表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/52

まだ調べている段階です!

 さてさて、MP回復薬を強奪しようと企んでいる私だけれども、現状ではまだそれをするための準備が終えていない。先にやるべきことはいくつかある。

 もっとも私がすべきことは、情報収集をすること。MP回復薬がどんな状況で、どんなふうに運ばれているか。高価な薬であるのもあって、それは厳重に守られている。それを奪うことを考えるのは何も《魔人》だけではないってことなんだよ。そもそも《魔人》は無理やり《魔人》になった人が多いからか、倫理観とかまともに持っている人は奪おうとしていなかったっぽい。

 MP回復薬を奪って好き勝手したほうが絶対、レベル上げるうえで便利だと思うんだけどなー、そっか、《魔人》になったとしても悪人にはなりたくないって思考でかなー? もう、存在そのものが人間の敵みたいになってるんだからあきらめて悪役に徹したほうが絶対に楽しいと思うんだけどなー。

 あははは、そんなの私だけ?

 でも、割り切って好き勝手にやった方が気分も爽快だと思うんだけどなーっていうのが本心からの言葉だよ?

 それでね、一生懸命MP回復薬を奪うぞーって調べているんだけどさ。MP回復薬を運んでいる一味はそこそこ見つけられるんだよ。でもさ、護衛が大量にいたりとか、明らかにこれは無理だろって感じのルートで移動されたら強奪しようにもできないよ! ああ、もう良い感じに「強奪なんてされるわけないしー」的な感じでなめている連中とかいないかな! それかさ、護衛費用をあまり使いたくないって理由で護衛を最低限にしている集団とかさ。

 「もー、私ははやくMP回復薬奪いたいのにー」

 思わず不機嫌になってしまう。だって仕方ないじゃないか。私は凄く不機嫌だよ! やりたいことがあるのに、すぐにできないってのは凄く嫌なんだよ。もやもやするしねー。

 もー、もっともっとすぐにババッって強奪できたらいいのに。でも、そんな考えなしに行ったら待っているのは破滅しかないよね。それは絶対にやだもん。私はこの楽しくて仕方のない《魔人》人生を楽しんでいないうちは終わらせたくない。

 そう、願っている。

 私は私として、どこまでもこの人生を楽しみつくすまでは死にたくない。ううん、死んだらすべてがリセットされて、私っていう個人が完璧に消失されてしまうことを思えば、楽しみつくすよりというか永遠に死なずに生きていたいとさえ思っている。

 だからこそ、油断はできない。

 自分のレベルが上がったからといっても、なんでもうまくいくなんては思えない。思ってはいけない。慢心することは破滅に向かう事に繋がると知っているから。

 『アイ様、僕ら頑張って強奪しやすい場所見つけます』

 眷属の《ポイズンハニー》たちからそんな思念が飛んできて、思わずきゅんと来た。私の眷属のモンスターたちはなんて健気なんだろうってね。

 そんな可愛くて健気で、素直な存在たちを犠牲にしまくるってのも気分が悪いし、そもそも私は味方には優しくしたい派なんだよねー、最も自分のためなら味方にだって私は厳しいけどね? 余裕で見捨てるけどね? でも、可愛いんだもん。私に絶対服従の存在ってさ、だからね、やっぱあまり死ぬっていやかな。

 うーん、堅実に行きたいけど、やっぱり特攻的な感じでも行きたいなぁ。

 モンスターたちにMP回復薬を奪わせようと思ってたけど、そうだねぇ、私がやろうか。

 私が精一杯暴れて、どうにか搖動できないかな。

 一番MP回復薬を奪う際に油断を誘う容姿をしているのは明らかに私だしねー。とはいっても近づきすぎてもアレだしなぁ。うーん、どうやったら一番いいんだろうね、悩むね。正直。

 「誑し込んじゃおうかなぁ。護衛やる人」

 で、真っ先に思いついたのはそれである。

 しかしだ、私は処女である。正直MP回復薬を手に入れるためとはいえ、体を許すのは嫌なのだ。しかし、誑し込むためには体を使った方がたやすく行えるのも確かなのだ。

 でもあれだね、私って清楚系な美少女らしいから、うまくやれば体を許さずに好き勝手できるかな。でもポルノみたいな何も知りませんっていう純情少年ならともかく、女経験に豊富そうな冒険者とかなら色々とだますのも大変なんだよねー、たぶん。

 先にさ、男を落とす術でも学んでみようか。身体をゆるさず、心を掌握する術が一番いいんだけど。とはいってもまだ町に顔を出すのは危険だしな。私は外見が一切変わってないこともあるし、幻術系の魔法は長時間使うのはアレだしなぁ。

 と、そこまで考えて何も私自身で特攻しなくても使える駒はモンスターたち以外にもいるじゃないかと思い至った。

 「そうだぁ、《人間》を使えばいいんだ」

 なんせ、《人間》は溢れている。数だけならかなりの数がいる。幾らか使ってダメにしてもなんとでもなる。

 《人間》を滅亡させる気はないけれど、少しぐらい駒にしたって問題はない。

 「あっはっはは、楽しそう」

 私はそれを思って、満面の笑みを浮かべるのであった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