第十三章、発覚3
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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今晩直子は、昔の文房具問屋のOBが集まる、スナックで呑んでいた。
スナックの営業は終えていたが、まだ中で仲間達と騒いでいた。
中ではカラオケで、昔の映画スターが歌った歌をOBが歌い、
その横では直子がゴーゴーを踊っていた。
すっかり遅くなってしまった直子は、一人でふらふら店を出て歩いていた。
直子は酔っ払いながら、道路に通るタクシーを、呼び止め様としていたが、
止まるタクシーは無かった。
仕方なく歩いていると、誰かが目の前に立った。
直子は徐に、「あんた誰ぇ~?」と、答えると急に羽交締めにされ、
ズボンのポケットから、飴玉を取り出した。
それは男で、黄色い野球帽を反対に被っていた。
その飴を無理やり直子の口に、押し込もうとした時、急にフラッシュが光った。
フラッシュを炊いた人物は春菜で、その男は直子を置き去りにして、
逃げ様とした時、男達に囲まれた。
それは文房具問屋のOB達であった。
杉浦、「やっと見つけたぞ!」。
大野、「やはりお前か!」。
春菜、「その飴の中に、睡眠薬が入っているのね!」。
男は焦りながら、逃げる隙間を探していた。
そしてOBが取り押さえようとした時だった。
ピンクの携帯が、男のズボンのポケットから落ちた。
それを見た春菜は、「これ、これよ!、私の昔使っていた携帯!」。
男は更にポケットから、スタンガンを取り出した。
それを見たOBは、男を放した。
そして逃げ去って行った。
大野、「さてと後は奴らに任せるか」と、春菜とOB達は、この場から立ち去った。
犯人は必死で、バイクであの文房具問屋に向かった。
問屋に到着すると裏口に回り、裏口の鍵を開けた。
そして社内に入り地下倉庫に向かった。
真っ暗な地下倉庫の階段に、電気のスイッチを入れて灯りを点けて、
階段を下りて行った。
そして地下倉庫の灯りを点けた。
すると良子と圭子と洋子、そして大輔、杉浦父と小幡が立っていた。
良子は携帯を手にして、電話を掛けた、「来たわよ!」。
すると階段から、OB達が下りて来た。
杉浦、「さて事情を聞かせて貰おうか!」。
小幡、「午前2時30分に、43年前の過去と未来が繋がるんだな!」。
現在時刻は2時2分だった。
部長、「平沢 栄治社長のお孫さんで、平沢 翔太だな!、
ワシの顔を見た事が有るはずじゃ!」。
翔太は必死で、タイムドアーを開けようとしていたが、開かなかった。
自分のポケットから鍵を出すと、その鍵で扉の鍵を開けていた。
だが鍵が外れなかった。
すでに事前に予測して、現在のここの会社の社長が、鍵を変えていたのだった。
現在の、ここの問屋の社長が階段を下りて来て、「噂は本当だったのか!」。
後から春菜とOBが階段を下りて来た。
現在の社長、「春菜ちゃん!、君は本当に過去に降り立ったんだね!」。
春菜、「そうです!。私がこの会社に勤めて一週間後、
社員が会社から出払った後、ここに来てこの扉を開けて、
過去に降り立ちました!」。
小幡、「斉藤、これで本当にこの扉が、過去に繋がった事が証明出来たぞ!」。
斉藤社長、「こいつがそれを行った、張本人なんだな!」。
翔太は鍵を投げ捨て、「クソォ!」と言って、今度はポケットから、ナイフを取り出した。
部長は杖を突きながら、そっと翔太の前に立った。
部長、「君は優れた物を開発した。
どうやって開発したかは知らんが、我々は大方の見当は付いている」。
翔太、「俺は国の特殊開発部門の最先端に居た。
政府も知らない、極秘プロジェクトのチームの一員だった。
超伝導の開発途中で、半導体の素材の研究にも着目した。
そこまでは何処の、電気会社でも研究は進んでいた。
我々は放射能を半導体に浴びせ様と考えた。
マイナス温度で超伝導が発生する中、半導体に高濃度の放射能を浴びせた。
すると電子の千兆分の一の核が出来た。
それを我々は、電微と呼んだ。
更にそれを超伝導が起きている最中、電微を高速で運動させると、空間が現れた」。
彰浩、「それがタイムドアーの基本」。
翔太、「厚い特殊金属の素材の中に、高濃度放射能発生装置を入れて、
電微を産ませさせると、強烈な電微の運動が始まる。
昭和44年の11月15日の過去の、研究所に繋がった。
過去の研究員達は、その空間から驚いて事情を聞いて来たが、
教えてしまうと、俺達の研究が水の泡になるので、
過去の研究員に、西暦と時刻を聞いて、実験を終了させ空間を閉じた。
それをこの扉の枠に、埋め込んだのさ!」。
翔太は電気コンセントのボックスの、カバーの鍵を外して開いて見せた。
翔太、「そしてこの一見すると普段は閉じてある、鍵着きカバーの電気のコンセントを開くと、
スイッチが有るが、このスイッチを入れると、現在と昭和44年に繋がる仕組みだ」。
皆さん同時に、「気が付かなかったぁ~」と、悔やんでいた。
翔太、「気が付いたとしても、ここは開けられないよ!。
このカバーは 一見、なんでも無い鉄のカバーに見えるけど、
原爆や水爆でふっ飛ばしても、びくともしない!。
