片付けられない女
前回のあらすじ!
魔王の為にカレーを作る勇者!
可愛いメイドに手伝って貰えて浮かれる勇者!
だが!残念だったな勇者!そのメイドは魔王大好きなメイドだ!
「なぁ…魔王さんや」
「な、なんだい、勇者さん」
「何が起こったらこんな事になるのかい?」
扉を開けたらぬいぐるみ地獄が拡がってた…
いや、なんでこうなったし。
「あ、あはは…」
「あははー…前より酷くなってんじゃねぇか!」
「ひぅ!」
片付けるどころか散らかすって…ってか、なんだこのぬいぐるみ…魔王が抱きしめてるのは…羊っぽいなにかだな…床に転がってるのもなんかどっかで見たことあるような…あぁ、魔獣をデフォルメしてるのか。
「で、何が起こったんだ?」
「あ、あのね…?言わなきゃダメ?」
「ダメに決まってんだろ」
「えと…魔法でパーっと片付けようと思ったら…失敗しちゃって…」
「で、こうなったと?」
「いやー、失敗して何も起こらなかったんだけどね…それで…空間魔法使うことにしたんだよ」
「空間…あぁ、確かに別の空間とかから物とかを移動出来るやつか」
「そうそう、んでね…空間魔法使った途端にこう…」
「…ぬいぐるみが溢れ出してこの有様か」
「か、可愛いでしょ?」
あぁ、頭がいたい…
「はぁ…わかった。一緒に片付けてやるから、さっさと終わらせるぞ」
「はーい」
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「ふぅ…片付いたな…」
「おー、見違えるようだー」
勇者君凄いなー、ものすごい手際良かった。
「ったく、何時も綺麗にしてりゃこんな苦労しないでいいのにさ」
「か、片付けようとは思ってるんだよ?」
「……」
そ、そんな目で見ないで!
「えと…ぬいぐるみ達も綺麗にしてもらったし、ありがとね!」
「あ、あぁ…どういたしまして。とりあえず、飯食おうぜ!」
「うん!」




