第十章、結託 4
卸本町の蜃気楼、パターン2(過去からの訪問者)オリジナル
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翌日。
春菜は春実が経営する店、Dear store の事務所で、経理をしていた。
隣でお茶を飲んでいる里美が、「あんた、あのレーザー治療って言うのは、
わたしゃど~も苦手だよ」。
春菜、「でも後が楽でしょ!」。
里美、「めん玉が火傷しやしないか、はらはらするよ」。
春菜、「大丈夫だよ!、あの眼科は日本でも、指折りの医師が居るんだから」。
里美、「あんたそうやって仕事してる姿見ると、昔を思い出すね~、
ほんの2ヶ月間だったけど、好かれてたからね春菜は、可愛くて..」。
春菜、「私はほんの三年前だけどね...」。
里美、「それで前世のママの様子は、どうなったのかね?」。
春実、「さっきお姉ちゃんから聞いたけど、夜の11時過ぎに、
路頭に迷う様に私の自宅を、訪ねて来たみたいなの」。
里美、「単純つや~、単純だ~ね!まったく、
飛んで火にいる夏の虫てか、まだ4月だよ!」。
春菜、「大分自分を、省みてるらしいの」。
里美、「だいたいねぇ、こうなる前に良子が振り返らなければ、成らない事でしょ!、
いい大人がべそ掻いてまぁ~、情け無いったらありゃしない#!」。
春菜、「私を盾にして来た部分も有るけど」。
里美、「盾が無くなりゃ、泣くしか無いと来たか!、
しゃれにもならんね#。
あんたもダンスホールだけでは無くて、
日常でも鼻高くしていれば、
良子も愛想が尽きるんでは無いのかい?」。
春菜、「......」。
春菜は、ディスコやクラブなどの社交場に行くと、
人が変わるのであった。
すると携帯が鳴った。
春菜の携帯だった。
春菜はスカートのポケットから、携帯を取り出すと、着信は圭子からだった。
着信ボタンを押して電話に出た。
春菜、「もしもし、ん~、へ!、来ないって朝からなの?、
さ~!、あ...、あ~、解った」と言って、電話を切った。
里美、「どうしたんだい?」。
春菜、「良子さん失踪したらしいの..」。
里美、「良子いよいよ、タイムスリップしたか!」。
春菜、「していないわよ、多分..」。
春菜は思い当たる節があった。
里美、「私が電話掛けてみるよ!」。
春菜、「それがね、誰が掛けても出ないらしいの、まさか自殺なんてしないよね..」。
里美、「する訳ないだろ!、春菜が死ねば、するかもしれないけど..」。
春菜、「私もそう思うけど...」。
そう言いながら、良子に電話をかけ様とした瞬間、携帯を里美に取り上げられた。
里美、「あんたが掛けたら、本もこうも無いよ#!、私が掛ける」と言って、
春菜の電話から、着信履歴を出して、良子の携帯へ電話を掛けた。
すると里美、「.................」。
春菜、「やっぱり繋がらないみたいね!」と、言った瞬間、
里美は、「ゴラァ~#!、しみったれてんじゃね~#!」。
その瞬間、春菜は首を竦めた。
里美、「その手は食うか#!、春菜に甘ったれるのもいい加減にしろ#!」と言って、
里美は電話を耳から放して、電話を切って春菜に携帯を渡した。
春菜、「何も言わず切ったの?」。
里美、「鼻すすりながら、『はりゅなぁ~』ってさ#!」。
春菜、「もうダメだ!、一生あのままだよきっと!」。
里美、「ならあれが死ぬまで、春菜には会わせないだけだ#!」。
すると春実がここへ、やって来た。
里美の表情を見るなり、「何?、お袋から電話でもあったんかいな?」。
里美、「はりゅなぁ~ってさ#!」。
春実、「鼻水垂らしてるねきっと..」。
春菜、「失踪したらしくて、朝から会社来ないから、
良子さんの所に電話掛けても、出ないみたいで、
心配になって圭子さん今、私に電話掛けて来たの...」。
春実、「放って置け#!」。
里美、「それでこの間の良子の件で、客の反応どうだい?」。
春実、「皆さん、『あれはしょうがないよ、性格だから』で、収まった」。
里美、「客の方がよくあの女の性格を、把握しているか」と、溜息を付いた。