更にこのキーは特殊なキーで、ピッキングなんかでは開かないのさ!」。
杉浦、「肝心のメインの扉のキーを、細工しなかったのが、不覚だったな!」。
皆さん全員、頷いた。
杉浦、「何故研究所だけに、して置かなかった?」。
翔太、「じーちゃんさ!」。
皆さん同時に、「やはり!」と、答えた。
翔太、「じーちゃんは昔、この会社の売り上げの金を使って、
株を儲けて個人資産にしていた。
じーちゃんは死ぬ前に俺に言った、『もし過去に戻る事が出来るなら、
ワシはもう一度、あの会社からやり直せる』と」。
部長、「平沢社長は会社の金を横領して、株での利益を得たが大損もした」。
春菜、「だから銀行から金を借りて、社員の給料に宛がったのね」。
翔太、「俺はその機器の、基本的な使い方に気づいた。
昔からじーちゃんのこの地下倉庫の、プライベートルームの話を聞いていた。
じーちゃんがこの会社から消えてからは、現代まで物置としか使っていないと。
だから俺は、昭和44年に降り立ち、
じーちゃんの残した財産を元に、過去で安く現在の優良債権を得ようと企んだ。
そうしたら、春菜が過去に降り立ち、更にこのいかれた直子が、
未来に降り立ってしまった。
殺せばどんな形であれ、直子と春菜の行方を調べられる。
すると俺の素性もばれるから、仕方なく密かにこの二人を、
元居た時代に帰すしか、手立てがなかったんだ」。
洋子、「質屋の親父さんは殺したのね!」。
翔太、「いや..、脅かして携帯を奪い、即刻この町から姿を消す様に命じた」。
春菜、「どう言う事?」。
翔太、「春菜の後を追って、春菜が質屋に入るのを見て、
質屋のショーウィンドから店内を伺っていたら、
春菜がスカートのポケットから、携帯を取り出すのを見て焦った俺は、
質屋から春菜が出来たのを見計らって、若かりし頃の仲がいいあんた達三人と、
春菜が質屋から放れた隙に、俺は店内に入り、あの質屋のオヤジに、
宇宙人のフリをして、『お前は秘密を知ってしまった、殺すしかない』と言って、
俺の携帯を見せたらビビって、『金は遣るから許してくれ!、携帯は返す』と、言ったので、
俺が携帯を奪って立ち去ったのさ!」。
圭子、「叔父さん大損ね!」。
洋子、「ざま~見ろ!、あの欲張りジジーが!」。
彰浩、「洋子さん、人の事言えないよ!」。
翔太、「俺は夜になると常に、今ここに来た様に、夜中に会社の裏口から進入した。
工事道具を使って、事前にこの扉の枠の寸法を計り、付いていたドアの枠を外し、
同じ色にして特殊金属で出来た、電微発生装置を仕込んだ枠に変えたのさ!。
その工事は長期の、正月休みを選んで工事に当たった。
この窓枠も電気コンセントも、過去に降り立った冬休みにも設置した。
皮肉な事に過去で、設置出来るチャンスが来てしまったんだ。
それも春菜のせいでな#!。
過去の昼間に、このスイッチを入れれば、
現代で繋げた時間の、午後2:30に戻れ、
夜中の過去の2:30分に、このスイッチを入れれば、
現代で繋げた時間の、夜中の2:30に、帰って来れる仕組みだ。
俺の独自の研究で、それが実現したんだ」。
部長、「率直に聞こう!、君が誤った時間は変える事は出来なかったな!」。
翔太、「何故解る?」。
部長、「このバカタレが#!お前がここで、追い込まれていると言う事は、
とっくの昔に春菜や直子に、タイムドアーに入られた時点で、
何度も過去と現代を、行き来しているならば、
その前の時点で、入られない様に、何らかの処置を施すであろう!。
入られる時間を把握しているならば、
過去に降り立ち、事前に何らかの処置をするで有ろうが、
それを行っても、現在の出来事は変わらなかった。
変わっていれば、ここに居る全員が、春菜の事も知らないし、
直子もここには居ないじゃろ!」。
翔太、「そうなんだ..、どんなに時間を過去でいじっても、ここに帰って来ると、
春菜は良子とべったりで、優雅な時を過ごしてる。
直子もここに存在している。
タイムドアーはスイッチを入れて、即オフにしても三分間だけは、
現代と過去に繋がっている。
初めてタイムドアーのスイッチを入れて、過去に降り立ち物置の扉を小さく開けて、
そっと覗くと、大勢の人達が倉庫で働いていた。
その時は実験段階で、過去にも同じ装置を設置しようと、
装置をまとめて持って、俺は即扉を閉めて鍵を閉めずに、
44年に繋げたままで、近くに置いて有った、長細い棚で扉を隠した。
そして一旦ここから、立ち去ろうとした時、
ここで会社番をしていた、女の子が階段から、下りて来た事に気づいた。
咄嗟にしゃがんで、ダンボールの影に隠れて見ていたら、
その女の子は、俺が扉の前に置いた長細い棚を退かして、
扉を開けて中に入って行ったのさ。
俺は慌てて装置と道具を持って、
後を追ってそっと、扉を少し開けて周りを見たが、
この扉を開けて入って行った、女の子の姿はすでに無かった。
俺はしゃがんで、ばれない様に、過去の倉庫に侵入して、
ダンボールの影に隠れて、
社員達がここから全員、立ち去るのを見計らって、
階段を上がり裏口から外に出たら、
その女の子は、三人の仲間と仲良く歩いていたのさ」。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




