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08

あれから―


一週間もの時間が流れていた。


あの時に会った二人とも、


連絡を取ってはいないし、


その辺でばったり会う、


ということもない。


(連絡先を交換してないから、当然だけど...)


メアドくらい交換しておけば―


だらしなくそんな事を考えてしまう、


自分が居る。


もう過ぎてしまったのに、


飽きもせずネチネチと執拗に不貞腐れ、


行動力がない僕と、


終わったことを考えて過ぎてしまう僕。


二人の僕の対称的な思いが、


更に第三者の己を


イライラさせている。


「悔やむぐらいなら、最初から行動しろ。バカ...」


当たって砕けてしまえば、


良かったのに。


引かれるぐらい、


どうってことないくせに。


(自分がこんなだから―)


漫画だって連載中止を言い渡されてしまうのだ。


お願いです、


見捨てないで下さい、


もっと頑張りますから。


とかみっともなく頭を下げて、


土下座をして、


しまえばそれで済んでしまう。


努力をすればどうにかなって、


悩めば良い作品に直せるかも知れないのに―。


実際の僕は努力をする事を諦めて、


悩むこともしないで、


出版社を出てしまった愚か者なんだ、


僕は。


今何をしたら良いのか―


何処に行けば、


僕の進むべき道を照らしてくれる人物に巡り会えるのか、


さっぱり分からない。


だから僕は、


あの日以来―


つまりは一週間近く、


一歩も家から出ていない。


大学にも勿論、


顔を出していない。


本当にくだらない、


こんな事で。


頭では分かっているのに、


外に出たくない。


出ようとすると、


僕の体が『拒否』する。


動けなくなってしまう。


(どうせ何しても、上手くいかない)


今の僕は弱気だ。


でも...。


これ以上は、


自分の殻に閉じ籠るのを辞めにしよう。


漫画家ではなく、


普通の人間として、


生きていくのであれば。


連載が中止になったくらいで、


立ち止まる訳にはいかない。


(本当は―なりたかったのかな。漫画家に)


辛くて辛くて。


やっと手にした座を


自ら捨てた癖に。


勝手だ


僕は昔から。



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