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繁殖させて、強奪計画を考えてみる。

 はじめてモンスターを作った日から二週間が経った。少しずつ魔物も増えているし、レベルも上がってきている。人間はまだ殺してないからそんなにすぐにレベルアップはしないけれども。


 今の私のステータスはこうだ。


 名前 花本愛

 種族 魔人

 レベル 10

 HP 280

 MP 530

 称号 なし

 ダンジョン あり

 スキル なし



 スキルは未だに一つもとっていない。今いるのは、《コボルト》×7匹、《ゴブリン》×7匹、《ポイズンハニー》×6羽、《スライム》×30匹、《痺れキノコ》×3匹、《レッドドック(子)》×5匹、《大鼠》×5匹、《小蝿男》×3匹ぐらいである。

 雑魚モンスター以外作れない…。まだ最初の8種類のモンスターの枠から外れられない。というか、神様……、普通に考えてこれ雑魚モンスターしか作れないで、ダンジョンを発現させたら頭使わないと死んじゃうって本当に。本当にいい性格してると凄く思うけど。

 というか、犬だよ、しかも子犬。狼ですらないよ。子狼はまだレベル上げないと出てこないっぽい。

 武器持たせたりすると、MPへるし…。武器を他で仕入れる金はないしなぁ…、MP使わずに種族を増やす方法…なんて考えながらも戦闘訓練をしている私の眷族達を見る。

 ちなみに《痺れキノコ》は不気味な色の椅子に出来そうなほどの大きさのキノコだ。痺れ薬持ちだけど、効果は薄い。《大鼠》はその名の通り二周りほどでかい鼠。でもこれが人間に勝てるとは思えない。《小蝿男》は蝿男だ。子供ぐらいの大きさの。しかも飛べる。《レッドドック(子)》に関しては、子犬戦わせるとか、神様鬼畜! って思ってしまった。てか絶対神様名前考えるとめんどくさかったよね!? そのまんまじゃんと言いたくなる。

 《コボルト》、《ゴブリン》は前世のファンタジーでの想像と同じような感じ。ああ、スライムも。HPしょぼすぎる。レベル1だと特に。《ポイズンハニー》も痺れ毒持ちだけど効果が薄い、蜂だ。

 まぁ、動物殺しに行かせてるから少しずつこの子達のレベルも上がっているけれど、まだ駄目だ。

 圧倒的にせめて新米冒険者に引けをとらないようにしなければ…。一般の初期ダンジョンは新米冒険者にとって経験を積む場所とされているらしいし、簡単に殺されてたまるもんか。

 というか、多分ダンジョンが森として設置されているからこんなモンスターなんだろう。塔とかだと違う雑魚モンスターが作成できるんじゃないかなと思う。

 じーっと、モンスター達を見ながら、私はある事がひらめいた。

 出来るかわからない、だけど試してみて出来たら少しはやりやすくなる。どうせ、私のダンジョンはモンスターもいなければダンジョンに見えない。私がダンジョンとして人間に認識されなければ誰も来ない。準備期間以上の時間があるのだ。

 それならば、と思い私はモンスターに向かって口を開いた。

 「ねぇ、あなたたち交尾しなさい。出来れば子供を産んでほしいの」

 にっこりと笑った顔を見て、モンスター達全員が戸惑いにも似た声を脳内に響かせるものだから私は思わず笑ってしまった。









 それからまた二週間が経った。

 この頃には準備期間は終わっていて、初期ダンジョンが世界中に現れてきているようだ。私? もちろん、まだダンジョンとして認識なんてさせないわ。

 そういえばあれから繁殖させていたんだけど、うん、うまくいってるわ。《ポイズンハニー》は巣を作ってから数を増やしてくれるし、《大鼠》は割と繁殖率高いっぽい。《痺れキノコ》は胞子を放出して数を増やしている。あとスライムは分裂で増えてきている。分裂すればレベルも半分になるんだけど、分裂はいつでもできるっぽい。

 他は二週間じゃ流石に増やせられない。これはあれね。他の連中は狩りのチームと交尾のチームを作って、交互にやらせるべきね。流石に一日中交尾させるのをずっとやってれば、子供も出来るだろうし。妊娠期間は戦わせられないけど。

 とりあえず、誰かを妊娠させてから色々決めよう。まぁ…、《レッドドック(子)》に関しては大人になるまで繁殖させられないけれど。

 で、他にダンジョンを出現させる前にやりたい事といえばやっぱりMP回復薬の強奪。まず、MP回復薬は近隣の村人に聞いてみた所、特別な魔力を回復させる効果のあるエレキソウという草から作られるのだという。精霊などの住まう聖域や人の滅多に来ない場所にしか生えていないらしい。エルフの里の近くにも多くみられるという。何でも精霊やエルフの緩やかな魔力が満ちた場所を好むらしい。ちなみに魔人の居る場所には絶対に生えないという事を聞いた。魔人は聖なる存在とは正反対の存在だからだろう。だって私とか他の人達をこの世界に呼んだ神様、邪神様だし。

 だからダンジョンの周辺には絶対にないんだって。まぁ、そんなわけでエルフの里の輸出品の多くがそれらしい。

 というわけで、馬車で運ぶらしいからそこを襲うのが一番いい。ただし、冒険者が護衛についている事も多いらしいから問題だ。

 さて、どうやって強奪すべきか。ルートも確認しなければならない。という事はまず第一に情報収集をすることが重要だろう。

 盗まれないようについている護衛を倒す事が出来るのか。普通に考えたら無理であるから、やるなら不意打ちだろう。モンスター達を総出でいかせるとしても勝てる可能性は低い。モンスター達もレベル上げは少しずつしているが、まだ冒険者に勝てるほどではない。ただ人間を殺せれば私のレベルも上がる…。

 人間を殺す事が今の私には出来るかといえば難しい。まぁ、レベルがあるといってもゲームとは違うから頑張って不意打ちで急所狙えば私でも相手を殺せるだろうけれども。

 そのためには、まず戦いなれてない人間を殺して、殺す事になれる事が第一だろう。ついでにモンスター達の、《ゴブリン》達のような武器を持った方がいい連中の武器を取りそろえるべきで…。となると、武器を奪うのが先だろう。少しずつでもいいから武器をそろえる。

 モンスター達をダンジョンの外にいかせるとしても、派手に周辺で動き続けたら此処が疑われる可能性がある。

 「……そうだ。他のダンジョンのせいにしちゃえばいいんだ」

 神様がどれだけの人間を連れてきたかわからないけれど、初期ダンジョンが世界に溢れだしているのだ。探せば私のダンジョンのすぐ近くにも存在するだろう。それならば、そのダンジョンの近くで行動を起こす。モンスターが居れば、近くのダンジョンを疑うものだろう。

 となると、連れていくのは《ポイズンハニー》達。このモンスターなら、目立たずに飛んでダンジョンに戻ってこれる。一番目立たずに行けるのは、《ポイズンハニー》と私で行く事。

 私は人間と似たような外見であるし、問題はない。

 ただそうなるとそろそろ、スキルを手に入れるべきだろう。今はスキルを何も取ってないから、刃物で攻撃する事しか攻撃手段がない。でも、スキルには魔法などもある。

 そこらへんをうまく活用できれば人間殺す事もできるものね。さてと、あとでスキルを獲得しようかなー。現在100ポイントたまってるわけだし。

 強奪についてはそれからもう少し計画を練らなければ…!!

 結局その後、どのスキルをとるか考えるだけでかなりの時間を使ってしまうのであった。



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