まだダンジョンは認識させません。
ポルノ君を誑かしてから一年がたちましたよー。
え、早い? 仕方ないじゃんかー。あれから一年間で私がやってる事なんてちまちまモンスターを作成して、繁殖させて、ダンジョンの土地を広げてただけだもん。
ふふふ、そろそろダンジョン認識させてもいいかもーって気はあるけどまだ認識はさせないよ! まだ魔力回復薬強奪も出きてないんだよねー。はじめてのさつじんや初めてのデートとか色々やってて忙しかったんだもん。
もー、さっさと魔力回復薬強奪したいよー!!
レベルはね、一年間で上がったよー。あのねー、ダンジョン出現させてないこともあってレベル上がりにくいんだ。ダンジョン出現させて、冒険者バンバン殺しちゃえばいいんだろうけどー。まだそこまで準備出来てないし。
可愛いモンスター達が死んじゃうのは絶対に嫌だし。そういうわけで、はやくダンジョン認識させたい気はあるの。それでもさー、もっと一気にレベル上げなきゃ駄目なんだよね。だって、現状一番強いモンスターがウルフ(子)なんだよー。ただの狼的な? それにまだ子供だし。
本当この世界に私を連れてきた神様って良い性格しているよねーって思ってならないよ! てか、確実に仲良くなれそうだなーとか思ってたりするんだー。
モンスターをどんどん増やしたり、虐殺トラップ☆的なものを考えたり、ダンジョンを広げたりで大分忙しかったのー。同じ事の繰り返しでちょっと別のことしたくもなってるのー。
あー、もう、何か楽しいことがしたいかも。
私に悩みは沢山なんだよー。どうしたらもっと楽しくなるかなぁーって。
外に出るのは少なくともしばらくはやめとくべきだしぃー。でもいつかあの殺人鬼のおじさんをこの手で殺したい気もするからそれまでにはおじさんより強くやらなきゃねー。
あ、そうそう《ポイズンハニー》達に色々情報収集も頼んでるの。以外に一匹が飛んでても誰も気づかないものだよねー。まぁ、人に害さなきゃ《ポイズンハニー》ってただの虫だしねぇ…。
で、あのおじさんとかポルノのことも観察中なのー。
あのおじさん、一年たった今は他の街にいるみたいだよ? 何だか仕事上の転属でらしいよー。凄いよねー。あれだけ殺しといて、信頼を得たままで、一切バレてないんだよー。
凄まじい完全☆犯罪! なんか惚れぼれするよねー。ああいう鮮やかな完全犯罪とか憧れちゃう! いつかやりたいなー。
転属した先ではしばらく大人しくしてるっぽいよー? 少なくとも連続殺人犯にはなってないよー。時々モンスターの仕業に見せかけて殺人してるみただけどさー。派手にはやってないんだって。
人の良さそうな顔して本当凄いよねー。私も見習わなきゃねー。
よーし、おじさんの寿命が来る前に絶対殺しにいくんだから! これ決定! やられっぱなしなんて私のガラじゃないしね。
ふふふふ、絶対殺してやるもん。
ああいうおじさんが殺される立場になった時、どんな反応をするんだろうってわくわくもしてるのー。
それに有言実行したいもの。
私はおじさんにいつか殺しに行くっていったもの。だから、殺すの。絶対に殺すの。残酷な殺し方を、一方的に出来れば一番いいんだけどそれきっと難しいよねー。
「むー、もっと圧倒的に強くなりたいよー」
マスター室にあるソファに寝転がって、私は駄々をこねる子供のような子供を放つ。
もっと、もっと好き勝手出来る力が欲しい。そしたらもっと楽しいことが出来るもの。でも、今は我慢するの。だって魔人は死なない限り無限にも近い人生があるもの。なら、焦らずに死なないようにするのが一番いいんだもんねー。
あ、そうそう一年前に私がトラウマを植え付けた純情少年ポルノはねー、面白いことになってたよー。
私はポルノ君の現状を知って爆笑しちゃったよー。
だって面白いんだよー。だってもー、私のことどんだけ好きなのって気分になった私なのです!
半年間ぐらいはー、私が目の前で攫われた事実に落ち込んでたみたいだよ? 情けないよね! どんな時でも動じない人のが、私好きだよー。うん、だからポルノってぶっちゃけ人間性も欠片も私の好みじゃないんだよー。
あはっ、自分に好意を向ける男の子で弄んで、トラウマ植え付けた私ってば超悪い子かも。罪悪感なんて欠片もないけどねー、客観的に見たら私って最悪ー。でも罵られても、軽蔑されてもどうでもいいもーん。私は私が楽しければ全てよし! なんだもんねー。
あの村の人達ってお人よしばかりでさー、ポルノに凄い同情してたっぽいよ。でねー、皆私が攫われたことに悲しんでたのー。あははは、本当私のこと欠片も疑ってない様子に笑っちゃうよね。
それでさー、半年たったポルノはある決意をしたのです!
それは―――、「モンスターを滅ぼす」っていう復讐の道なのでーす。好きだった優しい少女がモンスターに攫われたことにより復讐の道に走る少年――――これだけ聞くと何かの物語の主人公かなんかみたいだよねー。
実際は純粋無垢なふりした魔人の少女(私)が純情少年の好意を知っていながら思わせぶりな態度をして初デートした挙句、自分の眷属のモンスターに自身を攫わせ少年にトラウマを植え付けてみようとたくらんだなんだけどねー。
真実知ったらポルノも、村人たちも倒れちゃうかもねー? しかし以外にポルノって才能あったみたいだよー。メキメキと実力上げてるんだってー。いやー、復讐の力って凄いねー。ふふ、それだけポルノが私を好きだったって事かなー。
人ってちょっとした出来事でこんな変わるんだねー。今では純情少年ポルノが復讐に燃える冷たい少年になっちゃったのー。
うん、面白いよねー。
わざわざ初デートしてまでトラウマ植え付けた甲斐があったよー。だってもう、本当ポルノって面白い。これからもちょくちょくこうやって人で遊ぼうかなー。
とりあえずポルノはこれからも面白いことになりそうだから観察しとこう。
まぁ、とりあえずおじさんとポルノのことはひとまず置いとくとして―――、本当今出来る新しい事を何かしてみたいなーと私は寝転がりながらも考えるのだった。
相変わらず性格の悪いアイは色々考えます。今回はポルノのその後に触れてたりするだけ。次回から新しい事します。




