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毒の魅力にどっぷりはまるんだよー。

 アルシアを食べ殺してから既に一週間が経過したんだよー。

 私はマスター室の中でうんうんと唸っていた。私の目の前には、多くの《ポイズンハニー》たちが蠢いている。《ポイズンハニー》は虫だから、繁殖が半端ないからアルシアで遊んでいる間にもどんどん増えてくれたんだよ。

 あとね、アルシアってこの前の村を壊滅事件の時に結構レベル上がってたんだよね。そんなアルシアを私は殺したわけで、もちろん私のレベルも上がってたんだよ。良い事だよね。

 アルシアで遊ぶのは本当に楽しかった。いやー、私をこれだけ楽しませてくれて、尚且つ私がレベルを上げるための事に貢献してくれたんだもん。本当に玩具としては最高だったといえるね。

 ふふふ、アルシアはアルシアにとって”大好きな親友”の一部で糧になったのだよ! あっはは。思い出すだけでどうしようもないほど笑みがこぼれてくる。

 あの時のアルシアの顔と言ったら、本当に、最高に面白かった。驚愕に顔を染めて、どうしてとでもいう風にその口は発そうとしていて。

 私がアルシアを裏切るわけがないとそんな風に最後の最後までアルシアは信じていた。何て愉快で面白い事なんだろう。私を信じているだなんて。面白くて面白くてたまらなかった。本当にどれだけ私を笑わせる気だよってほどだ。

 私がそんなことするはずないと信じたくて、歪んでいた瞳は思い出すだけでも面白くてとっても愉快だ。

 そうそう、それで、私が何をしているかっていうと毒の実験だよー。

 あのね、アルシア相手に毒沼使ったでしょう? 毒沼っていっても試作品で、そんなに面積も深さもない奴だったけどさ。だけどさ、それでもあの苦しむ顔って最高だったと思わない? ふふ、普通の人は思わないかもね! でも私的には毒沼って超楽しいねって感想に至ったんだよね。一瞬でばっさりと殺しちゃうのもそれはそれで楽しいかもしれないけれどさ。じわじわと獲物を苦しめながら殺すのも最高にいいと私は思うよ? 地球に居た頃はもちろん毒になんて触れた事はなかった。いや、日常的にあふれる人間にとって食べたらいけないものはあったけれどさ、わざわざ地球で事件を起こす必要はなかったしね。っていうか、地球の警察って案外優秀だからそんなもの起こしたら私すぐに捕まっただろうし。一度楽しい思いをしたいって事件を起こして、その結果捕まって、その後楽しく生きられないってのは私嫌だったからねー。やりたいって思いは凄くあったけれどさー、それで人生棒に振るのはちょっとね。だから地球に居た頃は人畜無害な演技をしながら適当に人の人生振り回してたんだけどねー。あれはあれで楽しかったな。

 まぁ、そういうわけでじわじわと毒で殺す様子をガン見した私は毒沼の魅力にはまっちゃったんだよねー。

 今やっているのはね、毒の実験。

 《ポイズンハニー》の毒って、初期のモンスターなだけあって効能が低いんだよね。もっとさ、強力な毒じゃなければいざって時に使い勝手が悪すぎるんだよー。だからね、もっと強い毒を《ポイズンハニー》が持てるようにならないかなーとか考えて色々やっているんだ。

 ほらさ、私もアルシアに《ポイズンハニー》の毒がどれだけ利くか実験ってことで自分で毒に顔を突っ込んでどれだけ平気でいられるかってやったっていったでしょー。それをやってみて《毒耐性》のスキルが手に入ったわけで、《ポイズンハニー》にもそうやって体に毒を慣れさせればこの子たちだってもっと強力な毒に耐性がついて、もっと強い毒を持つようにできるんじゃないかっていうそんな期待からなんだけどね。

 そうなったらどれだけ楽しいんだろうね。とってもわくわくするよ。とっても考えただけで楽しいよ。

 だってね、《ポイズンハニー》って初期のモンスターって認識しかないんだよ。冒険者たちにとってもね。だからこそさ、もし私が妄想するように、見た目は普通の《ポイズンハニー》のまま、中身は普通のものとは全然違うほどに強力な毒を持っていたら面白い事になるんだよ。油断して《ポイズンハニー》に近づいて、そしてその先に想像もできない絶望が待っているみたいな。考えただけでどうしようもないほどわくわくして楽しいよね。なんだろう、油断させてズバッとやっちゃうのって私好きなんだよね。もちろん堂々と恐怖心をあおりながらもやっちゃうのもいいかもねーって思うんだけど。

 っていうか、毒って本当いいよね。地球に居た頃は毒とか興味があっても詳しくは調べた事なかったからなぁ。っていうか、効能とか見たら使いたくなっちゃいそうだからちょっと自重していたのもあるんだけどねー。異世界にこれるってわかってたならもっと勉強してくればよかったなぁ。地球と異世界じゃ毒は色々と違うけれどさ。それでも、毒の種類とかわかったはずでしょう?

