次の目標ができました。
やっぱり人を殺すとレベルが沢山上がるなぁと私はマスター室の中でご機嫌だったりする。
現在のステータスはこんな感じだよー。
名前 花本愛
種族 魔人
レベル 19
HP 470
MP 822
称号 愉快犯 殺人鬼
ダンジョン あり
スキル 《ボックス》、《火属性魔法》
まだまだしょぼいよねー。正直もっともっと強くならなきゃ私すぐに殺されそうだし。地球でのRPGと一緒でレベルが高くなればなるほどレベルが上がりにくくなるわけだし、もっともっと人を殺さなきゃ。
私は折角始まった第二の人生を終わらせたくないんだよ。だってこの世界は凄く楽しいからね。でもあれだね、レベルをあげないとどうしようもない。弱いままでは好き勝手なんて決して出来ない。なら、私がやるべきことなんてただ一つなんだよねー。レベルを思いっきり上げて、遊んじゃおう。っていう、ただそれだけ。
この世界にやってきて、自分を信頼する幼気な子供で《はじめてのさつじん》を終わらせ、殺人鬼と殺し合いをして、自分に好意を持つ男にトラウマを植え付けて、ハーレム男を再起不能にしたけどさー。まだまだ、楽しい事あるんだもの。
っていうか、この世界でやってきた事を改めて思い出してみるととってもニヤニヤするよ。
だって決して地球では出来なかった事を私はやれているんだよ? それだけでもう好奇心旺盛な私にとってはとっても楽しくて楽しくて仕方がない事だもの。
今まで抑制してたの。やりたいなって心に蓋をしていたの。だってやってしまったら地球では生きていけなかったから。でもね、この世界では私は悪役の魔人で、正直非道な事をしようとも咎められる事はないの。それって最高なことなんだよ。楽しい事が、私はこの世界で沢山沢山出来るんだよ。
ダンジョンを少しずつ広げて、ちまちまトラップとかもしかけてたりするけど、まだまだなんだよねー。私の理想の凶悪なダンジョンまでの道のりは遠いんだよー。
それをするためにはもっとレベルを上げなければならないの。それにモンスターの数も増やさなきゃ。私の可愛いモンスターも少なからず殺されて、数が減ったもの。悲しいんだよねー。
やらかしたあとだからしばらくは外に出ない方がいいわけだし、どうやって動こうか。どうやって遊ぼうか。名一杯派手にやりたい。やったら討伐される可能性が高まるからやらないほうがいいけれども。レベルをもっともっと上げたい。レベルを上げるには生物を殺すのが一番いいのに。それにはやくレベルを上げなければあの殺人鬼のおじさんが寿命で先に死んじゃうんだもん。私はあの叔父さんを殺したい。うん、いつか殺すって決めたんだもん。レベルを上げるためには――大人しく引きこもっているのでは駄目なんだ。でもでも、どうやろう。どうしよう。
どうやって遊べばいいかな。死ななように慎重に。でも即急にレベルを上げたいなんて我儘な事を私は考えてるなーって思ってしまうんだよー。
んーっと一週間ぐらいずっと悩んでた。
とりあえず地道に、冒険者を隔離させて、毒とかで気絶させて、ブスッと刃物で刺して殺しちゃうのを何度か繰り返すことにした。本当はもっと堂々と真正面から、恐怖心を煽りに煽って殺して遊びたいけれどそれだけの実力がまだ私にはないから。それに刃物の扱い方もまだそんなになれてないし。本当は長剣とか使ってどばーんとかっこいい剣術披露したりしたいけど正直無理。いつかあれだね、この世界の誰かにちゃんとした剣術習いたいな。そしたらもっと色々出来るから。
《魔人》が《人間》に剣術教わりに行くとか事例なさそうだし、さらっと紛れて習う事できると思うんだよねー。
ふふふーんと鼻歌を歌いながら今やっているのは、さっき殺した冒険者の女の子の解体だよ! 正直ね、腕力じゃ負けちゃうからちょっと危ないしね。同じ女の子相手ならやりやすいんだよー。ってわけで私最近女の冒険者殺しばっかりしてる気がするなー。でもさ、面白いんだよ? 男女混合のパーティーだと結構恋愛感情もつれてたりするから、女の子が殺されているの見て結構メンタル弱い男はやられるからね。唯、メンタル強い男は復讐に燃えて私の可愛いモンスターたちを殺そうとするから慌てて皆を引っ込めるの。もう、短気な男って面倒だよねー。何するかわかんないし。
ていうかさ、本当冒険者なんて職業をやっているなら一人仲間が死んだぐらいで動揺するのやめてほしいよねー。そういう甘ったるい考えしている冒険者には是非とも世界は甘くはないんだよーって教えてやりたくならない? 私はなるんだー。明るい未来しかないって信じきっている人をさ、絶望に陥れるとすっごく楽しいよねー。あははっ。
そうやって遊んでしばらく過ごしたの。
だって他に楽しく遊べることないんだもーん。街にはやらかしたあとだからしばらく行かない方がいいしねー。私の姿が変わってないから色々感づかれても困るし。
そうやってちょっと退屈だなーって過ごしてたらね。
「あ、あの貴方も魔人ですよね」
同じ魔人の子が接触してきたのー。あはは、これで色々遊べそうだね?
あはははっ、いっぱい遊ぼうか。どうか、私を楽しませてね。




