたとさ!
「カレーあたため直しましたよー。ご飯も炊きたてですー」
「わーい」
「おい、とりあえず落ち着けよ」
魔王の部屋の片付けがおわって、俺たちはやっと飯を食うことにした。
魔王が空間魔法で(今度はなにも溢れ出させないで)机と椅子をだし、メイドさんがカレーと白米の入った容器をカートで持って来て、カレーと白米を皿に盛る。
そして、その様子を見て目を輝かせる魔王…こうやってみたらホントただの子供だな。
「さてと…じゃあ」
「「「「いただきます」」」」
あれ?今四人いたような…?気のせいか?
「んぐ…ん…美味いな!勇者君!」
「ふふ、私も手伝ったんですよー?」
「そうなんだ!ありがとね!」
「あぁ、魔王様の笑顔が眩しいですぅ」
「ふむ…確かにこれはなかなか…」
「そうだろ?美味いだろ?今回のは自分の中でも自信作…っていつの間に⁉︎」
「先程転移で。カレー頂いてますよ」
転移って…そんな簡単に出来たっけな…?
というかいきなり出て来られたらビビるって。
まぁ、いいや…あの執事が美味いって言ってくれるなら安心だし。
んで、カレーを食い終えた俺たちは、メイドさんが入れてくれた紅茶を飲みながら雑談している。
「あぁ、魔王様。さっき国王と連絡を取りましたら、魔獣の被害が減ったから報酬を送るって言ってましたよ」
「ほんと!」
「えぇ、本と「…ちょっと待て!」…なんですか、いきなり?」
「今、国王と連絡取ったって言ったか?」
「はい、言いましたが?」
「連絡取れるんなら俺の存在理由なくなるじゃねぇか!」
「存在理由なんてどうでもいいじゃないですか」
「だよねー、私そんな理由考えたことないよ?」
いや…えぇ?なに、俺がおかしいの?
ってか!連絡取れるんなら最初からそうしろよな!
「魔王様は少し考えましょう。まぁ、存在理由は国王と連絡取ったときに新しく出来ましたよ」
「は?」
「魔王様専属のカメラマン兼お世話係です」
「はい?」
なんだ?カメラマンって?お世話係はわかるが…って⁉︎俺がこいつの面倒見ろってか⁉︎
「魔王様、確かビデオカメラを召喚したことがありましたよね?」
「んー…なんか勘違いして召喚したのだっけ?」
「あー、アレですか!あれはいい物でしたね!」
「そう?」
「魔王様の御姿をずっと残しておけるんですから素晴らしいものですよー」
「ちょ…ちょっと待て!全く話が見えないんだけど⁉︎」
マジでどうなってんの⁉︎俺どうしたらいいの⁉︎
「つまりですね、王妃が魔王様の姿を見たいということで勇者をここに送った訳ですが、私が異世界の道具であるビデオカメラという映像を撮る物を召喚していたことを思い出しまして、それだったらその剣と違って転移禁止魔法が掛かってないので簡単に王城に送れるというわけです、後はわかりますね?」
「あ…この剣、転移禁止魔法が掛かってたんだ…じゃなくて!まさかの王妃が魔王見たいが為に俺ここに来たの発覚!」
つまり俺はそのビデオカメラで魔王を撮ればいいと?だがお世話係ってどうなるんだよ⁉︎
「動揺しすぎて会話文と地の文が逆になってるよー、勇者君」
「世話係ですか…それはもう、これからここに住み込みで働いてもらう事になります!」
「………」
「よろしくね!勇者君!」




