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力をつけたら敵をとるからね、私の可愛い眷属達。

 頑張ってた。

 私の可愛い眷属達は。私の生み出したモンスター達は健闘を尽くしていた。

 ごめんね、って口にしながら私は冒険者たちの実力を試すためにモンスター達を行かせたの。

 失敗は必要だった。

 だって敵を知ることは重要だったから。

 それは意味のある犠牲だった。

 だけど葬られたコボルト達、数名を見た私は悲しかった。キル、アイル、カナ、ルキト。名前を付けて可愛がっていた彼らが死んでしまった。

 自分が行かせた癖に悲しかった。

 だってこの世界で私が生み出した可愛いモンスター達が無残に殺されてしまったのだ。

 折角異世界に来て、わくわくしながら生み出したモンスター達だったのに。可愛い可愛い、私に忠実でかわいい子たちだったのに。

 ―――殺す。

 何時か、絶対殺す。

 やられっぱなしは、正直嫌だ。それに、やられたらやり返せこそいいもの。

 あはは、うふふ。

 マスター室で、思わず笑い声を漏らす。

 殺す殺す殺す、だから覚えててあげる。貴方達の顔を。私の可愛いモンスター達を殺した貴方達の事を。

 私のダンジョンに攻めてきた中堅冒険者のパーティーは、四人組。

 ちなみに男一人女三人である。

 絶対に忘れてなんか上げない。今は私は彼らを殺すことは出来ないけれど、絶対に何時か追い詰めて殺してあげるの。

 というか、男一人とか、何なの、ハーレムなの? 的な気分になるよねー。実際に女三人は男一人を愛してやまないみたい。あれだね、一人一人無残な姿で殺してあげたらダメージが大きそう。

 男は美形の剣士。前世も含めてこれだけの美形は見たことがないってぐらい美形。金髪で、目が細くて、かっこいいって言葉がよく似合う感じ。こいつの顔は覚えやすそう。

 女の方も綺麗系と可愛い系に分かれているけれど、男に狙われやすそうな見た目してる。

 一人は魔法使い。可愛い感じね。栗色の髪を肩まで伸ばしていて、くりくりとした目は愛らしくて…。穢れの知らない幼い雰囲気は、何か汚したくなるよねー。

 二人目は神官風の恰好をした美人さん。白銀に輝く髪と黄色い目を持つ神秘的な雰囲気な女性ね。聖属性の使い手みたいね。あはは、何かあんな綺麗すぎる人って、絶望を植え付けたくなるよね?

 で、最後はかっこいい剣士のお姉さん。髪を短くしているけれど、内心は乙女なのか、男の言葉に顔を赤くしてたりするの。赤髪のかっこいいお姉さんだよ! 思いっきりもてあそんであげたくなるね。

 うん、うん、覚えるよ。

 四人ともきっちり記憶してあげる。

 いつか、殺す。絶対に殺す。絶望においやって殺してあげる。私の可愛い眷属達を殺した報いを教えてあげる。

 そんな殺意を胸に私は彼らを見ていた。

 彼らは順調に私のダンジョンを攻略していった。

 当たり前と言えば当たり前だ。

 私はモンスター達がこれ以上死なないように下がらせていた。

 これ以上、死なせたくはなかったから。

 何も問題ない。

 だって、私のダンジョンの核の場所が、地下だと彼らは気付いていないから。

 どこにあるんだって必死に探している。

 木を倒して、草をかき分け――それでもなくて焦ってる。

 でも結果として彼らは私のダンジョンはそこまで強くもなく、まだなんとかなるレベルだからまた探しにこようと去っていくのだった。



 あー…一人ぐらい今、殺したいけれどレベル差があるからなぁ。どうしようかな。

 だって自分は絶対に死なないと思っている顔は恐怖心に歪めたくなるものだよねー?




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