第十一章、復刻ステージ2
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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不思議な事に、この寮の連絡が各自回り、
ここに住んでいた、もう60代後半の女性達が、集まって来た。
各々で茶碗や箸などを買って来て、食堂の古臭い当時使用していた、
ガラス棚に置いて行った。
自分の当時置いて有る箇所に、かすれてはいたが、名前が刻まれていた。
すると食材を持って来た人々もいて、食堂の大きなテーブルに並べていた。
更に夫を呼んで来て、中古ではあったが冷蔵庫を置いていたり、
ガス代を設置したり、今は液晶ではあったが、小さなテレビも置かれた。
春菜は食堂に来て驚いた。
春菜、「すご~い!、当時のまんまだ!」。
香織、「春菜ぁ~叔母さんはここでねぇ!、未来人を恨めし気に、
黙って見ていたのよ!、今のうちのパパのハートを返して欲しくて..」。
皆んなは笑った。
明子、「香織さん息子さんのハートを、奪った事に対してはどうなの?」。
香織、「それは嬉しいわ!」。
節子、「都合が良いわね~」と、呆れたのであった。
里美、「それより、前世のおっかさんは、どうしたんだい?」。
春菜、「思いに更けてる..」。
皆さん同時に、「へ~..」と、気の無い返事だった。
明子、「毒気を抜きに掛かってるか!」。
春菜、「私にとっては三年前だけど、良子さんにとっては40年も前からだから、
この建物の創りに何だか、戸惑っているみたいで、いきなり大きな城から、
元居た家に戻された、シンデレラみたいなもので..」。
里美、「シンデレラなんて言う程可愛か無いよ!、
どちらかといえば、毒を飲ませた魔法使いの婆だよあれは!」。
明子、「飲まされた側の意見はどうなのよ?」。
春菜、「私?」。
皆んなは同時に頷いた。
春菜、「皆んな結局、高望みをしない方が楽かな?って思う」。
香織、「20歳代に言われたわね..」。
里美、「いずれにしても、私も含めて豊かが麻痺したのよ!、
お陰でこんなに太っちまったよ!」。
香織、「春菜が当時、言っていたでしょ!、ダイエットしてるから、
洋食はあまり食べないって!」。
明子、「洋子さんそれにやっかんで、『未来で美味しい物ばかり食べて、
飽きてしまって、この時代の質素な食事が好みだんて、言っているあんたが、
悔しいのよ#!悔しくてたまらないのよ#!』とか言ったくせに、
今は自分はしっかり糖尿病よ」。
里美、「あんまん食い過ぎなんだよ#!、
たまにはカレーまんにでも、すりゃ~いいのに#!」。
春菜、「そう言う問題?」。
皆んなは大笑いだった。
そして、春菜は一度柿本オフィスに戻り、事の事情を洋子と圭子に告げた。
呆れる二人は、洋子、「それで良子はなんて言っていたんだい#?」。
春菜、「具体的にまだ、納得はしていないの..」。
圭子、「彰浩は設計士一級だったね?」。
春菜、「東京で景気が良い時代に、建設会社に就職して、
バブルが弾けて、会社が危うくなってからは、
個人で公共事業の仕事に着手したのだけど、大分個人への仕事が減って来たみたいなの」。
洋子、「大分責任感じているんだろ!、お袋を春菜に任せっ切で..」。
春菜、「いずれ私を、お母さんは膝元に置くつもりだったから、
お兄ちゃんは、自由にやらせてたみたい」。
圭子、「まぁ~春菜が過去に旅行する前から、良子はやっきになっていたよ!、
この会社のどのポストに、春菜を着けるかで..」。
春菜、「私その時はまだ、設計士の免許も無かった頃だよ!」。
洋子、「過去でまじめな春菜を見ていれば、まじめに柿本の仕事をこなす事は、
目に見えていたからね!、春菜はその時すでに幹部候補生だったのさ!」。
春菜、「最初から言って置いてよ#!って感じ」。
洋子と圭子は笑った。
会社を終えて春菜は、与えられた車で先程の寮に戻った。
中庭は乗用車でごった返していたが、その隙間に車を止めて、
寮の中へと入って行った。
すると春実と中川夫婦も寮に訪れていた。
すでに食事が出来上がっていて、同窓会気分で話に華を咲かせていた、
文房具の問屋のOB達であった。
早速ここに居た皆んなから、熱い歓迎をされてしまった。
拍手喝さいの中二度目の、「お帰り~、春菜!」の、激が飛んだ。
久美子はテーブルの椅子を引いて、「春菜、素敵な皆が集まれる、
癒しの空間を創ったじゃない!、さ~ここに座って」と言われ、椅子に腰掛けると、
皆ポケットからクラッカーを出して、ポンポンと弾けさせた。
里美、「あたしゃこれから、原点に戻ってダイエットだよ!」。
テーブルの上には、沢山のお惣菜が並べられていた。
節子はエプロンを外して、「さ~!、皆んなで実食よ!」と言うと、あの当時の様に、
煮物類や漬物など、2~3品、大皿に盛って有った。
ご飯も味噌汁も、自分でよそう言わば、小さなバイキング形式で、
自分専用の茶碗や箸、湯のみが、ガラス棚にまとめて置かれていた。
ガラス棚の上には、お盆が重ねて置いて有り、皆そのお盆を取って、
棚から自分専用の箸と、茶碗、湯のみを出して、
ご飯と味噌汁をよそって、食卓に着いてた。
春菜も二つお盆を取り、一つを良子に渡して、
ガラス棚から良子の茶碗と箸を出して、良子に渡し、良子は軽く頭を下げて、
春菜に続き、味噌汁とご飯をよそった。
今はありふれた、街の飯屋の走りの様な光景だった。
良子と春菜は、あの時とは逆の光景であった。
(http://blogs.yahoo.co.jp/kome125/60924190.html)
おかずは、個人個人小皿に取る訳では無く、家族の様に、大皿から摘んで食べる形式だった。
春菜と良子は、食卓に着いて同時に、「いただきま~す!」と、言うと、
全員が一斉に、「いただきま~す!」と言って、笑って食べ始めた。
里美、「う~まい!」。
春実、「わらわも毎日食べるなら、この食生活が有り難いのぉ」。
俊夫、「何だか、スーパーで売っているジャガイモよりも、味が濃くないかい?」。
節子、「旦那が定年退職して、本格的に有機栽培を営んでいるの、
土壌から作り上げて、改良に改良を重ねて、作ったジャガイモなのよ!」。
すると、一人のOBの女性社員が、「春菜、過去の時代の夕飯でしょ!。
今の時代は、高カロリーでこうした質素な食事が、有り難く感じるでしょ!」。
春菜はおかず大皿から摘んで、頬張りながら、「やっと宇宙人の気持ちを、
理解してくれたみたいね」と、喜んでいた。
里美、「宇宙人から神様に昇格だよ春菜!」。
皆んなは笑った。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




