第二章、思い出
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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次の日、会社も終わり三人老婆、もとい..、三人集と春菜は、帰りの身支度を整え、
各々自分の車で帰ったが、春菜は良子の車で、柿本家へと向かった。
途中大型スーパーに立ち寄り、晩のおかずを買い込んだ。
すると春菜は、衣料品コーナーの、男性下着の所で足を止めた。
良子は急に怯えて、「あ..あんた!、賢が夜な夜な、春菜の枕元に立つの?」。
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春菜、「はぁ~?」と、首を傾げた。
良子は怯えながら、「だって昔から、春菜が男性下着を見る時には、
不吉な事が起きる様な、気がしてならないのよ」。
春菜、「私の今のお父さんの靴下、どれも穴が開いているので、
お母さんもあまり気にしないから、買って上げないといけないと、思っただけよ」。
良子は胸を撫で下ろして、「良かった、賢があの世から、降り立った訳では無いのね!」。
春菜、「幽霊に下着は、要らないでしょ!」。
良子、「へ!、枕元に立つ時が有るの?」。
春菜、「残念だろうけど、一度も無い!」。
良子、「あ..そ!」。
そして柿本家に、帰って来た二人だった。
豪華で広い台所に、豪華なキッチンで、
オーブンもアメリカ住宅並みの、大型の物が設置されていた。
今日はイタリアンの様で、良子はピザの生地を伸ばしていた。
春菜はパスタを茹でながら、トマトを切っていた。
すると良子が、生地を伸ばしながら、
「春菜、ワイン好きなの持って来て!」と、言われると、
春菜は、「は~い」と、答えながら、
台所を出ると廊下の地下室に通じる階段を下りて、
地下室の扉を開けて、電気を点けた。
ワインが並んでる棚から赤を出して、戻っていった。
台所に戻ると、良子の前にワインを置いた。
良子、「1970年のフランス産ね!、センスいいわね」と、答えて作業に戻った。
春菜も調理の作業に戻り、「若いけど、コクが有るのよね..」。
春菜はワインにうるさかった。
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時間を掛けてゆっくり作った夕食は、テーブルに並べて、
先ほどのワインを コルク抜きで抜いたら、
グラスに注いで、「頂きます」と、手を合わせて食に付いた。
二人同時にワインを飲むと、「あ~、美味しい」と、同時に答えた。
ピザにミネストローネ、鶏肉のオレガノハーブをまぶしたパン粉焼きに、
トマトのブルスケッタ、トマトと薄切り玉ねぎ生ハムマリネ、スパゲッティペスカトーレ。
二人で食べながら、楽しい会話が弾んだ。
良子、「昔、春菜が幼い頃、久美子さんに連れられて、
おもちゃコーナーで、ダダこねていたの思い出したわよ。
『買ってくれないなら、一人で家に帰るもん#』って」。
春菜、「あ~#!、良子さん放置プレイさせてたんだ!」。
良子、「何が放置プレイよ!、偶然私が側に居て、
春菜の前でしゃがんで、『お母さんの言う事聞かないと、
誘拐されて、何処か遠くに連れて行かれちゃうよ』って言ったら、
春菜べそ掻きながら、『いいもん寂しくないもん#』って」。
春菜、「覚えてない!、私が幾つの時の話なの?」。
良子、「そうね~?、確か3つか4つ位の時かな?」。
春菜、「まったく記憶に無い」。
良子、「それから何年かして、事情を彰浩と春実に伝えて、
そっと車で私達家族で、春菜の実家を見に行ったら、
庭で春菜がブランコに乗っていて、彰浩と春実が口を揃えて、
『何だか言い様が無いけど、他人とは思えない』って」。
春菜、「不思議ね、確かに私が過去にタイムスリップした時に、
初めて会った良子さんが、血縁の姉の様な気がしてたの。
姉なんて居なかったのに、何故かそんな気がして、
良子さんが怒りを感じた、賢パパの思いが私も感じて来て、
子供を下ろした事も無いのに、無性に心の底から怒りが込み上げて来て、
気持ちが収まらなくなったの」。
良子、「それに、私と春菜が以心伝心出来て、春実と春菜が以心伝心出来る。
賢と春菜が以心伝心で来ていて、私が実際に生んだ子供達とは、
両親共々以心伝心は出来ないの、それに彰浩と春実も出来ない」。
春菜、「神様がそう言う風に、仕向けたのかな?」。
良子、「そうよ!きっと」。
二人は笑った。
食事を終えた二人は、後片付けも済ませて、
昭和44年に居た頃と同じで、お風呂に入った。
だがそこには、大きな違いがあった。
(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60924184.html)
バスルームは20畳は有ろうか、観葉植物が置かれ、バスルームと言う寄りも、
温室と言った方が良いであろう。
浴槽も3人は由に泳げる位広く、お湯は24時間循環式の、レジオネラ菌を除去する風呂で、
バブルジェットが付いていて、防水リモコンを操作すれば、
照明や窓の開閉から、空調の操作まで出来た。
無論壁には、大型テレビも備え付けられていて、
ジャグジーや、サウナなどが完備されていて、トイレルームまで有った。
春菜は、こんな豪華な家にも関わらず、春実が両親と住みたく無い程、
良子が怒り出すと、収拾付かなくなるのかと思っていた。
良子は春菜の前だと、そう言う自分を極力抑えていたので、
春菜は本当に激怒した良子の姿を、知らなかったのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。