 勉強しにいきたいなぁー。でっかい図書館のある街にまでいって沢山本が読みたいなーとか思っちゃったり。っていうか、基本的に私って知らない事知る事って好きなんだよね。純粋に本読みたいなって時々思うんだよねー。あー、どうせならはじめてのさつじん行った町で本買ってくればよかったなぁ。まだ六年しか経ってないからあの町にはまだいけないんだよねー。だって私全く姿変わってないし、あとあのおじさんはまだ殺せないし。

 「うーん…」

 思わず唸る。

 とりあえずアルシアで思いっきり遊んだ私は、次に毒についての知識を蓄えたい

。《ポイズンハニー》の毒の強化を結果としてできなかったとしても、毒の知識を蓄える事って後々のためになると思うんだよね。てか、毒を自分で調合して人を殺すのも中々良いよね。

 私の見た目って、毒殺とかしなさそうに見えるらしいんだよね。いっそのことさ、薬師とかの志望ってことにして《人間》たちの中に紛れるとかもよくない? だって薬師って基本的に毒にも詳しいでしょう。そんなイメージあるし。

 あー、もう勉強したい! 毒沼実現のために、もっと楽しく毒を使いたいよー。毒の実験とかしながら遊びたいよー。いや、もちろん、ダンジョンにやってくる冒険者を殺すのも楽しいけどさー。

 なんだろう、毒っていいよね! ってそんな気分なんだよ、私は。脳内が毒っていうその言葉に染まっていて、そのこと以外考えられなくて、それで思いっきり遊びたい気持ちなんだよ。

 あれだね、地球でいうテレビでアイスとかチョコレートとかの特集やってて、無性にそれが食べたくてたまらなくなるような感覚になってるんだよね、私。

 もー、毒の勉強ができないならほかの事で思いっきり鬱憤を晴らして、楽しいって気持ちに一杯にさせて、遊ぶべきだよねー。

 何か面白い事ないかなーとか思いながら私は《ポイズンハニー》の何匹かに様子を見てきてーって命令を下したの。てか、《ポイズンハニー》たちって本当に中々有能だよね。情報収集もお手のものだし。

 てか、アルシアで遊ぶことも終わったし、その間に色々レベルも上げたんだからもっとダンジョンも色々と強化したいしなぁ。新しいモンスターも出せるようになったし、ちまちま増やしているんだけど、理想のダンジョンまではまだまだ遠いんだよねー。もっともっと、もっとさ、レベルをあげられたらもっと好き勝手遊べるんだけどなーって思ってちょっとんーって気持ちになる。まぁ、いきなりチートとかよりもコツコツ色々やってチート級になる方が楽しいけどねー。

 楽しい楽しいことがもっとやりたい。アルシアで遊んでたった一瞬間しか経っていないのにこんな気持ちになってしまうのは、私が常に『楽しい』って気持ちを感じて居たいって思っているからだよねー。っていうかさ、常に楽しんで、好きなように遊びながら生きる生き様っていいと良いよね。

 地道に遊びながらマスター室に引きこもるのもありだけど、目標を決めてそれを成し遂げようとする方が正直やる気が出るんだよねー。さてさてなんか今の私がやりたいことって何かなーとか考える。

 最高にわくわくして、どうしようもない楽しさを感じられるような事ってないかなぁ。

 うーん、うーんとベッドの上で唸る。

 あれだね、アルシアっていう最高の獲物をしとめた後だからもっと楽しい事って思うとそこまで浮かばないよねー。また《魔人》の子と遊ぶのも楽しそうだけど、正直《魔人》と接触するのは危険だし、それにまたすぐに会えるとは思えないしなぁ。

 なんて考えてきたら情報収集にいっていた《ポイズンハニー》が何匹かかえってきたの。

 彼らにね、見てきた情報を聞いた中で面白いことがあったんだ。

 「ポルノが近くまで来てる?」

 それは私がアルシアと出会う前にトラウマを植え付けたポルノが私のダンジョンの近くまで来ているという情報だった。


 ―――私はそれを聞いて思わず口元をゆるませたのであった。




題名変更しようか少し迷い中です。ダンジョン作成というよりも、愛が遊んでいるだけの話なので、これは。

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