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初デートだよ!

 今日はポルノ君との初デート!

 あはっ、天然なふりして村人達にデートのことを告げて、思いっきりおしゃれさせてもらっちゃった。

 まぁ、田舎だからそんな都会風の服なんてあんまないけどね。

 でもまぁ、私は田舎大好きだよ! 大自然っていいよねー。地球では東京生まれの東京育ちだったからなー。しかも両親とかびっくりするぐらい田舎が嫌いみたいでさ。お姉ちゃんとお兄ちゃんもそんな両親に似てて、根っからの都会っ子だったし。だからあまり自然に触れた事は少なかったんだよね。

 私が大自然のある場所でいつか暮らしたいっていったら、速攻反対されたからねー。

 殺したらどんな反応するんだろうとか、もし事故でも起こしてみたらどんな思いするんだろうとか、バンジージャンプってやったら楽しいかなーとか、遭難してみたいなーとか色々危ないことは昔から考えてたんだー。はじめての経験してみたいなぁって。

 でもおかしな子と思われるのもちょっと困るじゃん? 犯罪者になったら色々不自由だしさー。私は自由が好きだもん。

 だから、私は常に良い子ちゃんだったわけ。だって地球では殺しは犯罪だったし、やったら普通に生活出来なかったしねー。

 家族のことは嫌いじゃなかった。寧ろ好きだったよ。なんだかんだで愛情注いでくれてたからねー。でも、良い子のふりした家族ごっこにも飽きてたの。

 私を信頼しきった家族のこと、殺したら、傷つけたらどんな反応してくれるんだろうって心の中で何処か思ってた。

 家族は好きだった。でもこの生活を壊したいって、つまらないって思ってたのも確かだったんだよー。家族間で殺人が起きたらさー、この生活は完璧に壊れるからね、壊してみたいってはずっと思ってた。

 いやー。昔さ、小学生ぐらいの頃にふと本音を仲良かった友人に漏らしてしまって一回面倒な事になったんだよねぇ。

 こんな物騒な考えしている私のこと『おかしい』って言ってさ。その子が先生に相談しちゃって、何か悩みがあるのかとか聞かれてもうウザかった。

 あの頃の私は馬鹿だったんだなーって思うよ? 自分の考えが他の人とどの位違うかなんてあんま深く考えてなかったからさー。結局子供の戯言として受け取ってもらうために私ってば頑張って良い子のふりしたんだー。

 でもさー、『おかしい』って自分本位の言葉だよねって思うよ。普通何て結局人が決めた定義じゃん。

 周りにとっておかしくてもさー、これが私にとっての普通なのにさー。おかしいって私を否定してくるわけじゃん? 正直さー、つまらなかったんだよねー。

 地球って私らしくは決して生きられない世界だったしー。そんな私らしく生きたら犯罪者とかに落ちちゃいそうだったし。

 だから尚更ファンタジー世界とか憧れたんだー。

 だってねぇ、小説とか漫画の世界では命が軽いでしょ。

 人を一杯殺してる悪い奴だって一杯いるんだよ。

 人間だったらファンタジー世界でも好き勝手しにくかったかもしれない。でも私は魔人として此処にいるんだよー。

 人の作った法律なんて関係ない。

 魔人らしく、私らしく生きても誰も文句を言わない。

 つまらない日常とおさばらして、こんな世界で生きていけることが私は心底楽しくて、嬉しくてたまらない。

 楽しい事を沢山したいんだ。

 面白い事を経験したいんだ。



 だからね、ポルノ。

 貴方は私の楽しみのために、犠牲になって?



