第十章、結託 5
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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早速柿本ハウスに三人は到着すると、
居間のソファーに座る彰浩夫婦だった。
春菜は台所に行き、お茶を入れて来た。
紗江、「春菜ちゃん気を使わなくて良いわよ!」。
彰浩、「自分の自宅に戻って来たのだから、後は俺達が遣るよ」。
紗江はお土産を冷蔵庫に入れようと、台所に向かった。
すると台所から、「なにこれ~、メロンがこんなに入ってる!」と、叫んだ。
彰浩、「お袋贅沢三昧だな..」。
春菜、「これでも私が止めてるの..」。
彰浩、「それで春実からのメールで見たけど、昭和のやんちゃギャルはどこ?」。
春菜、「今日は柿本クリエイトのオフィスに居るの」。
彰浩、「是非見てみたいね!」。
紗江が居間に戻って来て、「春実ちゃんの店で、
クネクネパンツ丸見えで、踊ってるとか聞いたけど..」。
春菜、「毎朝の行事なの..」。
紗江、「行事ね~..」。
春菜はスカートのポケットから、携帯を出して春実の所に電話を掛けていた。
彰浩、「しかしこんなバカでかい城に、春菜とお袋二人だけとはね」。
紗江、「相続税どれくらい掛かるのかしら?」。
彰浩、「春菜が要らないなら、物納だな」。
紗江、「確かに売っても足が出そうね、このご時世では..」。
春菜は電話を切り、「お姉ちゃんからも言われてるの、『春菜が要らないと言うなら、
兄貴と私はこの家うっ払う』って」。
彰浩、「春実に賛成!」と、右手を上げた。
紗江、「うっ払って、足が出ないの?」。
春菜、「縁の下に延棒隠して有る疑いが有るの..」。
彰浩、「それ脱税だから、国に没収されてしまうぞ!」。
紗江、「脱税違反と差し引きで、どれくらい残るの?」。
彰浩、「こちらに被害が来ない様にしないとな..」。
春菜、「私もこんな広い家、結婚しても二人で住むしては、
大き過ぎるから困るの..」。
紗江、「言う事が可愛いわね春菜」。
彰浩、「だからお袋が、堪らないんだ」。
紗江、「春菜を嫁に遣りたく無い訳ね..」。
彰浩はソファーにもたれながら、「さて春菜、携帯貸してくれ」。
春菜、「お兄さん、携帯忘れたの?」。
彰浩、「俺の携帯では、通じない相手がいてさ!」。
春菜、「さっきお姉ちゃんの仕事の先輩が、私の携帯で掛けたから、
同じ手には乗らないと思うけど」と、言いながら、彰浩に携帯を渡した。
彰浩は、「同じ手を食らうよ!、お袋はもう春菜しか、期待していないから」。
紗江、「それって、春菜が良子さんを心配して、結婚諦めさせる手に入ったって事?」。
彰浩、「頭来てしょうがなないよ#!、ダダっ子の遣り口#」。
そう言いながら、春菜の携帯から良子への発信履歴を出して、電話を掛けた。
彰浩、「..................」。
紗江、「やっぱり警戒してるのでは?」。
春菜は口に人差し指を置いて、「シー」。
彰浩、「ほ~、そんなに、はりゅなちゃんが居ないと、眠れまちぇんか?、
はりゅなちゃんが居ないと、死んじゃうのでちゅか!。
は?、そうだよ#!、俺だよ!、いい加減にしろ#!。
台所のガラス棚の中の皿、全部割るからな#!。
あ~あ、そうかい!」。
春菜、「又割るの..」と、頭を抱えた。
紗江、「なんだって?」。
彰浩、「割りたければ割れってさ!」。
紗江、「前歴有りなの?」。
春菜、「三千万円分も割ったの!」。
紗江、「へ~~!!」と、驚いてソファーから飛び上がった。
彰浩、「俺はあの時、心臓が完全にストップしたぞ#!。
丁度センター試験の受験勉強中で、部屋で勉強していたら、
びしょ濡れの女が、突然俺の部屋に、真っ裸で入って来てだな#!、
机の椅子から驚いて転げ落ちて、誰かと思えば春実で、
事情を聞いたら、『殺される!』って、言うもんだから、
部屋から出て1階の廊下に行ったら、
お袋が親父を追い掛け回して、俺の金属バット振り回していやがって!、
物欲の強いお袋を止める為には、
一枚500万もする皿を割るしか、方法が無かった」。
紗江、「それで、今良子さんは何処に居るの?」。
彰浩、「放って置けよ#!、今は無闇に探して見つけると、お袋の思う壺だ!。
春菜に同情を買って、一生春菜の主権を握るだけだ!」。
紗江、「今は物欲と春菜が望みなのね!」。
彰浩、「それしか無いんだ、今のお袋は..」。
そんな話をしていると、この家に里美と春実がやって来た。
春実、「春菜ご苦労さん」と言って、ソファーに座った。
里美もテーブルを挟んで、ソファーに座った。
紗江、「お久ぶりです」と、頭を下げた。
春実も、「お変わりなく元気そうで!」と、頭を下げた。
彰浩、「お袋沁っ垂れてるなぁ~」。
春実、「それはさて置き、兄貴仕事の方が、あまり芳しく無いってか?」。
彰浩、「これだけ公共工事絞られると、二次三次下請けは喘ぐよ」。
春実、「民間受注の工事も、激減かのぉ?」。
彰浩は後頭部に後ろ手を組んで、「有っても利益は激減だぜ!、発注の段階で叩かれて、
基すら足が出る有様だよ」。
春菜、「柿本も同じなの、施工料も大分叩かれてしまって、
『設計しただけ損だな』と、思う位の報酬しか出ないの」。
春実、「柿本クリエイトは、サブ会社の我々の店の売り上げで、
なんとか保っていて、婆達はオフィスで遊んでいるよ」。
里美、「そのおもりをしているのが、春菜だよ!」。
彰浩、「ったく#!、しょうがね~なぁ#。
お袋だけでは無く、あの婆三人集は春菜に、おんぶにだっこかよ#!」。
それで折り入って、頼みが有るのだけど」。
彰浩、「言いたい事は解ってるよ、それしか方法ないだろ!」。
春実、「無理言って済まん!」。
彰浩、「俺達の責任だから、春菜にはこれ以上、負担掛けさせる訳には行かないよ」。
春菜、「メールの通り、実行するのね!」。
里美、「可愛い春菜の為だから」。
彰浩、「俺達の誕生を司った、唯一魂だから粗末には出来無いよ!」と、春菜の頭を撫でた。
春菜、「有難う」と、目が潤んだ。
春実、「さてと、これで決まりだ!、春菜聞き分けの無い、
心の友のアジトに行くぞ!」と、言うと、春菜は、「バレてるんだ!、秘密基地!」。
春実、「お袋が嫌いな場所だけどね!」。
里美、「あたしゃ~、一番あそこが落ち着くけどね!」。
紗江、「さて、皆んなで襲撃掛けようぜ!」。
全員、「おう!」と、答えたのであった。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




