第二章、思い出5
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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大変な人が、過去からやって来てしまった現代に、
良子は目くじら立てて、昔働いていた会社に出向いた。
社内の扉を勢いよく開けたら、そこでうたた寝をしていた、
会社で一人だけの、留守番係の女の子が、「おぉ~!」っと言って、
飛び起きたのであった。
早速この三人は、地下室に行き物置を開けた。
時、すでに遅し..。
春菜、「残念..」と、呟いた。
鼻息が荒くなる良子は、「何が残念よぉ#!、行かせないからね#!、
過去なんかにはもう#!」。
春菜、「こう言う時、以心伝心出来るのは損ね!」。
直子、「どうなってるのよ#!も~..」。
良子、「こっちが聞きたいわよ#!」。
春菜、「ここで喧嘩していても、しょうがないよ!」。
良子は、直子を指差して、「これどうするの?」。
春菜、「この現代に、放り出す訳にも行かないでしょ!」。
良子、「じゃあ、どうする?」。
春菜、「取りあえず御殿の、何処かに仕舞って置こうよ!」。
良子、「御殿て何処の事言ってるのよ#?」。
春菜、「柿本城..」。
取りあえず..、
会社に連れて行く事になった。
地下室の階段をポツポツ上る三人、社内を抜けると先ほどの若い女性が、
何も言わずに、不思議そうにこちらを伺っていた。
すると春菜は、デスクに置いてあった、
ラジオを持って、「このラジオ、叩くとスイッチが入るよ!」と、
ラジオを叩いて見せた。
勢いよく鳴り響くラジオに、その若い女性は、「あ..有難うございます」と、お礼を言った。
そして良子が、「ねぇあなた、地下室で物音がしたら、
人生を切り開けるチャンスよ!」と、言って立ち去った。
留守番の若い女性は、ただ首を傾げるだけであった。
柿本クリエイトに連れて行くと、皆さん呆然としていた。
洋子、「なんだい、今度来たのは、春菜みたいな素直な子では無い様だね..」。
圭子、「逆に最悪なのが、扉からやって来た様だけど..」。
呆れて、ため息を付く旧昭和44年組みだった。
たまたまここに居た春実が、「こ..これが昭和44年の、
生お騒がせギャルかいな!、頭グリグリパーマで、ピンクのカーデガンとは、
レトロ屋の軒先に立たせて置きたいのぉ、ワハハハハハ!」。
すると突然、里美がこのフロアーにやって来た。
里美は直子を見た瞬間、「ウヲォ~!!」と、
叫んで、「今となっては、天然記念物だねこりゃ~!」。
良子、「誰が里美に連絡したのよ?」。
春菜、「私..。
だって会社の総監督に、真っ先に一方入れないと、
後から知れると、大変だもん!」。
里美、「なんだい!春菜、こんなタイムスリップ友達連れて来て、
もうちょっと、マシなタイムトラベラー居なかったのかい?」。
春菜、「私の友達では有りません#!」。
春実、「春菜、冗談真に受けては、駄目であるぞ!」。
直子、「誰?このデブ」と言って、ふて腐れた。
それを聞いた里美が、「春実#!、何処かの寂しい高齢の大富豪に、即刻売れ#!」。
春実、「幾らで?」。
里美、「300万」。
直子は急に激怒して、「私の値打ちが300万だって#!、冗談じゃないわよ#!、
三億は見積もって貰わないとね#」。
更にふて腐れて、そっぽを向いた。
春実、「ぬぉおお!、どれだけ自信がお有りで~?」。
春菜、「人身売買は止めて!、犯罪でしょ#!」と、激怒した。
圭子、「春菜、冗談だから、まともに受け止めては駄目よ!、
第一こんなの本当に売ったら、即クレームよ!」。
直子は急に、「かえりた~い!」と、叫んだ。
圭子、「所であんた、どう言う経緯で、あの地下の物置の扉を開けて、ここに来たのよ?」。
直子、「地下室で、部長とチューしてたのよぉ、
そうしたら、誰か地下室に下りて来たから、急いで私は物置に隠れたら、
隠れたつもりが、同じ倉庫が扉の向こうに、もう一つ在って、
階段上って社内に入ったら、見たことも無い若い女の子が、
机の上でうつ伏せで昼寝していたのよ。
そっと会社の外に出たら、まるでこの世の中が廃墟と化した様に、
店はテナント募集だらけで、町の様子がおかしくて、しゃがんでいたら、
このおばさんと、若い子が一緒に歩いていいたので、
助けを求めてこの子の手を掴んだのよ!」。
春実、「部長とブッチュ~かいな..、しゃれにもならんね..」。
里美、「あんた、田口君どうしたのよ?、一緒に失踪した訳ではない様ね」。
直子、「知らないわよ#、あんな男の事なんて、
私に10万借りて、午後から居なくなったわよ#」。
皆さん驚き、良子が、「は?、あんたが失踪した日..いや、
あんたがここに来た日に、田口君は会社から居なくなっていた訳?」。
(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60924208.html)
直子、「そうでしょ!きっと、営業では無かったから、
社内に午後から居ないと言う事は、逃げた訳よ!」。
確かに当時、直子と田口がその日に誰に聞いても、
会社での存在確認がされて無かったので、間違いは無かった。
すると同時に、春実と洋子がスカートのポケットから携帯を取り出し、
洋子は自分の、春実は良子のノートパソコンを畳んで、
脇に抱えて、フロアーの入り口に向かった。
春実、「わらわは、結婚前の両親に、一言物申さんと、気が治まらんぜよ#!。
何時も喧嘩ばかりの両親に、拳骨の一つでもくれないと、腹の虫が治まらんぜよ#!。
春菜ぁ、両親に文句言った後は、これ売って二人で、ハワイでのんびり暮らすぞな!」。
洋子、「わたしゃ~もう一度、事業やり直すよ#!、今度は失敗しないさ!」。
そう言って二人は、ドアの扉を開けて出て行こうとしたが、
二人同時に出ようとしたので、互いの体とドアの枠に引っかかり、塞がってしまった。
どちらか一方が、後ろに下がれば通れるが、
お互い我先に出たいが為に、譲らなかった。
春実、「ちょっと洋子おばさん、下がるでござる#!」。
洋子、「あんたは若いから、まだ先が有るが、わたしゃもう先が無いんだよ#!」。
春実、「おばさんそれだけ、ず太い神経しているのなら、当面ボケもしないし、
病気にもならんぞえ#!」。
すると良子は呆れて、腰に手を当てて、「扉が開いていたなら、
この女とっくに過去に、追いやってるわよ#!」。
春菜は呟く様に、「そして私も、すでにここに居ないよ..」。
圭子は冷静に、「良子が春菜を過去に、再度行かせる訳無いでしょ!。
良子が付いて行く訳は無いだろうし、
あの貧乏暮らしはもう、したくないだろうしね!」。
聞く耳を持たない、春実と洋子はお互い、服を引っ張り合ったので、
同時に、「ギャ~」と、声を上げて仰向けで、倒れこんだのであった。
その時、直子が、「帰りたい」と、呟いたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。