 私を好きなら、私を面白がらせてもらうわ。

 あはっ、私を好きになったのが運が悪かったーって事だしねー。












 「ア、アイ。似合ってるね」

 「ふふ、ありがとう」

 おしゃれをした私を見て、ポルノってば何処の純情少年かって思うぐらい顔真っ赤にしちゃってんの。

 あはっ、女なれしてないから私みたいな悪い女に引っかかるのかなー。なんて思って楽しかった。

 私の楽しみのためにその純情は犠牲になるんだよ! あー、考えただけでかなりわくわくするよねー。

 今ね、お祭りがある街まで来ているんだけど、色々な種族が騒いでいて、何だか不思議な感覚なんだよ。でもまぁ、地球での祭りよりは断然楽しいよね。

 何より『人間』だけじゃないのが、新鮮味があってよいよね。私異世界の祭り気にいったかもー。これからもちょくちょく来ようかなって思うぐらい何だか見てて楽しいよ。

 楽しい祭りの中で、モンスターを放つのも楽しそう。いつかやろうかなー。

 あとね、魔法で祭りを盛り上げている人達も居るんだよー。地球で言う花火みたいな感じのを魔法でやってたりするんだー。花火より私はこっちが好きだなー。

 屋台みたいなのも沢山あるんだよ。

 あはっ、初デートが異世界でとか、本当地球で初デート経験していなくて良かったよね、って本当に思うよ。だって初デートと何度かやった事あるデートだとなんか希少感が違うって言うかー、何て言えばいいんだろーね? ま、とりあえずレア度が高いって事だよー。

 「アイ、何が欲しい?」

 どうやらポルノは私に奢ってくれる気満々のようだよー。まぁ、海から流れ着いて来たから私あの村で無一文って事になってるし。本当は《ボックス》の中にお金入ってるけど。

 折角ちまちまためたお金はなるべく使いたくないからねー。

 ふふ、ポルノから見れば私は悲壮感漂う可哀相な美少女みたいなんだよ! 何それ、って感じだよねー。まぁ、面白いから全然オッケーだけど! あまりにも安心しきった様子のポルノを見ていて、正直笑いたくなるけどそれは我慢するんだよー。

 「林檎飴が食べたいかなぁ」

 割とこの世界の食べ物って地球と変わらないんだー。まぁ、モンスターを材料に作った食事もあるけどさー。モンスターって危険生物だけど対峙出来たらレア度が高い食糧なんだよー。まぁ、ダンジョンからしかモンスターは出てこないからね!

 一回食べてみたい気もしなくもないよねー。でも折角作った子達を食事にしちゃうのはちょっとなんか嫌だからー、いつか人のダンジョンにモンスター狩りに行ってみたいかも。そしたらレア度の高い料理を沢山食べられるわけじゃん?

 ポルノが買ってきた林檎飴は美味しかったよー。それにしても屋台のおっちゃんが私達のこと『恋人か?』なんてからかってきたよ。私がにっこりと無邪気な笑みで、『お友達ですよー』っていったらポルノが本当面白いくらいへこんでたの。

 何だかあれだね。人の不幸は蜜の味って、今の私の心情にぴったりな気がするよ。

 楽しければそれでよし。自分が面白いのが第一で、ぶっちゃけた話、人がどうなろうと知った事じゃないんだー。

 世界は私を中心に回ってる!

 そんな世界になればいいなーって思うよ? でも予想外のことも起こってほしいから思い通りになりすぎてもつまらないけどね。

 「アイ、美味しい?」

 林檎飴を舐めながら、考え事で頬が緩んでいればポルノにそういわれた。

 美味しいよー。でも笑ってるのは美味しいからじゃないよ! でもいいごまかしだと思うから、否定しないけどねー。

 「うん」

 はにかんだ笑みを浮かべて頷けば、ポルノは顔を赤らめたの。

 あは、おもしろーい。

 純情少年、ポルノをからかうだけでデートが終わっても楽しそうなんだけどー、実は私ってば凄い楽しいデート計画練ってるのー。

 数時間は、ポルノをからかいながら、儚げな美少女演技を頑張ったの。

 でもね、飽きちゃったから『初デート計画☆実行』的なノリで、開始しようと思うんだー。

 「ねぇ、ポルノ。私もっと星空をよくみたいなぁ」

 私は早速、何気ない感じで、上目遣いでポルノにそう言った。

 人気のない場所への誘導手段なの! ポルノは私を疑うって言葉知らないんだろうねー。全然疑問も持たない感じで誘導されてるの。本当騙されやすいポルノって虐殺したくなるよー。




 さて、私をポルノはどれだけ楽しませてくれるかな、何て感じでわくわくしながらも計画を開始する私であった。

 あー、楽しみ!




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