すると今度は、春実の携帯が鳴った。
やはりスカートのポケットから携帯を取り出し、着信名を見て電話に出た。
春実、「よぉ!久しぶり!、春菜?元気だよ、おう、おう、お~!、そうか..、
直ぐ迎えによこすべな!、うぃ...」。
そう言って、電話を切ると、「春菜、前世のおっかさんは放って置いて、
兄貴がやって来たでのぉ!、駅北口まで迎えに行ってくれぬか?」。
春菜、「本当に!」と、喜んで、「直ぐ迎えに行くよ!」と言うと、
春実は携帯を出した、逆のポケットから車の鍵を出して、「車はぶっ壊しても構わんが、
自分をぶっ壊さない様に、気を付けてな」と言って、自分の車の鍵を渡した。
早速春実の車を借りて、春実の兄貴を迎えに行くのだった。
駅のバスレーンの脇に車を着けると、早速車を降りた春菜に気付いた、
柿本の長男である彰浩が、春菜を見つけて、「オ~イ!」と、叫んだ。
春菜は叫んだ方に振り向くと、彰浩とその奥さん紗江が、ゆっくりと荷物を抱えて、
春菜の方に歩いて来た。
春菜は車の後ろのハッチバックを開けると、彰浩夫婦が荷物を車に納めて、
彰浩と春菜は抱き合った。
紗江も春菜と抱き合い、「久しぶりね春菜、変わらないわね~」と、感心した。
彰浩も、「本とだ!、相変わらずキュートだね!」」と、喜んだ。
春菜、「そんな事ないよ!、お兄さんも変わらないよ」。
早速三人は車に乗り込み、柿本ハウスに向かった。
春菜は車の中で良子の、事の事情を話していた。
彰浩、「その話で来たんだよ!、春実からメール貰って。
いよいよお袋とも、まじめに今後の生活について、話をしないといけないと思って」。
紗江、「お母さん、いよいよ気が狂いそうね!、
そうなるのは、時間の問題だとは、思っていたけど」。
彰浩、「俺が悪いのだけど、お袋放って置いて春菜に任せっきりで」。
春菜、「今、良子さんまともに話が、出来る状態じゃなの!」。
助手席の彰浩と、以心伝心中 → → → →!、春菜と転送完了!。
彰浩、「雲隠れの手を取ってるのか!、相変わらずダダっ子だなお袋は..」。
春菜、「昔からそうなるの?」。
彰浩、「親父と喧嘩すると、必ず家の地下室に隠れて、出て気やしない#!、
俺が物心付いた時から、始まっているのさ!」。
紗江、「お母はさん大変な人ね..」。
彰浩、「だから俺達夫婦は、被害を恐れて東京に住んでいるんだよ!」。
春菜、「息子の俊樹君は?」。
紗江、「私の実家で、預かって貰っているのよ!」。
春菜、「そう..」。
彰浩、「今日はそれで、お袋はどうしてる?」。
春菜、「それが自宅にも居ないみたいなの!、地下も探したけど居ないの」。
彰浩、「当分出てきやしないぜ!、そうなると自分の要求が通らないと、
お袋は誰にも会わないと思うから」。
春菜、「昔からなの?」。
彰浩、「俺が生まれてからは、そうだったぜ!」。
紗江、「独身の頃から、そんなにわがままだったの?良子さん..」。
彰浩と春菜は同時に、「いや..そうでもない」。
春菜、「とにかくしっかりした人で、私の方がわがままだったけど」。
彰浩、「結婚してから大分、親父がわがままにさせたのさ!」。
春菜、「私が何もかも原因作ったの!」。
彰浩、「それはあくまでも、結果論だぜ!」。
紗江、「間接的でしょ!、春菜ちゃんが財産築かせて、今が在るのは」。
彰浩、「それはお袋が、反省するべき点なんだ!。
結局親父は前世である春菜を、下ろさせた責任を感じてるから、
お袋が言うがまま、贅沢三昧にさせて、その内バブルが遣って来て、
崩壊する前に財産を蓄えて置いたので、お袋は親父が死んでも優雅だった。
更に都合の良い事に、春菜が過去を体験して、お袋を知って現代に戻り、
週に三日もお袋の、お膝元とくれば向かう所敵無しさ!。
誰に嫌われ様が、心通じる春菜が居るから、寂しさなんて無いのさ!」。
紗江、「贅沢三昧、言いたい放題!、何処かのテレビに出てくる、
有名な我の強いおばさん状態!」。
三人は笑った。
この物語はフィクションであり、登場する人物、建物などは実際には存在しません。




