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どうやって殺そうか考えるんだよー。

 ハッピーエンドが好きな人は多いよね。

 めでたしめでたしで終わる物語が好きな人って沢山居るよね。

 ハッピーエンドで終わる物語って、地球でも沢山あった。だけれども悲劇的な物語も沢山あるものだよねー。そして悲劇的な物語を見て涙したりするんだよねー。

 あはは、携帯小説とかの人が死ぬ物語とかも流行ってたもんね。浮気された妻の物語とかも結構あるよねー。それにさー、不幸になるような惨殺的な物語も結構あるよねー。それってさ、人々がそういう事を少なからず求めているって事だよね。そうじゃなければ流行らないでしょう? ホラー系の映画とかもそうだよ。そういう非日常を皆気づいてないだけで心のどこかで求めてるって事でしょう?

 でもさ、実際にそういう事が起きるとこんな事求めてなかったって言っちゃうんだろうねー。そう、非日常に出会ってそして平和が一番なのを知って、今の生活がどれだけ幸せかーとか気づいちゃうとかそういうのも多いよねー。

 私もねー、非日常にであったらそうなるのかなって気持ちもあったけど、そんな事全然なかったねー。でね、私、地球に居た頃、悲惨な話大好きだったよ。あのね、私もそれやりたいなーって意味でね? ただ人が死ぬだけの話なんて感動は欠片もしないよ。そもそも一人の人間にそれだけ執着した事ないもん。人なんていつか死んでしまうものだよ。私を含めて。そのいつかが今か未来かなんて誰にも分からないことだし、それがいつくるかなんて考えるだけでも無駄だもん。なのにさー、何でああいう恋人が死んだ主人公とかって恋人が死ぬのはずっと先だって思い込んでいるんだろうね? 私、ずっとそれが謎だったんだよねー。

 それにさ、虐殺事件とかって少なからず地球でもあるよね。ほら、女子高生殺人とか、子供が殺害されたりとか、親子間での殺害とかさー。何でさ、そういうのが普通の日常の中に少な限り紛れている世界であれだけ皆自分はそんな目に合わないって信用出来るんだろうねー? ってずっと思ってたんだよねー。人には色々居るんだよー? 私みたいに周りに良い顔しながら恐ろしい事考えてた女子高生とかさー。ふふ、異世界に来れる事がわかってたならば、地球でも遊べば良かったな。見つからないようにしばらく潜伏しながら遊んで、そして異世界にきてまた遊ぶ。その方が楽しかったかもしれない。

 と、そんな事は置いといてさー。何が言いたいかというと殺人ってさ、殺した方が殺そうと思わない限り起こらない事だけど、殺された方ももっとさ、隙を作らなきゃ殺される事はないと思うんだよねー。私がはじめて殺したハルマ君も親の言いつけを守らず外に出たのと私を信用しすぎていたのが悪いんだよね。ポルノはさ、私の演技に騙されたのが悪いでしょ。だってさ、私の性格って正直悪いよ? 殺人を喜んでしちゃうほどだよ? 幾ら演技していたからって私の演技が完璧だからって、気づかない方も悪いと思わない? 大体人を簡単に信用しすぎだと思うんだよねー、皆。正直つまらないよね、いつか警戒心丸出しの人を手懐けた後に殺すとかやりたくなっちゃったー。信用出来ると思わせてからのぐさってのも楽しいよね、きっと。

 私はね、悲惨な物語って大好きだったよ。だって楽しいじゃないか。非日常。他人がそういう悲惨な現状を作り出すのを見るのも楽しいけれども、自分がそういう状況を作り出すのってどれだけ楽しいのだろうって考えていたんだ。だって普通ってつまらないものだよー。

 だからね、今、最高にワクワクしてる。

 「アイちゃん、あのね」

 こうやって笑顔で話しかけてくるアルシアをどれだけ悲惨な状況にしようか、私が一番楽しめる調理法はなんだろうかって。

 折角時間をかけて『親友』という立場になっているのだ。思いっきり、楽しく、いつまでも記憶に残るようなそんな風にしたい。いや、そうしなきゃ私が後悔する。だってこんな獲物滅多にいない。これからもすぐには現れない。そもそもこれから同じ《魔人》の子と『親友』なんて関係になれるとは限らない。

 どうしよう。いつ、どうやって、どのように、どこで殺そう? どうやって殺したら一番楽しいんだろう?

 アルシアが振り向いたところを不意打ちで殺すとかどうだろう? そして意識を保たせたまま何度も何度もさして、私に裏切られたという絶望のまま殺しちゃう?

 でもそれだとつまらない。アルシアは全然レベルもあげていない《魔人》だからもっともっと楽しいやり方があるんじゃないだろうか。それにはじめてのさつじんのときとか、ポルノのときとか、ハーレム男の時と同じような感じじゃつまらない気がする。大体刺殺ばかりして刺殺に飽きてきた。どうしようか? 折角アルシアがこれだけ信用してくれているのだからもっと違った殺し方が出来るんじゃないだろうか? どうやって調理してくれようか。

 ちなみに今はねー、アルシアと共にお花見的なものしてるんだよー。今このあたりの季節は地球で言う春に近い気温だからねー。

 異世界には桜(呼び名は違うし若干地球のものと違う)あるから、してるんだよー。お弁当は私が用意したよー。

 「アイちゃんって料理上手なんだね。こういう料理食べるの久しぶり……」

 《魔人》は食事を取る必要もなく、アルシアは肉や魚を自力で取る事ができず、《人間》の町にも怖くていけないらしいからね。あはは、そんな行動してないのに自分が助かる未来を夢見ているなんてなんて馬鹿みたいなんだろうねー。そんな気持ちは口にしないけど、凄く思ってたりするんだ。

 っていうか、アルシアは私がどうやって料理の材料手に入れたか考えないのかなー。

 原料はねー、《人間》とモンスターと動物だよ!

 冒険者の肉は手に入れるときに何かに使えるだろうって保管してたんだよねー。アルシアがね、お花見するなら弁当っていっていたから思いついて作ったの。

 モンスターはね、もちろん私の可愛い配下のモンスターたちじゃないよ? 私がモンスターの肉欲しいなーっていったら「回復出来るから私の肉を」といってくれる可愛い子たちもいたけれど(モンスターは基本的に創造主に絶対服従なため)、それは嫌だなーってわけで、アルシアのダンジョンのモンスターの肉を使いました。面白いよねー。自分の配下がいなくなったことにも気づいてないんだよー? それにアルシアってモンスターを怖がっているから話すこともしないしねー。第一アルシアって私とモンスターの言い分だと私の言い分を信じるだろうし。

 動物の肉は普通にそのへんで狩ってきた奴だよー。あはは、異世界来てから私刃物の扱いめちゃくちゃ得意になったよー。

 ふふふ、《人間》とモンスターと動物の肉のミックス料理とか地球では絶対に出来ないからやってみました的なノリでやったんだよー。

 「美味しい。アイちゃん、美味しいよ」

 嬉しそうに頬を緩ませ食しているアルシアには、殺す直前ぐらいに教えてあげようかなー。貴方が食べたのは人間の肉だよって。

 あははは、面白いよね、最高だよね。愉快だよねー、本当に。

 もっともっと、思い出を沢山作って、私をもっと信頼させて、そして殺してあげる。

 そうだ。アルシアが最高にしあわせを感じたその瞬間に壊してあげよう。幸せなんて幻想だったんだってそう教えてあげよう。

 ああ、思いついた。最高に楽しい殺し方。最高に私が楽しめるようなアルシアの最期。その瞬間、アルシアの絶望した顔。それを想像するだけでなんて楽しいんだろう。なんてわくわくするんだろう。こんな楽しい殺し方を思いつくなんて私天才! なんて思ってしまう。思わずノリで。

 「アイちゃん、これからも私と仲良くしてね」

 「うん」

 そうやって頷きながらも私はアルシアを最高に絶望させて殺す最も適切な時期はいつかなーなんてそんなことを考えているのであった。





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